
法務の資格|試験の難易度やおすすめの資格をご紹介
法務は企業の中で法律に関連する業務に携わることのできる職種です。事務・管理系職種の中でも特に専門性の問われることが多くあります。今回は法務部に勤めるためにはどのような資格が必要か、企業法務、国際法務、金融法務それぞれの資格や難易度について紹介していきます。
法務は資格がなくてもできる?
法律に関する様々な業務を行う法務職には、通常大学で法学を学んだ人、法科大学院で司法試験を目指して勉強していた人、など法律の知識を持つ人がなることが多いようです。
一方、企業によっては全く未経験の人が法務部に配属になるケースもあり、その場合は実務経験から法律を学んでいくことになります。
法務になるため必要と規定される資格はありませんが、持っていると仕事に活かせる資格はいくつかあります。
法務におすすめの資格とは
前章でも紹介した通り、法務になるために必要とされている資格はありません。
しかし法務には法律の知識が求められる仕事がほとんどですので、持っていると仕事に活かしたり、転職の際に有利になる資格が幾つかあります。
法務には大きく分けて、
- 企業法務
- 国際法務
- 金融法務
がありますのでそれぞれについておすすめとなる資格を紹介していきます。
企業法務におすすめの資格
企業法務にオススメの資格には、以下の4つが挙げられます。
- ビジネス実務法務検定
- ビジネスコンプライアンス検定
- 行政書士
- 司法書士
ビジネス実務法務検定は、ビジネスに必要な法律知識が取得できる検定で、法務に限らず様々な職種の方に役立つものです。
1級、2級、3級があり、2級までなら独学でも十分習得可能とされています。
アピール材料として使うには2級以上の取得が望ましいでしょう。
ビジネスコンプライアンス検定は企業活動を健全に行う上での正しいコンプライアンスに対する意識や姿勢を持っているかどうかの評価について検定です。
BASICWEBテスト、初級、上級のがあり、法務人材でしたら上級の取得を目標にしましょう。
これらの民間資格加え、さらに難易度や専門性は高くなる、行政書士や司法書士の資格取得も大きなアピールポイントになります。
行政書士は官公庁への許認可を申請する書類の作成・提出手続き代理などが認められる国家資格です。
司法書士は不動産登記や商業登記や裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成など他人の依頼に基づいて遂行できる資格です。
国際法務におすすめの資格
国際法務は企業の海外取引などに伴う法律に関する案件を担当することを主な仕事としています。
- 日商ビジネス英語検定
- TOEIC
- BULATS
国際法務では企業法務でおすすめの資格として挙げた4つに加え、高い英語力が求められます。
グローバル化の進む日本においては、高い英語力のある国際法務は多くの企業から求められる存在です。
企業の国際的な活動が増えるに従い、海外の法律に関して対応しなければならない場面が増えます。
特にグローバル企業の法務担当は、難解な契約や法律関係の英文を扱う機会があり、それらを正しく理解した上で契約書の作成などを行うため、専門知識に加え、契約や交渉でも通用する高いビジネスレベルの語学力が必要になります。
国際法務専門の求人では、ビジネスレベルの英語のスキル目安としてTOEIC800点以上が求められることが多く、企業内での昇進・昇格においても要件としても定期的なTOEICスコアが必要となる場合も多くあるようです。
採用されたあとも語学力の維持や向上に努める必要がありそうです。
金融法務におすすめの資格
- 知的財産管理技能検定
- 金融商品取引検定
- 融資管理検定
- 法務検定
知的財産管理技能検定では、知的財産の管理や活用を適切に行える能力があることを証明する国家資格です。
1級、2級、3級があります。
合格者には知的財産管理技能士としての国家資格が与えられ、政府も推奨している資格です。
金融商品取引検定、融資管理検定、法務検定は銀行業務検定試験に含まれる検定です。
銀行業務検定試験は銀行や保険・証券等金融機関の行職員を対象に業務の遂行に必要な実務知識や技能・応用力についての習得度を測定することを目的とした公開の検定試験になっています。
金融商品取引検定は、金融商品取引法や金融機関のリスクなどについての知識を問われる検定です。
融資管理検定は、営業店の融資担当者・管理者等を対象とし、融資実行後の債権の管理・回収および企業観察等に関する応用実践的な実務知識について、習得程度を問う試験です。
法務試験は金融業務全般における法務に関する知識を級ごとに階級にあわせた知識を問う検定になっています。
関連記事
▶︎行政書士の難易度とは|年別、都道府県別に合格率をご紹介
法務の資格の難易度
前章で紹介した資格についての難易度を詳しく紹介させていただきます。
法律系資格
参考として法律系の国家資格である弁護士も加え、図に表しています。
国家資格である司法書士、行政書士の難易度は表からみても分かる通りかなり高いでしょう。
具体的な合格率について見ていきましょう。
司法書士試験には筆記試験と口述試験があります。
口述試験は、筆記試験に合格すると受験できるようになっており、司法書士試験の合格率は例年3%前後と、かなり狭き門のようです。
次に、行政書士の出題形式は択一式と記述式の2通りあります。
行政書士の合格率は毎年10〜15%程で、直近の令和元年の試験では11.5%となっています。
次にビジネス実務法務検定の合格率については、1級が10%程度と、国家資格の行政書士と並ぶ程の難関です。
また、1級を受験するためには、2級の合格が必要となっています。
2級の合格率は20〜40%、3級の合格率は70〜80%になります。
3級合格には3ヶ月程度、2級合格には半年程度、1級合格には1年以上の学習期間を目安に学習してみてください。
次に、ビジネスコンプライアンス検定では、初級上級があり、初級の合格率は40%程度、上級の合格率は25%程度です。
初級で1〜2ヶ月、上級で2〜3ヶ月程度の学習時間が必要となります。
比較的短い期間で取得できる資格にはなっていますが、ビジネスマンとしての基礎知識を網羅できる試験になるため、挑戦する価値の高い資格であるといえるでしょう。
語学力
次に海外法務におすすめの資格として挙げたTOEICについて紹介していきます。
TOEICのスコアの目安として、国際法務の仕事では800点以上を求められることがあります。
800点以上というと、英語力を活かして仕事ができる段階と証明することができます。
また800点台のスコアは英検準1級程度と同等とされており、かなり高い英語力があることを示せることになるでしょう。
TOEICの公開テストで800点以上取得者の割合は上位12%程度となっています。
800点以上を目指す場合参考書は2冊以上活用することがおすすめです。
TOEICは600点までは100点アップにつき200時間、600点以上は100点アップにつき300時間以上の時間が必要になるとまで言われています。
日頃の地道な努力が得点につながるでしょう。
銀行業務検定試験
次に、金融法務で紹介した、銀行業務検定試験の合格について触れていきます。
金融商品取引3級の合格率は30.9%、択一式の問題形式で60%以上の得点で合格です。
融資管理3級の合格率は31.4%、5答択一式の問題形式で60%以上の得点で合格です。
法務検定については、2級・3級・4級があります。
それぞれ2級の合格率は29.9%、3級の合格率は32.3%、4級の合格率は60.1%となっており、2級は50%、3・4級は60%以上の得点で合格です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、法務の資格についてご紹介しました。
法務になるために必要とされている資格はありませんが、法律を扱う仕事のため法律に関する知識が必要になります。
また、持っていると活かせる資格もいくつかありますので、法務を目指す方は、この記事を参考に資格を取得しましょう。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。