
司書の就職は難しい?就職先4選をご紹介!司書は公務員としても働ける!
司書の就職先にはどのような場所があるのでしょうか。司書は、さまざまな種類の図書館で働くことができます。本記事では、司書の4つの就職先や、地方・国家公務員としての働き方について詳しくご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
司書の就職事情
まずは、司書の就職事情について詳しくみていきましょう。
就職先や雇用形態によって事情が異なるため、以下の3つの場合に分けてご紹介していきます。
- 公共図書館に正規雇用で就職する場合
- 私立図書館に正規雇用で就職する場合
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非正規雇用で就職する場合
就職事情①公立図書館の司書
最初にご紹介するのは、最も身近な公共図書館の正規職員を目指す場合です。
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国立国会図書館
公立図書館の中でも人気の国立国会図書館の職員は、特別職の国家公務員。
総合職・一般職として採用されるためには、例年5〜7月ごろに行われる採用試験に合格する必要がある。
ただし、平成31年度採用試験結果を見ると、総合職が401名申し込みに対して4名採用(倍率約100倍)。
また、一般職が756名申し込みで17名採用(倍率約44倍)となっており、非常に難関。
※参考:平成31年度国立国会図書館職員採用試験結果 国立国会図書館
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地方自治体運営の図書館
地方自治体運営の図書館に勤務する職員は地方公務員。
司書として勤務するためには、図書館を運営する地方自治体の職員採用試験を受ける必要がある。
自治体によって、一般職員として採用後に図書館配属となるケースのほか、当初から司書職として採用するケースがあるため、事前に確認が必要。
国立の国会図書館と、地方自治体による公立図書館の2つのパターンがあります。
就職事情②私立図書館の司書
次に私立の学校や民間企業が運営する、私立図書館における司書の就職事情を見ていきます。
私立図書館の場合、その他の正社員と同様、運営する学校法人や企業による採用試験を受けなければなりません。
欠員の発生など採用が必要になったタイミングで募集するため、採用数は少ないのが一般的です。
また、企業が運営する図書館には専門図書館も多いため、司書としてのノウハウとは別に、専門的な知識が求められる場合もあります。
私立学校では生徒の個人情報を取り扱うという特異性があるので、職員の紹介で採用するというパターンも多く見られます。
こうした実態を踏まえると、私立図書館の司書も難関と言えるでしょう。
就職事情③非正規雇用の司書
ここまで見てきた通り、公立図書館・私立図書館どちらも、正職員として就職するのは決して簡単ではありません。
それでも司書として働きたい場合には、非正規雇用での募集を探すのがおすすめです。
先ほどご紹介した私立大学を例に見ると、大学図書館のカウンター業務や蔵書整理業務は派遣社員を活用していることも多いのです。
大手派遣会社でも司書の求人情報が掲載されており、正職員採用と比べれば格段に選択肢が広がります。
中には、図書館業務を受託している会社が派遣社員を募集しているケースもあります。
派遣社員として一定期間勤務した後、直接雇用に切り替えられる場合もあるので、最初は非正規雇用で応募して将来の足がかりにするというのも有効です。
司書の4つの就職先
司書の就職事情についてご紹介してきましたが、就職先によってその事情は異なります。
ここまでの話を踏まえ、以下の4つの代表的な司書の就職先について詳しく解説していきます。
- 公共図書館
- 学校図書館
- 大学図書館
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企業が運営する図書館
それでは詳しくみていきましょう。
就職先①公共図書館
多くの人にとって最も身近な図書館が公共図書館です。
国が運営する国立国会図書館、都道府県立図書館、あるいは市区町村立図書館がこれに該当します。
民間企業に運営委託している公立図書館や、日本赤十字社・公益法人が運営する一部の図書館も当てはまります。
公共図書館の利用者層は老若男女問わず、蔵書のジャンルも幅広いのが特徴です。
2019年時点で、全47都道府県が図書館を設置しています。
また、市区町村立の図書館は全国に3,200館以上あり、常勤・非常勤を問わず数多くの司書が所属しています。
全国の公共図書館の数は10年間で約140館増えており、司書の活躍の場も広がっています。
ただし、常勤の専任職員数は10年間で約2,800人減少していて、非常勤や臨時での採用が増えている点は要注意です。
※参考サイト:図書館リンク集 公共図書館(公立図書館) 日本図書館協会
公共図書館集計(2019年) 日本図書館協会
公共図書館経年変化 日本図書館協会
就職先②学校図書館
全国の小中高に設置された学校図書館でも、多くの司書が活躍しています。
学校図書館に勤務する司書は一般的に学校司書と呼ばれています。
公立学校では地方自治体の職員として、私立学校では学校の職員として採用されます。
学校司書とは別に、教育的な立場から図書館の運営方針などを決定する「司書教諭」も設置が義務付けられています。
司書教諭を図書館のを監督する立場で、学校司書は実際に方針を形にする役割を担っています。
また、最近では生徒による「調べ学習」の重要性が高まっており、学校司書は子どもに調べ方や情報リテラシーを教えるという大切な役割も担っています。
就職先③大学図書館
大学図書館にも、司書の活躍の場はあります。
国立大学の図書館で司書になりたい場合、全国7地域ごとに行われる国立大学法人等職員採用試験を受けなければなりません。
採用試験は大学法人・職種ごとに分かれており、司書は「事務系(図書)」での採用です。
主な業務は公共図書館とほぼ同じですが、研究書や論文など専門的な資料の取り扱いが多い点や、講演会の実施・他大学との交流などがある点は特徴です。
大学によっては地域住民に開放されている場合もあり、学校図書館に比べると利用者層が幅広いと言えます。
なお、大学図書館でも、全職員のうち正職員以外(非正規・臨時・派遣等)が約6割を占めているのが現状です。
※参考サイト:大学図書館統計I(2019) 日本図書館協会
就職先④企業運営の図書館
最後にご紹介するのが、企業が運営する図書館です。
運営企業の業界に特化した専門図書館であることが多く、蔵書も専門分野に特化しています。
そのため、司書にも専門分野に関する深い知識が求められるのが特徴です。
企業運営の図書館の例としては、味の素食の文化センターが運営する「食の文化ライブラリー」や、全国の博物館・美術館に付属するライブラリーなどがあります。
企業運営の図書館では欠員や増員の必要が生じた時に、適宜採用を行うというのが一般的です。
採用人数は少なく、募集のタイミングも限られています。
※参考サイト:公益財団法人味の素食の文化センター
司書の就職まとめ
いかがでしたでしょうか。
司書は人気の職業でありながら、正職員としての採用は非常に狭き門であると言えます。
図書館で働きたいと考えるなら、まずは非正規雇用で働く方が現実的かもしれません。
また、公共図書館以外の選択肢も考慮に入れるのがおすすめです。
以上、今回は司書の就職事情や就職先の種類についてご紹介しました。
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