
【転職時の有給の過ごし方について】退職までに休暇を消費させる方法など
有給休暇とは何でしょうか?アルバイトを経験している方や実際に社会人として働かれている方には聞き馴染みのあるワードではないでしょうか?有給休暇は労働基準法に定められている労働者の権利です。そもそもは働いてる方の心身のリフレッシュやスキルアップのための利用を目的とされたものです。今回は転職の際に有給休暇をどのように活用する必要があるかご紹介します。ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?
有給休暇を消化するとは?
心機一転、転職をして新しいステップを踏む社会人も多いのではないでしょうか。
有給休暇は労働者の権利
転職と言えば、付き物なのが有給休暇をいかに消化するかということ。そもそも、有給休暇と言われるものは、正式には「年次有給休暇」と呼ばれるもので、労働基準法第39条に定められている労働者の権利とされているものです。
これは企業の正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトにも付与されているもので、本来は就業中の心身のリフレッシュや自己啓発のために利用されることを目的としているものです。
就労条件総合調査を見ると・・・
しかし、日本の企業における労働者の有給消化率は、厚労省が2016年に実施した就労条件総合調査によると、2015年度で48.7%にとどまると言います。
つまり、有給休暇が支給されているとは言うものの、就業中にまとまった有給休暇を取得するというのは至難の業ということになります。
そのため、転職を機にそれまでに残っていた有給休暇を退社日までに消化しようということになるのです。
もともと、積極的に取得されるべき有給休暇が、こなさねばならないものに変化していて、それが「消化」という半ば義務的なニュアンスを持つ表現を生んでいます。
転職が決まった後に有給休暇を利用することは出来るんですか?
先日、とある会社から内定をいただきました。
一つ返事で承諾の趣旨の話をし、だいたい1ヶ月後に入社との話で終わりました。
転職活動をしたのが初めてですので、いまいちわかっていないのですが、この場合退職までの1ヶ月間を有給消化しても大丈夫なのでしょうか?
有給を取るのは当然の権利です。でも引継ぎをやってからというのが大前提です。
何度も実際に転職している私から円満退社のコツを教えますね。検索すると色々出てきますが、実体験の結果として書きます。
1、引継ぎは完璧にやる
2、最低でも1カ月後を退職日とする
3、退職理由は前向きに。会社の悪口を言わない。
これだけです。
例えば6/14今日であれば、明日から6/30まで有給で休みますと言えばまず怒られます。
業務の引継ぎもあると思いますし、一応会社側に「引き留めてもダメだった」というルーチンを与えなければなりません。
相手も人間ですしね。有給が中途半端に残るようなら買い取って貰うという手もあります。
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転職者は残された有給消化をどのように過ごす?
さて、これから転職をする社会人がどのように有給休暇を過ごすかを見ていく上で、有給休暇が退職後どれだけ取得できるかというのは、見逃せません。
会社に転職を伝えてからの平均有給休暇日数
転職サイトのマイナビ転職が20歳から39歳に行った調査によると、会社に転職を伝えてから何日有給休暇を消化したかとの問いに、46.1%が「0日から4日」と回答しています。
このようにおよそ半数近くが1週間以内の有給休暇取得にとどまっている現状を考えると、近場で過ごす、あるいは身の回りの整理などで有給休暇が終わってしまうというパターンが多いと想像されます。
有給消化に旅行に行くということ
一方で、先述の調査では17日以上有給休暇を取得できると回答した割合が17.1%と2割近くに上っていることも明らかになりました。
SNSなどでも有給消化として、旅行に出かける投稿が多く見受けられます。
しかし、社内が有給休暇を取りにくい雰囲気を醸し出していることもあり、「有給休暇を使って旅行に行く方法」や「有給休暇申請に使える理由づけ」などといったウェブサイトが検索エンジンの上位に挙がることが多く見受けられます。
このことから有給消化のために海外など遠くへ旅行に行くことがまだまだしづらい状況にあるということが分かるでしょう。
転職時に発生する有給消化率を押し下げる要因
転職の際、有給消化率を押し下げている要因はいくつかあります。
有給休暇を取得しづらい職場環境
ひとつは有給休暇を取得しづらい職場環境。ただでさえ忙しい中、引き継ぎという新しい業務が加わり、とても有給休暇を取れる状況にありません。
また、会社が休めない分の有給休暇を買い取り、現金化するというシステムが存在していることも有給休暇率を低下させている一因となっている現状があります。このシステムは労働基準法に違反する事項でものであるものの、例外的に退職者などに認められているものです。
しかし労働者側と経営者側の合意が必要、企業が認めるかどうか分からないといった不確定要素が多く、事前の就業規則などの確認が必要です。
有給休暇の強制的な買取が起きる
また、本人が希望しないうちに強制的に買い取りをさせられたり、休暇の買い取り単価が希望していたものと異なったりといったトラブルになることもあり、法的知識が必要となるケースが出てくると考えられます。
それでも多忙な業務に追われ、有給休暇を買い取るケースが後を絶ちませんこのような日本独特の職場環境やシステムが有給消化率を下げていることは上記のことからも明白であると言えます。
次の仕事に転職する時に気をつけること
そのような中、次の仕事への転職の条件に有給休暇の取得しやすさ、すなわち有給消化のしやすさを挙げることが多くなってきています。
有給休暇の消費のしにくさ
裏を返せば、それだけ多くの転職希望者が現状の有給消化のしにくさに苦しみ、悩んでいることが言えると思います。ただ、次の仕事が決まったからといって、有給消化中に現在所属している会社に内緒で、次の仕事を行うというのは、厳に慎まなければいけません。
現職の会社の就業規則に違反する可能性があり、また現職の会社に申請したとしても雇用保険に重複して加入できないことからトラブルに陥ることにもなりかねないので、お勧めできません。
また有給消化中にアルバイトなどを行おうとしている場合も同様で、現職の企業が副業禁止にしている場合では違反行為と取られることが多く、行うとしても事前の申請が必要となるでしょう。
転職を決意しても有給消化できない人たち
これまで記したように、転職を決意した後に有給消化できる人がいる一方で、転職が決まった後、有給休暇が取ることができないために、連日仕事に追われているケースも多々あります。
そういった場合に、転職を決意したときから、少しずつ有給消化を行うことが見受けられます。
前述のように、退職の意思を伝えてからの有給消化日数が少ない現状では、こういったようになってしまうのは仕方のないことだと思われます。
労働基準法の改正
しかし、労働基準法の改正によって、有給消化が義務化される方向で議論されていることを踏まえると、将来的には、転職を決意してから少しずつではなく、まとまった有給消化が堂々とできるような土壌が作られていくのではないかと思われます。
有給休暇を切り出すタイミングとは
転職・退職を考えた時、有給休暇について話すタイミングなども考えなくてはいけません。
今回は有給休暇に関するJobQのQAをご紹介します。
退職を希望しているのですが、有給消化の話はいつ言えばいいと思いますか?
明日にでも会社に対し9月末での退職を申し入れようと思うのですが、有給が15日残っています。
出来たら9月中に全ての有給を消化して退職したいと考えているのですが、退職を伝える旨を話すと同時に有給を使用する意思があることを伝えた方がよいのでしょうか?
それとも一旦会社から9月末の退職を受理された後に、有給を使用する意思を伝えた方がよいのでしょうか?
ネットで調べた限りでは有給消化拒否等の対策のため後者の方が良いという書き込みがあったのですが、有給の意思を伝えるのは早ければ早い方が良いと思うので、迷っています。
ご回答宜しくお願い致します。
仕事の内容が分かっていない上での回答となってしまいますが、明日に9月末に退職される意思を会社に伝えてその後15日間有給を取られるとしたら、質問者さんの仕事の「引継ぎ」はどの様にされる予定でしょうか?
もし質問者さんの仕事の引継ぎに1週間かかるとしたら、1週間引継ぎ、1週間有給休暇取得、その後9月末退職(要は15日全部の有給休暇を諦める)、とした方会社側との軋轢が少なくよろしいかと思います。
との事でした。
有給休暇を伝える際には、引き継ぎをしっかりしてから手続きをすると良いでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?
これまで、転職と有給消化について記述してきました。
有給休暇を「消化」するというこれまでの考え方は、日本特有の「企業戦士」あるいは「会社人間」と呼ばれる仕事偏重の人間を生み出した社会体質を表しているのではないでしょうか。
「消化」とは、ただひたすらにこなしていくことに他ならず、企業が仕方なく従業員に有給休暇を与えて、それに従業員が単純に喜んでいるという状態を端的に示しています。このような状態がいいとは思えません。
より従業員が能動的に有給休暇を取得し、企業は休暇を取ることのプラス面を取り上げることが必要です。転職市場の活性化が本の終身雇用という昔の体質を崩したように、同じ転職をきっかけに、有給休暇の取得が長時間労働を解消する一手であると思います。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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