退職前に引き継ぎをしよう！メールのやり取りや資料の作成方法について

退職時の引き継ぎは、後任者や会社への負担を軽くし、あなたがいなくなった後もスムーズに業務が進行するように、簡潔でポイントを押さえた方法でなければなりません。

引き継ぎは、通常業務と並行して行われるので、後任者に大変な負担がかかります。

退職日の一週間前から3日前には引き継ぎが完了するようにスケジュールを組みましょう。

業務ノートやマニュアルの作成、必要な電子ファイルの場所を指定し、後任者が仕事をしやすいように配慮した引き継ぎを行いましょう。

仕事でお世話になった人が多く、引き継ぎの挨拶に行けない取引先や部署などがあれば、引き継ぎの挨拶メールを有効活用してください。

社内便や手紙を送るよりも、タイムリーに連絡事項も送ることができます。最後のご挨拶も一斉にメールすることができます。

社内へ送る引き継ぎメールと社外へ送る引き継ぎメールにも違いがあり、同じような内容のメールを送らないように注意してください。

 

社内への引き継ぎメールのポイント

退職が決まったら、急いで引き継ぎを開始しなければなりません。

後任者が決まっていない場合は、上司や同僚に引き継ぎをお願いすることになります。いずれにしても多くの関係者にご迷惑をおかけするので、きちんとした内容の引き継ぎメールを送るようにしましょう。

退職の挨拶としてメールをしますが、退職理由については、深く触れることなく「一身上の都合」が無難です。

退職日や後任の担当者の紹介も忘れないようにしてください。退職後も連絡できるように、連絡先を添えておきましょう。
 

社外への引き継ぎメールのポイント

社外向けの退職のご挨拶と引き継ぎメールは、社内用よりも慎重に言葉を選び、信用を失ったり、不安を残したりしないように注意しましょう。

メールには、退職日を明記し、後任者の紹介や引き継ぎに関しても忘れずに記載してください。

メールを送った後に、後日、後任者と一緒に直接挨拶に行くほうが丁寧で印象がよくなります。社外宛の引き継ぎメールでは、私用の連絡先を書かないようにしてください。

転職先や退職理由なども絶対に記載しないでください。社外の関係者はあくまでも会社を通じての取引や関係です。それ以上の深入りは禁物です。

引き継ぎ時には、全て口頭で伝えたとしても相手がメモを取ってくれますが、かなりの時間を要しますので引き継ぎ業務が遅れやすくなります。

後任者に大きな負担がかかりますので、事前に引き継ぎ書を作成することがベストとなります。引き継ぎ書には、業務内容、電子ファイルなどをまとめ、マニュアルとして誰が見てもわかるような内容であることが重要です。
 

引き継ぎ書の作成のコツ

引き継ぎ書は、ダラダラと書いてしまうと、読み手にもわかりにくい内容になってしまいます。

業務の目的やフローチャート、関係者一覧、トラブル対処法やノウハウ、顧客企業の情報などを見出しを付け、章立てしてまとめるようにしてください。丁寧な記載内容であることは重要ですが、不要な情報を記載しないようにしましょう。

ノート一冊でまとめられるように簡潔に記載することがポイントです。

業務引き継ぎの期間は、2か月以上必要だと会社側から指定されることもありますが、民法上は原則2週間前に退職の意思表示を行えばいいことになっています。

業務引き継ぎは、マニュアルを作成し2週間以内で終わらせることも可能ですが、円満退社を希望するなら、後任者が決まり、全ての業務引き継ぎを終了させた上で退職するほうがいいかもしれません。

実際には、たいていの会社の業務はマニュアル化されており、異動があった場合でも短期間で対処できる場合がほとんどです。

そのため、引き継ぎの期間は、2週間〜1か月以内で済むと考えられます。

 

引き継ぎの期間は法律の適用もされる？

引き継ぎの期間は、規定を定めても強制できるわけではありません。

実際には2週間前に退職の意思表示をすれば、2週間で辞めることができます。法律でそれ以上の引き継ぎの期間を強制することはできません。

会社からの引き止めにあったとしても、必要な引き継ぎ作業が終わったということであれば、2週間たてば退職しても問題ないでしょう。

参考：
退職する前に知っておきたい法律の知識！

転職先からの内定が出た後に、現職の職場の責任者に退職の意思やその時期について伝えます。次の職場が決まっていないのに、退職の話はできません。

円満退職をするつもりなら、会社側にも迷惑がかかりますので、引き継ぎ業務は予定の期間内でスムーズに終わらせる必要があります。退職の引き止めや退職時期の引き延ばしにあっても、予定通り引き継ぎを行います。

逆に引き継ぎをしないことは、会社や同僚に大きな迷惑になりますので注意が必要です。

 

引き継ぎをすることは義務

会社が従業員の退職を防止することはできません。

どんな従業員にも退職の自由が認められているからです。しかし、後任者の業務の引き継ぎの義務や企業からの貸与物の返還義務があります。

退職の申し出後2週間が過ぎてしまえば、引き継ぎが途中でまだ終わっていなくても、期日通りに強制的に引き継ぎを終わらせることで、その義務を果たしたと考えておきましょう。

 
トラブルが起きないように引き継ぎしよう

従業員の退職時の怠慢や迷惑行為が多いのは、退職や転職の自由などが法律で定められているためで、一番トラブルになりやすい問題です。

突然の退職、引き継ぎをしないで退職するなどで会社への迷惑行為により、多大な迷惑・損害などが生じた場合は、金額は少額ではありますが損害賠償の請求が認められた事件判決などもあります。

後々のトラブルを防止するために、円満退社を目指し誠意ある引き継ぎ業務を行いましょう。

いかがでしたでしょうか？

退職前の引き継ぎ業務に関するポイントをまとめました。メールのやり取りや資料の作成方法、引き継ぎ期間、トラブルが発生するケースなど、引き継ぎ業務も後任者や会社に迷惑がかからないように行います。

しかし、退職引き止めや退職時期の引き延ばしがあっても、無理に応える必要はありません。