
キャリアの定義とは?大学生・社会人が考えるべきポイントを解説
キャリアとはどのような定義で用いられているのでしょうか?この記事ではキャリアの持つ意味を一般的な定義や厚生労働省と文部科学省の定義、外的・内的キャリアから解説します。また、大学生や社会人が就職や転職で理想のキャリアを考えるためのポイントやキャリアプランの考え方をお伝えします。
キャリアの定義は「経歴」や「生き方」
一般的なキャリアの定義は仕事の「経歴」や個人の「生き方」
一般的にキャリアは以下のように定義されます。
①仕事上の職歴・経験
例「IT業界で管理職としてのキャリアを積む」
②個人の生き方・人生
例「転職する上で今後のキャリアを考える」
このようにキャリアとは仕事の「経歴」や個人の「生き方」と表されます。
厚生労働省のキャリアの定義は「長期の職務経験」や「能力開発の連鎖」
厚生労働省の資料ではキャリアを以下のように定義しています。
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
(引用:厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書)
このようにキャリアとは「長期の職務経験」や「能力開発の連鎖」と表されます。
文部科学省のキャリアの定義は「自分の役割を見出す積み重ね」
文部科学省の資料ではキャリアを以下のように定義しています。
人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」の意味するところである。
(引用:文部科学省「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」)
このようにキャリアとは「自分の役割を見出す積み重ね」と表されます。
注意すべき外的キャリアと内的キャリア
キャリアは大きく外的キャリアと内的キャリアの2つに分けられます。
外的キャリアは世間から見たキャリアを表し、内的キャリアは自身から見たキャリアを表します。
それぞれの視点で自身のキャリアを評価することによって、キャリアを様々な側面から考えることができます。
また、世間的に評価されるキャリアと自身が望むキャリアは一致しないことがあるので注意が必要です。
外的キャリアは世間で評価されるキャリア
外的キャリアとは学歴や年収のように世間で一般的にキャリアを評価する基準のことを指します。
外的キャリアの評価基準リスト
- 学歴(中卒、高卒、大卒…)
- 経歴(転職、独立…)
- 職業(エンジニア、接客、事務、公務員…)
- 法人(大企業、中小企業、フリーランス…)
- 役職(部長、課長、社長…)
- 年収(200万、500万、1000万…)
- 資格(医師、弁護士、公認会計士…)
例えば、MBAを取得した後に大企業の社長を務め、高収入を得ているマネージャーは世間的に評価が高いキャリアとされています。
内的キャリアは自身が評価するキャリア
内的キャリアとは仕事へのやりがいや満足度のように自身がキャリアを評価する基準のことを指します。
内的キャリアの評価基準リスト
- やりがい(お客様の役に立てる、成長できる…)
- 満足度(定時に仕事が終わる、人間関係が良好…)
これは人それぞれの価値観によって基準がバラバラなので、自分がどんなキャリアならやりがいや満足感を得られるかを考える必要があります。
外的キャリアと内的キャリアは必ずしも一致しない
外的キャリアはあくまで世間的な評価にすぎないため、自身の価値観に基づいた内的キャリアと一致するとは限りません。
例えば、外的キャリアの評価基準である収入が高い職業に就いたとしても、激務で人間関係の悪い労働環境であれば内的キャリアの満足度は下がる可能性が高いです。
キャリアを考える際は、世間的な評価に基づく外的キャリアだけではなく、自身がどのようなキャリアにやりがいや満足感を得られるのかといった、内的キャリアを考える必要があります。
大学生が就職で考えるキャリアの3ポイント
大学生がキャリアを考えることは、将来的に社会人として自立する上で大学生活をどのように過ごすかを明確にすることです。
そこで、キャリアを考える際は以下の3つのポイントを意識する必要があります。
- 大学生活の目的と価値を考える
- 将来の問題を先送りにしない
- 仕事選びの基準を年収や企業名に限定しない
[大学生のキャリア]①大学生活の目的を考える
キャリアを考えることは将来を見据えて現在すべき行動を明確にすることです。
大学生であれば、卒業後に社会人として自立する上で、大学生活をどのように過ごすべきかを考えることを意味します。
例えば、
「やりたい仕事に役立つ専門性を身に付けたい」
「時間のあるうちに留学して海外を知りたい」
「バイトやインターンを通じて社会経験を積みたい」
といったように、社会人として自立する前にやっておきたいこと、大学生活で何をすべきかを明確にします。
[大学生のキャリア]②考えるのを後回しにしない
大学時代は一般的に「人生の夏休み」と言われ、社会人として自立するまでの準備期間と認識されています。
しかし、時間的な余裕があるからといって「働くなんて先のこと」と、将来について考えることを後回しにしてはいけません。
もし、将来のキャリアを明確にしないで大学生活を送ると、卒業時に
「自分は何のために大学を受験したのだろう」
「自分は大学生活で何を学んだのだろう」
と後悔する羽目になります。
また、就職活動の面接で
「大学生活で最も力を入れたことは何ですか?」
「どのようなキャリアプランで活躍したいと考えていますか?」
と将来について聞かれた際にすぐ答えられるよう、早くから自分の将来に向き合っておくことが重要です。
[大学生のキャリア]③年収や企業名で判断しない
将来のキャリアを考える際に、社会人経験の乏しい大学生は年収の高さや知っている企業名で仕事選びを考えてしまいがちです。
もし年収や企業名だけで仕事選びをしていると、実際の業務内容が自分に合っていなかったり、想像していた働き方と違ったりすることが起こります。
入社前と入社後のギャップを生まないためにも、自分がどのような目的でどのように働きたいかを明確にすることが重要です。
社会人が転職で考えるキャリアの5ポイント
転職の際には自身がこれまで歩んだキャリアが新卒の時よりも重視されます。
しかし、キャリアという言葉には様々な意味が含まれており、具体的なイメージが付きません。
そのため、キャリアがどのように見られ、どう評価されるのかを具体的に以下の5つのポイントから解説します。
- これまで所属した会社
- これまでの転職歴
- これまでの社会人経験年数
- これまでに獲得したスキル
- これまでに形成された価値観
[社会人のキャリア]①これまで所属した会社
社会人は転職前に所属していた会社の業界・業種・規模がキャリアの評価に関わります。
もし、転職先の業界・業種・規模が前の会社と同じ場合は転職前の経験や知識が生かせるので、転職後も即戦力として活躍することができます。
逆に転職先の業界・業種・規模が前の会社と全く異なる場合は転職前の経験や知識が生かせないため、即戦力として活躍することが難しくなります。
しかし、業界・業種・規模が全く違っていても、これまで所属していた会社と関連性の高い会社に転職する場合は即戦力として活躍できる可能性があります。
[社会人のキャリア]②これまでの転職歴
終身雇用が一般的であった日本において、転職を1~2年で繰り返すジョブホッパーのような人は評価されませんでした。
そのため、転職回数があまりに多いと面接で不利になる傾向がありました。
しかし、終身雇用があまり一般的でなくなった現在は、確固たる目的に沿った転職ややむを得ない転職に対しネガティブな印象は少なくなっています。
ただし、目的もなく逃げるように転職を繰り返していると印象が悪くなる可能性が高いです。
[社会人のキャリア]③これまでの社会人経験年数
社会人経験は、年数が多い経験豊富な人材ほど短期的な即戦力が期待され、年数が少ない未熟な人材ほど成長が期待されます。
例えば、28歳の転職希望者は年齢という観点では社会人として未熟な部類に入るため、少ない社会人経験の中でどのくらい成果を上げられているかで成長度合いを測ることができます。
一方で、45歳の転職希望者は年齢という観点では社会人として成熟した部類に入るため、長い社会人経験の中で培ったスキルや経験がどれだけ有用なものかを推し量られます。
そのため、20~30代の転職ではこれまでの短い経験の中でどれだけ成長したかをアピールし、30~40代の転職では長年培った経験がどれだけ生かせるかをアピールすることが重要になります。
[社会人のキャリア]④これまでに獲得したスキル
転職では自分の強みと転職先の仕事がどうマッチするかも重要な要素です。
自身をアピールする際にこれまでのキャリアでどのようなスキルを獲得し、それがどう転職先で生かせるかを示す必要があります。
特に、総合職のキャリアを歩んできた場合は専門職と違って明確なスキルをアピールできない可能性が高いため、他の要素を強みとすることも必要となります。
また、時代の変化によって評価されるスキルと評価されないスキルが異なります。
以前の営業は直接訪問したりテレアポを繰り返したりする方法が主流でしたが、現在はネットを通じた営業が主流になっています。
今後のキャリアを考える場合は、時代の変化に合ったスキルの獲得を目指すことも重要な視点になります。
[社会人のキャリア]⑤これまでに形成された価値観
キャリアが長いほど色々な選択を行い、経験を積みます。
その過程で形成された価値観は仕事に大きく影響するため、自分の価値観と会社の理念が大きく異なると、仕事をスムーズに行えなくなります。
これまでのキャリアを通じて形成された価値観を明確にしたうえで、その価値観に合う仕事を選ぶことで、転職先とのミスマッチをなくすことができます。
理想のキャリアプランを考える4つの方法
働く環境が大きく変わっていく中で、自分がどのようなキャリアを歩むかの指針となるキャリアプランを考えることが理想の人生を実現するために重要となります。
しかし、見通せない将来のことを考えることはとても難しく、明確なキャリアプランを持つことは簡単ではありません。
そこで、以下の4つの方法で自分が歩みたいキャリアを具体化し、先の見えない人生の指針となるキャリアプランを明確にすることができます。
- 目的を明確にする
- 自分の強みを起点に考える
- 働きたい会社の条件を考える
- 他の人のキャリアプランを知る
[キャリアプランの考え方]①目的を明確にする
キャリアプランを考える上で仕事をする目的、もしくは人生の目的を設定することが理想のキャリアを実現する近道となります。
もし、ゴールが明確でなければ、どのように行動すればいいかが定まらず、キャリアプランを考えることが難しくなります。
そこで、何のために仕事をするのか、どんな理想状態を達成するために生きるのかを明確にすることで、キャリアプランを具体的に考えることができます。
仕事や人生の目的を明確にする方法として、JobQに投稿された回答として以下のように、とにかく書き出して具体化するやり方があります。
自分のキャリアプランを考える時のおすすめのやり方はありますか?
新卒一年目のものです。
IT系の会社で働いております。
そもそも、この業界に就職したのも今の会社に就職したのも、
最終的には自分のビジネスにおける考え方や、手段、方法などを学ぶことが出来ると思い就職しました。
立ち上がったばかりの部署に配属され、そこでは一年目からとは思えないほどの経験をさせていただけたのですが。。。
結局、ここにいるのが正しいのか?そもそも、自分のやりたかったことはなんだったけな?なんていうのに最近苛まれています。
なので、自分がこのさきどうなりたくて、何をすればいいのかなんていうキャリアプランを再度立て直したいと考えているのですが。こんなやり方がいいよ!なんていうおすすめはありますか?
また、このような悩みを抱えた時の解決策ってなんだと思いますか?
20後半の人でIT系で働いてます。私も、これで良いのだろうか?とよく悩みました。とりあえず、最近は前より、なんのためにこれをやるのかがだいぶ説明できるようになってます。
とりあえず私がやってたことを紹介しますね。
・定期的に人生でやりたいことをひたすら書き出しました。箇条書きで描きまくります。100個でれば上出来です。
・自分の性格や行動特性を分析し、自分は何に価値を感じるか、何が他の人と違うか、について考えました。私はストレングスファインダーを中心に使いました。
・自分が持ってるスキルや自分の環境を書き出して、それが日本人全体で見て、どれくらいのレベル感かを確認しました。
・三年後の理想イメージや十年の理想キャリア、二十年後の理想の生活について想像し、書き出しました。
・ここまでの書き出したことを、後で自分が見返せるように、まとめました。
ここまで来たら、定期的に自分のまとめを確認して、アップデートしつつPDCA回しながら、理想に近づくように毎日頑張る感じです。
この方のようにとにかく書きだして具体化し、定期的に振り返ることで目的を明確にすることができます。
[キャリアプランの考え方]②自分の強みを起点に考える
キャリアプランを考える起点として自分の強み(スキルや経験)から考える方法があります。
例えば、プログラミングのスキルがあれば、IT業界のエンジニアやエンジニアの管理職として活躍できます。
また、営業の経験が豊富で営業が得意なら、様々な業界の営業職として活躍する道が開けます。
このように自分の強みからキャリアプランを考えることができます。
自分の強みを明確にする方法として、過去の成功体験から自分の強みを分析するやり方と現在の自分が弱みとしている部分をポジティブに捉えることで強みにする方法があります。
自分の強みを皆さんはどのようにして見つけましたか?
新卒4年目で初めて転職を検討しています。
ただ「これっ!」という自分の強みを明確にできていないように思います。
皆さんは自分の強みをいかにして見つけましたか?
考え方としては2点です。
まず1点目。
数ある成功体験を振り返ってみて、なぜ成功したんだろうと思考してください。
絶対に理由があるはずです。そして共通点があるかもしれません。
その理由が自分の強みです。
2点目。
自分の弱みを考えてください。
その対極にあるものが言い方を変えれば強みです。荒技ですが、これも強みを探す考え方になります。
ネットで調べたり誰かの言葉を使っても面接官は話してたら嘘だとわかります。
なぜならば、そこには事実がないため、ロジックが通らないからです。
自分と向き合うことで自分の強みが見えて、それが差別化につながりますよ。
[キャリアプランの考え方]③働きたい会社の条件を考える
キャリアプランを考える上で、どのような会社で働くかを考えることは重要です。
働く環境は自身のキャリアに大きく影響し、将来を決定づける可能性が高いからです。
また、自分が働きやすい会社を選ぶことで自身のキャリアをポジティブに歩むことが可能になります。
働きたい会社の条件を明確にする方法として、以下の7つの条件をそれぞれ具体化するやり方があります。
<7つの条件>
地域:どこで働きたいか
(都会、地方、地元、海外…)
業界:どのような商品を扱いたいか
(IT、金融、機械、食品、コンサルティング…)
業種:どのような職種で働きたいか
(商品開発、営業、広告、人事、経理…)
規模:どれくらいの規模で働きたいか
(大企業、中小企業、ベンチャー…)
業務:どのような業務をしたいか
(人と直接関りを持てる、専門知識がいかせる、多くの人に影響を与えられる…)
社風:どのような組織で働きたいか
(成果に貪欲、新しいことに挑戦的、社員間の仲がいい…)
待遇:どれくらいの給料で働きたいか
(最低限の生活ができるレベル、平均並み、年収1億以上…)
参照:『就活の軸』がすぐ見つかる決め方を例文一覧と業界業種別の実例で解説
[キャリアプランの考え方]④他の人のキャリアプランを知る
キャリアプランを考える際、他の人がどのようにキャリアプランを持っているのかを知ることで、自身のキャリアプランと比較・検討することができます。
そのため、他の人が考えるキャリアプランを調べ、どのようなキャリアプランが自分に合っているかを考えることで、自分が歩みたいキャリアが具体化されます。
実際に他の人は以下のようにキャリアプランを考えているようです。
あなたはキャリアプランをもって働いていますか?
あなたはキャリアプランをもって働いていますか?
もしプランがあれば、何年先までイメージされていますか?
ちなみに私は5年先も予測ができない業界と働き方なので、具体的なプランはありません。
僕もIT業界なので未来の予測はつきませんが、具体的なプランとしては「その時の時流に乗っていく」ということを心がけています。
そのためにはしっかりとしたコンピュータサイエンスの知識の上にインターネット技術や仮想化技術、近未来でいえばIoT系の技術などを積み上げていく必要があると思っています。
私は基本的に3年サイクルで考えています。
ただし、状況が変われば都度プランは変わりますし、その状況によっては1年間ほどプランを立てられないこともあります。
具体的なプランをたてて、達成のため努力することはとても大切ですが、その時々で考えても問題はないと思います。
このような事例を知ることで、自身に合ったキャリアプランを知ることができます。
他の人がどのようなキャリアプランを考えているかもっと知りたい時はJobQで質問してみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
この記事ではキャリアの定義や評価されるポイント、キャリアプランの考え方をお伝えしてきました。
皆様のキャリアを具体化するヒントが見つかったら幸いです。
もし、他にキャリアに関する悩みや相談事があれば、JobQで質問してみて下さい。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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