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菓子 将来性

【就活生必見】菓子の業界研究|事業構造・将来性・働き方など徹底解説

菓子業界は学生の間でも知名度が高く、多くの学生が志望します。就活最難関というわけではありませんが、採用人数が多くないので、倍率も高めです。したがって、菓子メーカーに入社することは簡単なことではありません。内定を獲得するためには菓子業界について正しく理解し、その上で自分の強みや頑張ったことを、菓子業界でどう活かせるかを具体的にイメージし面接官に伝えることが重要です。この記事では菓子業界の業界研究を有価証券報告書やシンクタンクのレポートをもとに、詳しくわかりやすく説明しております。この記事を読めば、菓子業界の業界研究は完了するでしょう。ぜひ最後まで読んで、菓子業界の就活に挑みましょう。

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菓子業界とは

この章では菓子業界の
 

  • 業界構造
  • 将来性
  • 業界分類
  • 最新トレンド


について解説していきます。

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【業界研究のやり方】効果的な調査方法とは?

業界構造

自社菓子の製造・販売

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最も代表的なビジネスモデルは自社開発型の事業モデルです。マーケティングから得られる消費者ニーズに基づき、自社製品を開発し、菓子の原材料を選定します。菓子の原材料は専門商社や卸売業者から仕入れることが一般的ですが、自社に原材料の調達部署があることもあります。国内外から調達した原材料を用いて自社の工場で量産用の菓子を見込み生産します。

自社で製造した菓子は専門商社や食品卸売業者を通じて外食業者や小売業者など様々な販売先に販売します。外食業者や小売業者を通じてエンドユーザーである消費者の元に菓子が届けられます。

このように菓子メーカーが製造した菓子は食品卸業者→外食業者や小売業者→消費者という流れで販売されますが、食品卸売業者を通じて販売すると中間マージンが発生し、最終的な価格が上がってしまいます。したがって、菓子メーカーが外食業者や小売業者に直接自社製品を販売するケースもあります。

しかし、菓子メーカーが個別の外食業者や小売店に多品種少量且つ頻繁な納品を行うのは効率が悪いため食品卸業者を通して、小売店、消費者に商品を供給するのが一般的です。

菓子メーカーは自社製品の販売促進のためにテレビCMなどマスメディアを活用して、広告宣伝を行います。広告・宣伝活動を通じてブランド・商品の認知拡大、商品理解、トライアル購入の促進、リーピート購入の促進を図ります。

また、菓子メーカーは小売業者に直接販売するわけではないので、コンタクトがないように思われますが、実際には小売店で自社製品を置く棚の確保や「売れ筋商品」として視認性の高い場所を確保するために交渉を行います。

 

OEM製造

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自社製品を開発せずに他社からの供給依頼に基づいてOEM製造を行うビジネスモデルです。OEMとは「Original Equipment Manufacturing」を略した言葉で、日本語では「他社ブランド製造」とも訳されます。菓子だけではなくアパレルや家電などにも広く普及している方法であり、代表例としてはコンビニに並ぶ会社ロゴが入ったお菓子などのプライベートブランド商品などがあります。

商流としては発注元がマーケティングを実施し、消費者ニーズを掴みます。消費者ニーズに基づいて商品開発を行い、OEM業者に製造委託をします。OEM業者は専門商社や卸売業者を通じて、国内外から原材料を調達し、自社の工場で菓子を製造します。製造した菓子は発注元に納品されます。

流通業者への販売、広告宣伝、マーケティング、小売店との交渉などはすべて発注元が担います。OEM業者はあくまで菓子の製造を行います。
が2兆104億円、2017年が2兆369億円、2018年が2兆321億円となっております。

市場規模・将来性(シンクタンクのレポートなどを)


市場規模

13122_菓子業界_将来性_菓子の市場規模_3.jpg株式会社矢野経済研究所によると2019年度の菓子の市場規模は2兆566億円となりました。菓子業界は横ばいで推移しており、2016年が2兆104億円、2017年が2兆369億円、2018年が2兆321億円となっております。

13122_菓子業界_将来性_製品カテゴリ別の市場構成比_4.jpg

製品カテゴリ別の市場構成比はチョコレートが19.9%、ビスケット類12.7%、米菓13.5%、豆菓子4.2%、スナック菓子15.6%、チューインガム3.7%、キャンディ・キャラメル13.1%、その他の菓子製品14.0%、輸入菓子3.3%となっています。

チョコレート、ビスケット類、米菓、スナック菓子、キャンディ・キャラメル、輸入菓子などほとんどの製品カテゴリで前年度を上回りました。一方で、豆菓子、チューインガム、その他菓子製品は前年割れとなりましたが、いずれも前年度比90%台後半で微減にとどまりました。

13122_菓子業界_将来性_海外企業との競争も激しさを増す_5.jpg

2020年度は2兆232億円と前年比1.6%減となるものの微減にとどまる予測です。2020年度の市場規模を大きく左右したのは新型コロナウイルスの感染拡大の影響です。厳しい入国制限が課されたことによってインバウンド需要が消滅し、海外の観光客向けの菓子の需要は消滅しました。

また、国内の移動にも制限が加えられた結果、観光客向けのご当地のお土産用の菓子や行楽需要の商品の需要も激減しました。また、都市部を中心に在宅勤務が普及したことから、オフィス勤務の方をターゲットにした菓子の需要も激減。通勤や通学の人の流れも減少していることから駅や空港の売店での売上も減少しています。

一方で、新型コロナウイルスは一部の菓子業界にとっては恩恵がありました。2020年は緊急事態宣言が発令され、外出自粛となったことや在宅勤務が浸透したことで家庭内向けのビスケットやスナック菓子のような菓子商品の需要は増加しました。

また、近年では高齢化の影響によって高齢層向けの菓子の需要が大きく伸びています。機能性を重視した菓子や健康志向の商品への需要が高まっている他、それと連動して、少人数世帯化や「チョイ食べ」需要の拡大に伴い、少量パッケージ化や個別包装商品の需要も増加しています。

 

将来性

短期的には当面のインバウンド需要が見込めないことから外国人観光客向けの菓子需要は回復しないでしょう。また、UNWTO(国連世界観光機関)は世界の旅行者の数が2019年の水準に戻るには2.5年から4年はかかると予測しており、新型コロナウイルスの影響は今後も続くと見られています。

したがって、中国などの旧正月の需要や国内の春や秋の行楽シーズンの需要を取り込むことは難しいでしょう。菓子業界は高齢化社会の中で消費が旺盛な高齢者をターゲットとしてきましたが、高齢者の観光重要は著しく低下しているので、国内の旅行需要を取り込むことも難しそうです。


矢野経済研究所は2021年の菓子業界の市場規模について2020年比△0.5%の2兆149億円と予測しています。中長期的にも菓子業界の将来性は厳しいと予想されています。日本ではバブル崩壊以降長期にわたって経済不況が続いています。

また、人口が減少しており、菓子に限らず食品の摂取量は減少すると予想されています。最近では消費税率が引き上げされており、消費者の低価格志向は一段と強まっています。菓子に限らず食品の価格競争は激しくなっており、採算が厳しくなっています。

 

業界の分類

大手菓子メーカー5社

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大手菓子メーカー5社とはカルビー、森永製菓、江崎グリコ、明治HD、ブルボンを指します。江崎グリコは昭和4年、カルビーは昭和24年、森永製菓明治43年に設立されるなどいずれも老舗の菓子メーカーとなっています。
 

大手菓子メーカー

13122_菓子業界_将来性_その他の有名菓子メーカー_7.jpg

上位5社には及ばないものの大手の菓子メーカーとしては不二家、亀田製菓、中村屋、井村屋グループ、湖池屋などが挙げられます。
 

最新のトレンド

少子高齢化の影響で菓子需要が頭打ち

13122_菓子業界_将来性_2019年から2020年の大手菓子メーカ5社の業績_8.jpg

菓子業界の市場規模の推移を見てみると2016年までは増加傾向にありましたが、2016年以降は市場が縮小傾向にあります。背景には定番商品の不発、新型コロナウイルスの影響などがありますが、少子高齢化も大きな要素です。少子高齢化によって菓子需要の旺盛な若年世代の人口が減少しており、各社の業績も伸び悩んでいます。

2019年から2020年の大手菓子メーカ5社の業績は、売上高前年比はカルビーが+2.9%、森永製菓が+1.7%、江崎グリコが+19.3%、明治HDが△0.2%
、ブルボンが△0.1%でした。

特に伸び悩んでいるのがチョコレートです。
全日本菓子協会によれば2018年のチョコレートの販売額は前年比2.4%減の5370億円でした。夏場の猛暑の影響で需要が減少したほか、少子高齢化の影響で従来の定番商品の需要が減少しています。

明治HDの古田純取締役によれば、板チョコなどの定番品のチョコレートの伸びが弱くなっています。このような市場環境のなかで各社はカカオの健康効果などをうたった大人用のチョコレートの開発を強化しています。

各社がロングセラーのリニューアル実施

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言の発令や外出自粛によって巣ごもり需要が増加しています。このような中で各社のロングセラー商品の需要が高まっています。これに対して各社はロングセラーのリニューアルによってさらに需要を取り込もうとしています。

明治HDは1979年に発売されて以降ロングセラーとなっている人気チョコレートスナックである「きのこの山」「たけのこの里」をリニューアルしました。リニューアルは11年振りであり、中身とパッケージが刷新されました。中身に関してはチョコレートと焼き菓子の味のバランスを見直し、パッケージは従来のトーンはそのままに、水彩画のやさしいタッチにすることで、よりほっとするような里山の風景を表現しています。

ロッテは1979年に発売された「チョコパイ」、「パイの実」の中身をこんがり香ばしいパイの香りと味わいを楽しめる品質にリニューアルしました。

江崎グリコはロングセラー商品である「プリッツ」の基幹フレーバーの中身とパッケージを一新しました。スマホの普及に伴って、スマホを操作しながら、食べられるデザインに変更しました。プリッツのリニューアルは10年振りのことです。

新しい定番商品の普及が進まない中で各社ともに既存商品の改良やリニューアルによって巣ごもり需要を取り込んでいきたい考えです。

 

海外進出の加速

13122_菓子業界_将来性_カルビー海外進出の加速_9.jpg

国内市場の長期的な縮小を見据えて菓子メーカー各社は海外進出を推進しています。

2009年にスナック菓子首位のカルビーは米国ペプシコと資本業務提携を発表し、オレゴン州で稼働している工場で生産するポテトスナック『じゃがビー』をペプシコ傘下で菓子メーカー世界最大手のフリトレー社のルートを通じて北米で販売しています。さらに同社は中国、香港、台湾、韓国、タイ、フィリピン、シンガポール、インドネシア、豪州、英国の11カ国・地域で事業展開しています。

13122_菓子業界_将来性_亀田製菓海外進出の加速_10.jpg

米菓で国内首位の亀田製菓は1989年に米国市場に参入し、イリノイ州の「SESMARK FOODS, INC.(現TH FOODS, INC.)」に出資し、北米での米菓製造・販売を開始しました。2003年には中国に進出し、中国の青島を製造拠点として「青島亀田食品有限公司」を設立し、中国市場向け販売を強化しています。

また、2009年にはタイの「SMTC Co., Ltd.(現THAI KAMEDA CO., LTD.)」を子会社し、クロスボーダー取引の拠点として東南アジアを中心に世界各地に米菓を販売しています。近年は、ベトナム、インド、カンボジアへと拠点範囲を広げています。

今後も少子高齢化や人口減少によって国内市場は縮小すると見られており、これに伴って菓子メーカー各社の海外展開は加速すると見られています。

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