
履歴書の交通機関の書き方を解説|車や自転車・徒歩の通勤時間はどう書く?
就職活動や転職活動の履歴書において、柔軟に記載しなければならないのが通勤手段や通勤時間のスペースです。通勤時間やどのような手段で通勤するのかは、企業によって異なります。しかし、志望理由のような履歴書の王道の内容ではないので、書き方に困っているという求職者の方は意外にも一定数います。今回はそんな方々に向け、履歴書の交通機関の書き方を解説していきます。
履歴書の通勤時間・交通機関を記載する理由
確かに採用の合否に直結する部分ではありませんが、「電車通勤なら不採用!」という企業もほとんど無いため、重要視する項目ではないかもしれません。
しかし、企業側から見た採用活動では、採用になった人材がこの企業で長く働いていけるかどうかを様々な角度から見極めていく必要があります。
その視点のひとつとして、通勤は大きな判断材料になります。
まずは、企業側が履歴書の通勤に関して確認しているポイントをまとめていきましょう。
ポイントは「応募者の体力的な心配」「企業は負担する交通費の把握」の2点が大きな意図とされています。
応募者の体力的な心配
まずは求職者に対して、どのような通勤手段であっても、あまりにも通勤時間が長くなってしまうと、通勤そのものが会社に対するストレスになってしまいます。
単純に15分で職場に到着するのと、1時間30分もかかる職場であれば前者を選ぶ方が多いでしょう。
通勤で時間を浪費してしまうと、求職者にとってはプライベートの時間が減ってしまいますし、プライベートが充実しないことで仕事へのモチベーションも下がってしまうというのは、よくある話です。
ザイマックス不動産総合研修所の「首都圏オフィスワーカー調査2019」によると、平均値である通勤時間49分に対して、20分以上40分未満と60分以上90分未満の方々では150%以上もストレスを感じて就業していることが分かります。
また、通勤で体力を使ってしまうことで、業務でのパフォーマンスも落ちてしまうこともあります。
退職理由のひとつとして、通勤は取り上げられやすいので企業側もしっかり確認しているようです。
参考:通勤ストレスがワーカーの満足度に与える影響 | ザイマックス総研の研究調査
企業は負担する交通費の把握
企業側で確認すべきもう一つのポイントは通勤による交通費の支給額を把握することです。
ほとんどの企業では、従業員の交通費は雇用元で負担しています。
求職者を雇うことで会社負担のコストがどれくらいになるのかを把握するために、通勤の欄を見ている採用担当が多いです。
これは交通機関にもよりますし、会社規定で「上限月3万円まで」や「自宅から事業所まで△キロ〇円」のように定められていることがほとんどです。
その上限に触れる可能性があるかどうかも企業側はチェックするようにしています。
履歴書の通勤時間・交通機関の書き方
では、上記の点を踏まえて、履歴書にはどのようにして通勤時間を記載すれば良いのでしょうか。
まず大前提として、履歴書で記載すべき通勤時間は自宅から企業に行くまでにかかる片道の通勤時間となります。
通勤時間の定義を理解した上で、記載方法とその注意点を見ていきましょう。
通勤時間はドアtoドアの時間を書く
この「ドアtoドア」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
通勤時間を問われる際によく耳にする言葉ですが、これは自宅のドアから事業所のドアまでにかかる通勤ルートや時間を指します。
通勤時間を記載する際は、このドアtoドアが基本となりますので、バスや電車を利用する方は「公共交通機関に乗っている時間」を書いてしまうことが多いので、注意しましょう。
時間は5分単位で記載する
通勤時間の記載は、1分単位までこだわる必要はありません。
区切りのいい5分単位で記載することを心がけましょう。
半端な時間は切り上げたり切り下げたりすれば問題は無いです。
例えば、以下の事例の場合は例の通りに記載しましょう。
・通勤が23分の場合⇒通勤時間:0時間25分
・通勤が46分の場合⇒通勤時間:0時間50分
・通勤が92分の場合⇒通勤時間:1時間30分
これは好みにもよりますが、通勤が1時間以上かかる場合は、「80分」ではなく「1時間20分」と記載するようにします。
1時間未満の通勤であれば上記のように「0時間△分」のように記載することで、時間単位の書き忘れが無いことを明確にできるので、人事の方への気遣いにもなります。
交通機関を添えて記載する
通勤手段を記載する際は、どのような交通機関を利用して通勤するのかをしっかり明記するようにしましょう。
それぞれの交通機関別に解説していきます。
徒歩
”徒歩なら通勤時間だけ記載すればいいの?”決して通勤時間だけを記載するという書き方はしてはいけません。
会社まで歩いて通勤できる範囲内なのであれば、徒歩であることをしっかり明記しましょう。
明記することで通勤時間だけではなく、改めて徒歩通勤であることを一目で理解できますし、人事の方に対しても気遣いが感じられます。
また、日によって自転車通勤の可能性があるのであれば、両方の通勤手段を記載しておくようにしましょう。
【例文】
徒歩通勤希望です。通勤時間:0時間15分
場合によって自転車通勤の可能性があります。通勤時間:0時間5分
電車
まずはしっかりと電車通勤であることを記載します。
バスなど他の交通手段も乗り継ぎで使う際は、その旨も記載しましょう。
また、路線名や駅名も短縮せずに記載するようにしてください。
企業側は、あなたの通勤に対してどのくらいの交通費を支払う必要があるかを調べます。
しかし、”電車通勤 40分圏内”と書いても、どれくらいコストがかかるのかや乗り継ぎがあるかどうかを判断することができません。
人事の方の負担を減らすことができるよう分かりやすく記載することで、印象が一気に変わります。
【例文】
電車通勤希望です。
最寄り駅:新宿駅⇒東京駅(山手線) 通勤時間:0時間45分
バス
バス通勤である場合も、電車と同じように最寄りのバス停や路線名も記載しておきましょう。
なかなか時間通りにバスが来ないことが前情報で分かっているならば、それも含めて長めの時間で通勤時間を記載するのもいいでしょう。
バス通勤希望です。
最寄りのバス停:早大正門⇒渋谷駅東口(都営バス:渋谷駅東口行き
通勤時間:0時間50分
自家用車
自家用車通勤であれば、まずはそもそも車通勤が可能かどうかを確認する必要があります。
駐車場の確保、事故に対する措置など慎重に対応しなければなりません。
また、事業所が複数ヶ所(A支店、B支店のように)ある場合は、それぞれの場所でどのくらいの時間がかかるのかを明記しましょう。
【例文】
自家用車通勤希望です。
A支店までは通勤30分、B支店までは通勤1時間30分となります。
交通機関は電車を優先する
住む場所と会社の場所によっては、複数の手段で通勤が可能な方もいます。
その場合は、通勤は電車通勤で記載するようにしてください。
理由は、他の通勤手段と比べ時間もコストも明確だからです。
企業側から指定されているなら話は別ですが、
- バスや自家用車⇒渋滞などで通勤時間が変わりやすい
- 自家用車⇒ガソリン代や駐車場代など交通費を算出しづらい
というデメリットがあるからです。
実際に採用されたのちに通勤手段を変更することはいくらでもできますので、履歴書を送る際は、あくまで分かりやすい交通機関を選ぶようにしましょう。
【ケース別】通勤時間欄の書き方が分からないとき
ここからは特殊な場合ですが、履歴書に書きにくい通勤について見ていきましょう。
- 勤務地が決まっていない場合
- 引っ越しが決まっている場合
- 勤務地に合わせて引っ越しをする場合
の3つを今回は解説しております。
勤務地が決まっていない場合
勤務地が複数ヶ所あり決まっていない場合は、あなたが希望する勤務地までの通勤手段を記載してください。
その際、「A支店の場合」と前書きをすることで分かりやすくまとめることができます。
【例文】
A支店勤務の場合:自転車通勤 通勤時間:0時間30分
引っ越すことが決まっている場合
引っ越しのケースは主に2パターンあると思います。
それぞれで見ていきましょう。
採用の合否に関係なく引っ越しが決まっている場合
まずは、採用の合否ではなく家庭事情などで既に引っ越しが決まっている場合の記載方法です。
この場合、決定事項やおおよそ見えている予定は全て記載しておきましょう。
- 引っ越しの日時もしくは時期が決まっている
- 引っ越す街が決まっている
- 引っ越し先の住所がはっきりしている
上記のような事情は、は記載しておくことで、企業側も状況を把握しやすくなるのです。
【例文】
新住所より (横浜周辺に2023年1月10日転居予定)
電車通勤希望 通勤時間:0時間40分
勤務地に合わせて引っ越しをする場合
配属先が決定した後に、その近くに引っ越しする場合はこちらの記載方法を参考にして下さい。
通勤手段はまだ未定である可能性が高いですが、何も書かないというのは失礼に値します。
どのくらいの場所に引っ越すのか等、検討している事を中心に記載しましょう。
【例文】
採用いただいた際には、通勤可能エリアに転居予定です。
(通勤30分圏内) 通勤時間:‐時間‐分
履歴書の交通機関の書き方マナーを知ろう
今回は履歴書の交通機関の書き方について解説してきました。
とてもじゃない限り、合否に関わってくる内容では無いですが、書き方ひとつで企業側に対する配慮を示すことができます。
また記載方法によっても、印象が変わってくるので侮れない項目になっています。分かりやすく明確に記載することを心がけましょう。
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