
産後復帰はいつから?法律やデータから復帰するまでの期間や割合を解説
産後復帰はいつからになるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、産後復帰はいつからなのか、産後復帰をしている女性の割合について紹介します。また、産後復帰に必要な手続きや、産後復帰を諦め退職してしまった女性の理由なども解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
産後復帰はいつから?
ここではまず、産後復帰はいつからなのかについて確認していきましょう。
育休取得期間の平均も紹介します。
法律で産後復帰は子どもが生後8週間から1歳まで
こどもの出産後はいつから職場に復帰するのがよいのでしょうか。
まず生後8週間までは労働基準法によって一切勤務することができません。
また育児休暇の取得は原則こどもが1歳になるまでと、育児・介護休業法によって定められています。
そのため、基本的には産休が明ける生後8週間から育休の取得の期限である、こどもが1歳になるまでの間に職場に復帰する必要があります。
保育所が見つからない場合は1歳6ヶ月〜2歳まで
例外的にこどもが1歳になる時点で保育所などに入所できない場合には、1歳6ヶ月まで(再延長の場合には2歳まで)育児休業を延長することができます。
ただ保育所などに入所の意思がないにもかかわらず申込を行い辞退した場合は、育児休業を延長することができません。
つまりわざとこどもを保育所に入所させず、育児休業を延長するといったことは認められないので注意が必要です。
出産後の育休取得期間の平均は352.9日
女性正社員の末子出産後の育休取得期間の平均は352.9日です。
これは女性非正社員の平均である301.3日よりも1ヶ月半ほど長く、また男性正社員の平均の25.2日よりもはるかに長い期間となります。
基本的に育児休業はこどもが1歳になるまでの期間にしか適用されないため、1年の日数よりも少し短い日数が平均的な育休取得期間となっているようです。
また一定数のお母さんが出産翌年4月の保育園入園に合わせて仕事復帰しているようなので、ご自身のお子さんの保育園入園のタイミングと合わせて検討してみるのもよいかもしれません。
ここで、産後復帰に関するQ&Aをご紹介します。
産後復帰はいつからする人が多いですか?
20代後半の女性です。
将来的に出産・その後は職場復帰を考えているのですが、実際のところ産後の職場復帰(育休取得の有無も含めて)は、いつごろになる人が多いのでしょうか……?
20代ということもあり、身近に産後の職場復帰を経験した友人が全然おらず、相談できる人がいなくて質問をさせていただきました。
職場の女性も、直近で出産を控えた先輩がおらず、情報があまりいない状況です。
今後のキャリアプランの目安をどうすればいいか、とても不安です……。
実際のリアルなタイミングについて伺い、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。
子供が満1歳になる時に復職が一番多いと思います。
休職自体は産前の6週と子供が1歳になるまでは取りたいと言えば女性は…続きを見る
私は、12月に子どもを生んで翌4月に復職しました。
11月中旬→産休スタート
12月中旬→…続きを見る
女性は出産や育児をきっかけにキャリアに悩むことが多いでしょう。
同様に悩みを抱えている方は「女性のライフイベントとキャリア|出産後の多様な働き方も紹介」も合わせてご覧ください。
また、産後の転職について気になる方は「産後転職はできる?できない?産後転職を成功させるコツを紹介」の記事を参考にしてみてください。
産後復帰をしている女性の割合は92.1%
続いて、産後復帰をしている女性の割合について解説します。
実際の数字を確認してみましょう。
女性の正社員の場合は92.1%
厚生労働省の調査によると、女性が正社員の場合の産後復帰率が92.1%となっており、非常に高い割合の女性が職場に産後復帰していることがわかります。
こどものいる世帯で女性が働いている割合は年々上昇傾向にあり、ワーキングマザーとして子育てと仕事を両立する女性が増えています。
特に正社員であれば妊娠発覚前に勤めていた会社に育児休暇を終えて戻ってくることが多いようです。
参考:厚生労働省 平成30年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書
女性の非正社員の場合は55.9%
同時に厚生労働省の調査では女性が非正社員の場合の産後復帰率が55.9%となっており、正社員と比較すると産後復帰率が圧倒的に低いことがわかります。
このことには、非正社員への会社の育児支援制度などが関連しているのかもしれません。
参考:厚生労働省 平成30年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書
正社員と非正社員で復帰率が乖離している
ではなぜ正社員と非正社員で産後復帰率が乖離しているのでしょうか。
まず育児休業後に職場に復帰しなかった理由として、仕事と育児の両立が難しかった(就職を継続するための制度がなかった場合を含む)という点を挙げている人が多くみられました。
なかでも非正社員の女性では「会社に産前・産後休業や育児休業の制度がなかった」という点を挙げている人が多かったです。
非正社員の女性は、正社員の女性よりも受けられる会社の育児支援制度が少ない傾向にあることが復帰率の乖離の原因になっているのかもしれません。
ただ会社によっては正社員であっても非正社員であっても手厚い育児支援を受けることができるため、しっかりと自分の受けられる育児支援について確認しておきましょう。
参考:厚生労働省 平成30年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書
産後復帰を諦め退職してしまった理由
次に、産後復帰を諦め退職してしまった理由を見ていきましょう。
どのような理由で辞めてしまったのか、確認していきます。
育児と両立できる働き方ができなさそうだった
特に女性の正社員に多かったのがこの「育児と両立できる働き方ができなさそうだった」という意見です。
正社員は非正社員と比較して収入が多いというメリットがありますが、自分の時間を確保しにくいといったデメリットがあります。
育児との両立を図るうえで、自分の時間と仕事のバランスをとるということは非常に難しいです。
仕事と育児の両立が難しいと感じるときは、自分にあった働き方ができる会社を探してもよいですし、こどもが少し大きくなるまでは専業主婦として時間を過ごしてもよいかもしれません。
勤務時間があいそうもなかった
育児中は保育園への送り迎えなどがあり、これまでの勤務時間では調整ができないというケースがしばしばあるようです。
「勤務時間があいそうもなかった」という意見は女性の正社員だけでなく男性の正社員でも多くみられました。
勤務時間が一定の非正社員と比較して、正社員では残業、休日出勤といった不規則な予定が入りやすいため、正社員で特にこの意見が多く見られたと考えられます。
職場に両立を支援する雰囲気がなかった
育児中はこどもの送り迎えや急病などで職場に多少の迷惑をかけてしまうことがあります。
その際に職場の雰囲気が悪くなったり、支援体制がなかったりするようであれば、仕事と育児の両立は難しいものとなります。
会社や配属された部署によって、育児を支援する雰囲気はまるで違うものになるでしょう。
仕事と育児の両立には職場の協力が必要不可欠ですから、両立を支援してもらうことのできる環境で仕事をすることをおすすめします。
自分の体力がもたなさそうだった
正社員であっても非正社員であっても、仕事と育児の両立には体力が求められます。
いざ産後復帰をしてみると、体力がもたなかったなんてこともあるようです。
周りに育児を手伝ってくれる人がどのくらいいるのか、周囲の支援によってお母さんの負担は変化します。
体を壊してしまっては元も子もありませんから、無理のない範囲で仕事と育児のバランスを考えましょう。
会社に産前・産後休業や育児休業の制度がなかった
特に非正社員の女性で多く見られたのが「会社に産前・産後休業や育児休業の制度がなかった」という意見です。
会社によっては、正社員と非正社員で受けられる子育て支援が異なるケースもあるようです。
また正社員・非正社員ともに勤続年数などの条件によっては育児休業を取得できない場合があるため、勤務している会社に確認しておくとよいでしょう。
保育所へはいつから預ける?
保育所へはいつから預けるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
具体的な内容を確認していきます。
出産後翌年の4月が1番多い
ではこどもを保育園に預けるタイミングはいつからがよいのでしょうか。
調査では、こどもが生まれた翌年の4月から保育園に預け始めるというケースが最も多くみられました。
また同時にこどもの生まれ月が8月以降のときは、翌々年の4月から預け始める家庭も多いようです。
4月からの入園を希望する場合には自治体ごとに入園の申し込み期間が定められているため、お住まいの自治体に早めに確認しておきましょう。
2番目は翌年の5月〜12月
2番目に多かった回答はこどもが生まれた翌年の5月から12月という回答でした。
ただし自治体の保育園では4月以外の入園が難しいこともあるようです。
ですが、認可外保育園では年度途中・4月入園を問わず、施設ごとに募集を行っている保育園もあるため、何箇所か候補を探してみるとよいでしょう。
保育園入園のタイミングやどこの園に入園するかなどは、早めに決めておくと安心して復職することができそうです。
産後復帰に必要な手続き
最後に、産後復帰に必要な手続きを確認していきましょう。
事前に手続きを確認して、どのような対応をすべきかチェックしてください。
育児休業申出書の提出
出産後8週間を経過すると、産後休業から育児休業へと移行するため、手続きが必要となります。
産休と異なり、育児休業は希望した場合にしか取得できないため注意してください。
育児休業を希望する際には社内用の「育児休業申出書」等の提出が必要です。
育児休業の開始予定日と終了予定日の確認を済ませたうえで、開始予定日の1ヶ月前までには提出しておくことが望ましいです。
育児休業給付金の支給申請手続きを行なってもらう
育児休業中には、雇用保険の育児休業給付金を受け取ることができます。
支給申請手続きは会社が行うものであるため、自分で申請する必要はありません。
ですが、受給ミスを防ぐためにきちんと申請できているか確認しておくと安心です。手続きがされていないようであればすみやかに申請を依頼しましょう。
支給額は原則として1ヶ月あたり「休業開始時賃金日額×支給日数(30日)×0.67(67%)」と定められています。
育児休業の開始から6ヶ月が経過したあとは「休業開始時賃金日額×支給日数(30日)×0.5(50%)」に下がってしまうことも理解しておきましょう。
また給付金の支給を受け続けるには会社が2ヶ月に1回「育児休業給付金支給申請書」を提出する必要があるため、会社に確認しておくとよいでしょう。
育児休業等取得者申出書・終了届
予定よりも早く職場に復帰しようと考えている場合には、開始時と同様に社内用の「育児休業等取得者申出書・終了届」等を提出する必要があります。
会社は社会保険料(健康保険・厚生年金保険)免除のための申請を終了する必要があるため、すみやかに会社に復帰の時期の変更を報告しましょう。
まとめ
生後8週間までは労働基準法によって、勤務は不可能です。
そのため、生後8週間から育休の取得の期限のこどもが1歳になるまでの間に職場に復帰する必要があります。
また産後復帰に必要な手続きなども確認して、スムーズに進めていきましょう。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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