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ランニング コスト

ランニングコストの意味とは?イニシャルコストとの違いもまとめ

「ランニングコスト」とはビジネス用語の一つで、毎月定期的にかかる費用のことを言います。ビジネスシーンだけでなく、日々の生活の中でもよく使用される言葉です。この記事では「ランニングコスト」の意味から、似ている言葉、使い方などまとめていきます。

ランニングコストの意味とは?

ランニングコストの意味について、以下のようにまとめています。

  • ランニングコストの意味とは
  • イニシャルコストの意味とは
  • イニシャルコストの意味の違い
  • 「経費」の意味の違い
  • 「ライフサイクルコスト」の意味の違い
  • 「損益分岐点」の関係性

ランニングコストの意味とは|維持管理にかかる固定費・変動費のこと

ランニングコストとは、事業を継続していく上での毎月決まった支出のことで、「会社の維持管理にかかる固定費・変動費」のことを指します。
具体例としては、毎月必ず発生する「人件費」「水道光熱費」「ネット回線代」などです。

 

イニシャルコストの意味とは

イニシャルコストは、「初期費用」のことを意味します。
具体例として、事業を開始する前に購入する「パソコン代」「コピー機代」「タブレット端末代」「入会金」などです。
よくネットや街中で見かける「初期費用無料」などは、イニシャルコストが無料と同じ意味を持ちます。

 

「ランニングコスト」と「イニシャルコスト」の意味の違いとは

ランニングコストとイニシャルコストの違いは、「継続してかかる費用」か「初期費用」かです。
つまり「費用が発生するタイミング」が異なっている点が大きな違いと言えるでしょう。

パソコンを購入するのはイニシャルコスト(初期費用)で、ネット回線や電気代はランニングコスト(継続してかかる費用)というように使用されます。

 

「ランニングコスト」と「経費」の意味の違いとは

経費とは、事業を運営していくにあたって発生する費用のことで、収益を得る目的で使用した費用が経費にあたります。
具体的には「出張費」「宿泊費」「交通費」などです。

経費の中には「水道光熱費」や「スマホ料金」「家賃」なども含まれるため、ランニングコストをより広義の意味で捉えたものが経費となります。
ただし、事業の収益化につながらない費用は経費扱いとならないため注意が必要です。

参考:国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」

 

「ランニングコスト」と「ライフサイクルコスト」の意味の違いとは

ライフサイクルコスト(LCC)とは、イニシャルコスト(初期費用)+ランニングコスト(継続してかかる費用)で構成される、総合的費用のことです。
つまり、製品の企画・設計・材料調達などから始まり、使用・破棄するまでの段階を総合的に考えた費用を指します。

別名として「生涯費用」ともいい、よく建物の設計から竣工・運用・修繕・耐用年数の経過により、解体処分されるまでの全期間に要する費用を指す用語としても使用されます。

ライフサイクルコストを低減するには、コストパフォーマンスを考えて企画・運用をしていく必要があるため、事業継続のための大事な基礎とも言えるでしょう。

 

「ランニングコスト」と「損益分岐点」の関係性とは

損益分岐点とは、売上高と費用の額が等しくなる点を指します。
損益分岐点を上回れば利益が発生し、下回った場合は赤字になります。

経営を行なっていくには、損益分岐点を設定した上で、売上高と費用のバランスを考えることが大切です。
例えば、毎月のランニングコストが30万円、収益が80万円の場合、利益は50万円です。
しかし、ここで注意したいのがイニシャルコストの存在です。
開業する際に1,000万円のイニシャルコストがかかったとします。
1ヶ月50万円の利益を得ている場合は、イニシャルコストを回収するのに20ヶ月かかる計算になります。
つまり、イニシャルコスト(初期費用)をどれだけ抑えられるかが、利益に直結するのです。

損益分岐点を超えていたとしても、ランニングコストが高いとイニシャルコストの回収までに時間がかかるため、コストパフォーマンスの高いランニングコストの設定が求められます。

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ランニングコストの具体例とは?

ランニングコストの具体例について、以下のようにまとめています。

  • ランニングコストの具体例とは
  • イニシャルコストの具体例とは

ランニングコストの具体例とは

人件費

ランニングコストの中で最も割合を占めやすいのが「人件費」です。
大きな会社であるほど社員数も多いため、それだけ人件費がかかります。

1人あたり30万円の月給で、10人の社員がいたとすると、人件費だけでも毎月300万かかるため、損益分岐点を意識しながら設定すると良いでしょう。

 

光熱費

光熱費の中でも「電気代」は、会社やお店で必ず支払うランニングコストの1つです。
節電を基本とし、あまりにも電気代が高い機器を使用する場合は、代替え品がないかやイニシャルコストをかけてでも、長期目線で電気代が安くならないかなども検討してみましょう。

 

家賃

家賃もランニングコストとして大きな割合を占めるため、なるべく抑えたい費用です。
しかし費用を抑えるあまりに立地や通勤に不便であると、売上や社員満足度にも関わります。
費用は抑えながら損益分岐点も考慮し、なるべく立地の良い場所を選ぶと良いでしょう。

 

イニシャルコストの具体例とは

コピー機代

コピー機は最初に購入してしまえば、あとは用紙代・インク代・修理代などがランニングコストになります。

 

パソコン代

パソコン本体や周辺機器・椅子なども含め最初に購入する費用が、イニシャルコストになります。
ネット回線や電気代はランニングコストになります。

 

ホームページ制作代

ホームページ制作を外部委託すると、委託費がイニシャルコストになります。
そのあとの運営や保守・管理まで委託すると、その費用はランニングコストになります。

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ランニングコストを計算するには?

ランニングコストは、事業を継続していく上で発生する費用を計算すれば把握することが可能です。

しかし、さらに大事なのはランニングコストを算出するだけでなく、売上に対してどれくらいのランニングコストがかかっているのかを見極めることが重要になります。

飲食店の場合、「FL比率」や「FLR比率」という指標があり、ランニングコストのなかでもF=FOOD(材料費)・L=LABOR(人件費)・R=RENT(賃料)が、売上に対してどのくらいの割合かを見ることが大切です。
FLR比率は、売上の7割くらいに収めることが理想とされています。

例えば、売上が月間200万円の飲食店があり、FRL比率80%、ランニングコストの合計が160万円(材料費・家賃・人件費・光熱費・消耗品・ネット代など)である場合、営業利益は40万円です。

仮にFLR比率を70%に抑えれば、ランニングコストの合計は140万円で、営業利益は60万円に増加し、毎月プラス20万円が入ります。

しかし、実際は「消費税」「社会保険料」、「家賃」「水道光熱費」も継続的に発生するため、ランニングコストの削減には限界があることには注意が必要です。

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ランニングコストを減らす方法とは

ランニングコストを減らす方法について、以下のようにまとめています。

  • ITを導入する
  • Web会議制度の導入
  • 光熱費を抑える

ITを導入する|作業の効率化で人件費を削減

ITを導入することで、作業の効率化をはかり人件費を削減することが期待できます。
例えば、経理の業務改善を図るため、会計ソフトを導入することで管理・処理が早くなり、結果として人員を削減することなどが考えられます。

 

Web会議制度の導入|交通費と移動時間の削減

これまでは対面で会議を行うことが一般的でしたが、Web会議制度を導入することで、交通費の削減をすることができます。
移動時間も必要なくなるため、その分だけ他の業務にリソースを投下することが可能になるわけです。

 

光熱費を抑える|節電で無駄な電気代を削減

光熱費は必要なランニングコストと捉えられがちですが、なるべく抑えたいコストの1つです。
誰も使用していない会議室の電気は消す、昼休憩時間は節電をして電気を消すなどの工夫で、少しずつでも無駄な光熱費を抑える意識が大切です。

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ランニングコストの意味でよくある質問

ランニングコストのよくある質問を、以下のようにまとめています。

  • 語源・由来・英語表記とは?
  • 「ランニングコスト」言葉の使い方・例文
  • 「ランニングコストが高い・低い」の意味
  • 日本語に言い換えると?
  • 対義語・反対語は?
  • 「ランニングコスト」の略語
  • 「ランニングコストが高い」のデメリット

ランニングコストの語源・由来・英語表記とは?

ランニングコスト(running cost)の「running」には、走ること以外に稼働・経営・活動といった意味があります。
また、「cost」には、費用・原価・経費などの意味があり、この2つを合わせると「活動費用」つまり「会社経営をしていく上で、支払い続ける費用」を意味します。

他にも「維持費用」と呼ばれることもあり、どちらも「会社を運営していく上で、かかり続ける費用」のことを表すビジネス用語です。

 

「ランニングコスト」という言葉の使い方・例文とは?

ランニングコストは、ビジネスシーンだけでなく日々の生活の中でもよく使用される言葉です。
言葉の意味を「使用・維持するために、支払い続ける費用」と置き換えると、とても理解しやすくなるでしょう。

<例文>

  • 「ランニングコストの1つとして、毎月のスマートフォン料金の支払いがある」
  • 「毎月のランニングコストの中でも、人件費が最も高い」
  • 「ランニングコストを抑えることで、毎月の利益が大きくなる」
  • 「車のランニングコストが高くて、維持できない」

このように「使用・維持するために、支払い続ける費用」を表す際に用いられます。

 

「ランニングコストが高い・低い」の意味とは?

「ランニングコストが高い」は、「維持費用が高い=支出額が大きい」という意味になるため、「ランニングコストが高くて、事業の継続が難しい」というような使われ方もします。

「ランニングコストが安い」はその反対で、維持費用やそれに伴う支出額が小さいことから、事業を存続させやすいだけでなく利益も最大化させることが可能になります。

もちろん日常生活でも、ランニングコストが低いことで得られるメリットはたくさんあります。
支出が小さくなればそれだけ貯蓄額を大きくしたり投資に回したりできるため、金銭面での精神的負担はとても楽になるでしょう。

 

「ランニングコスト」を日本語に言い換えると?別の言い方は?

ランニングコスト(running cost)を日本語に置き換えると、「維持費用」と訳されます。
その他にも、「運営費」「運転資金」「運用費」などの言い方もされます。

どの言い方でも「事業継続のための費用」という意味は同じですが、共通認識を強くするためにも、会議などでは用語を統一して使用すると良いでしょう。

 

「ランニングコスト」の対義語・反対語とは?

ランニングコストの対義語は、イニシャルコスト(initial cost)と呼ばれます。
イニシャル(initial)は、「初期の」「最初の」という意味を持つため、イニシャルコストは「初期費用」のことを指します。

つまり、事業を開始する前のPCやプリンター本体などの購入費はイニシャルコスト、電気代やインク代はランニングコストにあたります。

事業を開始する場合は、「イニシャルコスト(最初に1回だけ支払う)+ランニングコスト(継続して支払う)」が必要だと覚えておきましょう。

 

ランニングコストの略は「RC」?

ランニングコスト(running cost)の略は、それぞれの頭文字を取った「RC」です。

ビジネスシーンでは、このランニングコストのことを単に「ランニング」と略して使用することもあります。
費用に関する話をしていて、「ランニングはどれぐらいですか?」と聞かれた場合は、「ランニングコスト」のことを聞かれていると考えましょう。

 

ランニングコストが高いことのデメリットは?

ランニングコストが高いとその分だけ支出が大きくなり、事業運営が困難になるデメリットがあります。
最悪の場合、会社が倒産してしまう可能性すらあるでしょう。
特に人件費は毎月支払われるランニングコストの代表例です。
社員の給与を見合わない額に設定してしまうと、事業継続に大きなリスクを伴うことになります。

また、ランニングコストが高いと黒字になるまでの期間が長くなり、金銭的リスクが高い状態に置かれることになります。
ランニングコストはなるべく抑え、コストパフォーマンスを意識した運営を心がけましょう。

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まとめ

「ランニングコスト」の意味についてまとめると、以下のようになります。

  • 維持管理にかかる固定費・変動費のこと
  • ランニングコストを把握することで、事業を存続させやすくなる
  • ランニングコストは節約することもできる

削減できるランニングコストは、なるべく抑えて、事業の利益につなげていきましょう。

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