
ホワイト企業とは?15個の特徴・意味・見分け方まとめ
「ホワイト企業」の特徴として、福利厚生が整っている、給与制度が安定している、残業時間が少ないなどの条件があります。就職先、転職先としてホワイト企業は人気が高く、また優秀な人材が集まりやすいためしっかり対策を練る必要があります。この記事では、ホワイト企業の特徴や、見分け方を、わかりすく詳細にご紹介します。
ホワイト企業の特徴とは
ホワイト企業の特徴を15個、以下のようにまとめています。
特徴1. 福利厚生が充実している
法定福利厚生(社会保険や子ども・子育て拠出金)があるのはもちろんですが、法定外福利厚生が充実していることもホワイト企業の特徴です。
法定外福利厚生は法律に関係なく、企業が独自に設定できるものを指します。
具体的には、住宅手当や通勤、財産形成などで10種類ほどあります。
福利厚生が充実していると、私生活にも大きな恩恵をもたらしてくれるため、社員のモチベーションにもつながるでしょう。
特徴2. 女性が活躍できる機会がある
女性の社会進出が当たり前になっている現代では、女性の活躍する機会が多い会社ほど評価を受けやすくなっています。
きちんと役職をつけたり、ライフイベントには柔軟に対応できる体制を整えいている会社であれば、女性社員にとってはとても魅力的です。
性別で判断するのではなく、本人のやる気やスキル次第で活躍できる機会を与える会社は、より一層今後は求められる時代となるでしょう。
特徴3. 年収が高い
生活をしていく上で、年収は会社を決める大事な要素の1つです。
どんなにやりがいや成長することができても、年収が低い会社だと敬遠される傾向にあります。
例え「年収が低くてもいい」と考え就職したとしても、いずれ「年収のいい会社への転職」を考えることになるでしょう。
ここで注意してほしいのは、ブラック企業でも年収が高い会社は存在することです。
入職をする際は年収だけで判断するのではなく、会社の風土や仕事内容も総合的に判断しましょう。
特徴4. 残業時間がないか少ない
残業時間が少ないのも、ホワイト企業の特徴の1つです。
定時に出社することは厳守されているのに対し、先輩や同僚が定時を過ぎても残業をしていると帰りづらいというのはよく耳にします。
こうした実情を踏まえて、「ノー残業デイ」を作ったり、残業をしたとしても「残業は◯◯時まで」と、きちんとルールを決める企業が多くなりました。
残業を強いられる風潮から、残業をせずに帰るという風潮づくりを、ホワイト企業では積極的に行なっています。
特徴5.人間関係が良好
ホワイト企業では社内の風通しも良く、人間関係が良好です。
お互いの意見を尊重し合えるため、チームでの成果を最大化させることができるでしょう。
どんなに良い会社だったとしても、「人間関係」に悩む社員は少なくありません。
人間関係が良いと仕事も捗りやすく、困った時も相談ができます。
ホワイト企業は、「働きやすい」ことも前提にあるため、人間関係が良好なのは重要な要素の1つだと言えます。
特徴6. コンプライアンスが遵守されている
コンプライアンスとは「法令遵守」とも言い、企業が法令や規則をきちんと守ることを意味します。
コンプライアンスが良好であれば、不正や法律違反をすることなく健全な経営が可能です。
これには例え同僚だったとしても、不正は許さないという社員の強い意志が求められます。
コンプライアンスに違反すると社会全体から信用を失うだけでなく、会社の存続にも影響を及ぼす恐れがあるため、徹底していく姿勢が大切です。
特徴7. 研修制度が整っている
会社でしっかりとした「研修制度」があることで、社員の知識やスキルは大きく変化します。
これは社員一人一人の成長だけでなく、結果として企業全体のベースアップにもつながることです。
会社全体が成長すると、社員もタイムパフォーマンスをより発揮することができ、さらに生産性が上がるという好循環になります。
新卒社員の研修制度はもちろんのこと、ベテラン社員もさらにキャリアアップができるよう制度を整えているのは、とても魅力的な会社といえるでしょう。
特徴8. 職場定着率が高い
ホワイト企業では「働きやすい」ことが根幹にあるため、離職する社員が少ないことが特徴的です。
離職する社員が少ないからこそ、必然的に勤続年数が長くなることで職場定着率が向上します。
このように「社員が長く勤めたくなる会社」は、ホワイト企業の特徴とも言えるでしょう。
特徴9. 働く環境が整っている
ここでいう「働く環境」とは、業務を遂行していく上で必要な設備が充実していることを指します。
社員一人一人にデスクやPCがあり、作業が集中できる環境でストレスなく業務を行うことができれば、会社全体の生産性は必然的に上がるでしょう。
設備を十分に整えずにいると、業務に支障が出るだけではなく、日々の残業にもつながりかねません。
毎日働く場所だからこそ、十分な「働く環境」が整っているかが大切です。
特徴10. 有給休暇をきちんと取得できる
有給休暇は、労働者の心身の疲労回復と、労働力の維持を図るためのものです。
いくら業務が忙しいからといって有給休暇を取得させなかったり、買い上げたりすることは法律違反となります。
また、労働者側が「有給休暇を買い上げてほしい」と希望したとしても、会社側は買い取ることはできません。
有給休暇の有効期限は2年間なので、消滅してしまわないよう注意しましょう。
身体を休めるためにも、会社側からも計画的に使ってもらうのがおすすめです。
特徴11. 業績が安定し、将来性が見込める
「業績が安定し、将来性がある」ことが見込まれると、社員に対して過度な長時間労働や不安を与えることなく、会社を運営することができます。
結果的に「残業時間の減少」「労働の負担軽減」につながるため、ホワイト企業へと成長していく可能性が高くなるため、特徴として覚えておくと良いでしょう。
特徴12. 社員一人一人の勤続年数が長い
社員一人一人の勤続年数が長いということは、職場定着率が高いということです。
今は転職が当たり前の時代になっているため、「この会社で働きたい」という強い思いがなければ、すぐに離職へとつながります。
今後の活躍を担うZ世代は、「働きやすい環境」や「やりがいを感じ、成長し続けることができる会社」を求める傾向にあります。
そのため会社側は、社員のニーズを汲み取り定着率を上げる工夫が、ますます求められるでしょう。
特徴13.求人が集まりやすい
ホワイト企業へは求人が集中しやすいことも特徴の1つです。
ホワイト企業に明確な定義がないため一概には言えませんが、その会社の福利厚生や年収、研修制度の充実など個人とって魅力的な要素があれば求人は集まります。
反対に、頻繁に求人募集をしている会社は注意が必要です。
労働条件だけでなく、業務量や人間関係などにも問題がある可能性があるため、求人をよく見かける会社は事前によく調べておきましょう。
特徴14. 適切な評価を受ける
社内での適切な評価制度があることも、ホワイト企業にある特徴です。
年功序列や勤務年数のみによって評価される会社では、どんなに成果を残したとしても適切な評価を受けることはできません。
それだとモチベーションが下がるだけでなく、会社へのエンゲージメントも下がります。
新卒からベテランまで関係なく実力次第で昇進や昇給があったり、適切な評価制度を整えておくことで社員のモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
特徴15. 社員が誇りを持って働いている
社員が「会社の仕事に誇りを持っている」ことは、会社にとって最大の強みになります。
会社側がどんなに働きやすさを提供しても、誇りを持っている社員とそうでない社員の違いは明白です。
一人ひとりが誇りを持っていることで、会社をより良く働きやすくしていこうという動きにつながり、結果としてホワイト企業へと成長していきやすくなります。
ホワイト企業の見分け方とは
ホワイト企業の見分け方について、以下の通りにまとめています。
- 頻繁に求人募集をしているかどうか
- 社員のエンゲージメントの高さ
- 離職率や継続年数のデータ公開の有無
- ライフワークバランスがとれるか
頻繁に求人募集をしているかどうか
「頻繁に求人を募集している=人手不足である」と捉えることができ、さらに「人が集まらない=働きにくい環境」と考えることもできます。
働きやすい職場で人気があれば、離職率も低くなり求人募集があまり出ないか、募集をしていなくても人が集まるため頻回に募集することは考えにくくなります。
企業を見分ける際は、頻繁に募集がかかっていないかを注意すると良いでしょう。
社員のエンゲージメントの高さ
社員のエンゲージメントの高さも重要です。
エンゲージメントとは、「約束」や「契約」の意味を持ちますが、ビジネスシーンでは「会社員の会社に対する愛着や貢献度」を意味します。
エンゲージメントが高いと離職率も低い傾向にあるため、ホワイト企業を見分ける際の1つの要素と考えておきましょう。
離職率や継続年数のデータ公開の有無
ホワイト企業は、一般的に福利厚生が充実しており働きやすく、社員の定着率が高い特徴を持っています。
会社を支えているのは「社員」であり、離職率が低い会社は「社員を大事にしている」「働きやすい」という傾向にあるでしょう。
また、離職率や継続年数のデータを公開することで、働きやすさや社員満足度なども求職者にアピールすることができます。
いつの統計データかにも注意しながら、確認しましょう。
ライフワークバランスが取れるか
さまざまな価値観と多様性がある現代では、仕事だけでなくプライベート重視で職場を探す若者も少なからず存在します。
特に女性の場合は、ライフイベントによって長期間休職することもあるため、ライフワークバランスを大事にしている会社選びもポイントになります。
ライフワークバランスがうまく取れているロールモデルとなるような社員がいれば、話を聞くなどして自分の将来像と重ね合わせることもできます。
ホワイト企業に関係する国の認定とは
ホワイト企業に関する国の認定について、以下の通りにまとめています。
- ユースエール認定制度
- くるみん・プラチナくるみん・トライくるみんマーク
- ホワイトマーク
- 健康経営優良法人認定制度
- えるぼし認定・プラチナえるぼし認定企業
ユースエール認定制度
ユースエール認定制度とは、若者の採用や人材育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
ユースエール認定を受けることで、企業には下記のようなメリットが生まれます。
- ハローワーク等で重点的PRの実施
- 認定企業限定の就職面接会等への参加
- 自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能
- 日本政策金融公庫による低利融資
- 公共調達における加点評価
くるみん・プラチナくるみん・トライくるみんマーク
くるみん・プラチナくるみん・トライくるみんマークとは、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣が認定をします。
次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、「くるみん認定」を受けることができます。
プラチナくるみん認定は、くるみん認定を受けた企業の継続的な取組を促進するために誕生した制度です。
令和4年4月1日には、「くるみん認定・プラチナくるみん認定の認定基準の引き上げ」が行われ、新たに「トライくるみん認定」が創設されました。
ホワイトマーク(安全衛生優良企業)
ホワイトマーク(安全衛生優良企業)は、労働者の安全や健康に積極的に取り組んでいる企業を、厚生労働省が認定する制度です。
ホワイトマークを取得するためには、下記のような条件が求められます。
- 過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がない
- 労働者の健康保持増進やメンタルヘルス、過重労働防止への対策など幅広い取組を実施している
その他にも約80もの基準をクリアする必要があり、認定されると「ホワイト企業」としてPRすることができます。
健康経営優良法人認定制度
健康経営優良法人認定制度とは、日本健康会議が推進する健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業を認定する制度です。
健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目標としています。
健康経営優良法人認定制度では、大規模の企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門があり、それぞれ「健康経営優良法人」を認定しています。
えるぼし認定・プラチナえるぼし認定企業
えるぼし認定・プラチナえるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づき、一定の条件を満たし女性の活躍に関する取組の実施状況等が優良な事業主は、申請を行うことにより、厚生労働大臣の認定を受けることができます。
認定は、基準を満たす項目数に応じて3段階あり、認定を受けた企業は、認定マークを商品や求人票などに使用することができ、女性の活躍を推進している事業主であることをアピールすることができます。
プラチナえるぼし認定は、えるぼし認定を受けた企業のうち、特に優良である場合に認定されます。
ホワイト企業についてよくある質問とは
ホワイト企業についてよくある質問を、以下の通りにまとめています。
- 「ホワイト企業」の言葉の意味・定義
- ホワイト会社の条件
- ホワイト企業の平均年齢は?
- ホワイト企業はどんな会社?
- ホワイト企業は本当にある?実はない?
- ホワイトすぎる企業は、逆に社員がやめやすい?
「ホワイト企業」という言葉の意味・定義とは?
ホワイト企業に明確な定義はありません。
2013ユーキャン新語・流行語大賞のトップテン入りした「ブラック企業」の反対語として誕生し、「働きやすく、待遇のいい会社」として一般的には認識されています。
「ホワイト企業」の特徴はありますが、それが全ての会社員にとって良いとは限りません。
自分の理想とする働き方や条件が整えば、ブラック企業と呼ばれている会社であっても、ホワイト企業になり得るため一概には言えないことに注意しましょう。
ホワイト会社の条件は?
ホワイト企業に明確な定義がないため「ホワイト企業の必須条件」はありませんが、基準となる一定の条件は存在します。
その条件は次の5つです。
- 給料を詳細に記載している
- コンプライアンスがっしかりしている
- 給与が高い
- 勤続年数が長い
- ハラスメントがない
どれも「職場の働きやすさ」に直結するので、重要な条件になります。
ホワイト企業の平均年齢は?
企業によって異なりますが、一流ホワイト企業である「Google」の平均年齢は33歳です。
その他の有名企業であれば、Facebookが推定平均年齢28歳、Amazonが推定35歳前後、Microsoftが40歳前後となっています。
創立年で見比べてみると、新しい会社であるほど平均年齢も若い傾向にありました。
ここではGAFMを具体例として取り上げましたが、ホワイト企業であれば離職率も低いため、全体的に年齢の偏りがあまりない傾向にあります。
ホワイト企業はどんな会社?
ホワイト企業は「ブラック企業」と反対のイメージを持って考えると良いでしょう。
一般的にホワイト企業と呼ばれる会社の特徴は、次の通りです。
- 年収が高い
- 残業が少ない(もしくは無い)
- 福利厚生が充実している
- 有給休暇が取りやすい
- 女性が活躍してる
- 職員の勤続年数が長い
これらは一部にしか過ぎませんが、法定福利だけでなく「法定外福利も充実している」「働きやすい」会社ほど、ホワイト企業が持っている特徴であると言えます。
ホワイト企業って本当にある?実はない?
ホワイト企業に明確な定義はなく、「個人によってホワイト企業に感じるかどうか」が重要なポイントです。
一般的には、「残業時間が少ない」「有給休暇が取りやすい」「人間関係もよく働きやすい」といった企業が、ホワイト企業とされています。
例え他の人にとってはブラック企業でも、個人的に魅力的に感じる会社であれば、ホワイト企業と言えるでしょう。
「国が認定しているホワイト企業」を参考にし、どういった会社であれば自分が働きやすくなるのかを考えることも大切です。
ホワイトすぎる企業は、逆に社員がやめやすい?
「ブラック企業」では社員の不満が大きくなることで離職するケースは多いのですが、時代の変化とともに「ホワイト企業」でも「不安」を理由に離職をするケースが出てきています。
これは会社に関係する法整備が進んできたことで、以前よりも「ゆるい職場」になっていることが起因しています。
さらに興味深いのは、「社会活動経験が多い若者ほど、不安を抱えている」傾向にあることです。
また「職場のゆるさ」から、「他社に行った時に、このままでは通用しないのではないか」という不安も、離職を検討させる要因となっています。
参考:リクルートワークス研究所「大手企業新入社会人の就労状況定量調査
まとめ
ホワイト企業の意味・特徴・見分け方は以下のとおりです。
- 明確な定義はなく、自分の理想によってはブラックがホワイトにもなり得る
- 福利厚生、給与、環境が整っているか
- 求人募集や、社員の経験談で見分ける
企業の情報として、国の認定制度を得ているかどうかも見分けるポイントの一つです。
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