
学芸員の年収は安い?国立と私立博物館の給与差・初任給・ボーナスを紹介
学芸員の仕事に興味がある人は「年収が知りたい!」「必要な資格はあるの?」と悩んでいるかもしれません。この記事では、学芸員の平均年収や、学芸員に必要な資格などについて解説します。
学芸員とは
厚生労働省の運営するjob tag(じょぶたぐ)では、学芸員の仕事について以下のように説明しています。
学芸員資格を持った専門職員として、博物館法で定められた博物館で歴史・芸術・民俗・産業・自然科学についての資料を収集・保管・展示するとともに関係する調査研究を行う。
引用:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
簡単に説明すると、博物館や美術館などの資料を「集めて(収集)、調べて(調査・研究)、伝える(展示・管理)」ことが、学芸員の仕事です。
博物館資料の調査・研究
資料の普及は、博物館としての大きな役割です。資料の展示の際には、解説や目録を作成して展示することが必要であり、そのために展示資料の専門的な調査研究は不可欠です。
資料について調査する方法は、大きく2つあります。
1つ目は、資料そのものを観察して調査する方法です。資料の素材・大きさ・作り方(作られ方)などを調べます。近年はカメラなどの技術も発達し、赤外線撮影や拡大撮影によってより詳細に資料を観察できるようになりました。
2つ目は、補足情報の収集です。資料に関する情報は、専門書や文献などで調べることが可能ですが、それだけではありません。専門分野での研究や、野外調査のためにフィールドワークに出ることもあります。
参照:学芸員のお仕事 -資料に語らせる- | 学芸員コラム | 沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)
博物館資料の展示・管理
学芸員の仕事の1つに、展示に必要な資料・展示物の収集、管理が挙げられます。
特に、近年は博物館の展示環境や保存環境を分析・判断し、資料や展示物を良好な状態で保存する技術や知識が学芸員に求められています。
- 資料の展示・収蔵環境を通年最適温度・湿度に保つ
- 資料を変色させる化学物質の除去
- 資料に当たる照明の調整
- 資料を傷める虫やカビの侵入・発生予防
- 盗難などのセキュリティ向上 など
博物館に展示されるのは、重要な文化財です。展示物が劣化しないように「保存科学」の知識を活かした保存技術が必要です。
参照:ミュージアムの文化財保存-学芸員と保存科学-
展示内容の企画
毎回同じ作品が同じように展示されていても、来客者は飽きてしまいます。資料を通年展示するだけでなく、新しくテーマを決めて、テーマに沿った資料を展示する企画も必要です。
博物館・美術館のテーマを決めたり企画したりするのは学芸員の仕事です。館内の学芸員が複数人いる場合は、それぞれが意見を出し合ってテーマやコンセプトを決定します。学芸員が考えたアイデアは、館内や関係機関と協議を重ねていき、最終的な形になっていきます。
多くの博物館・美術館は、ある程度コンセプトや方針が決まっています。専門分野や地域性を大きく崩さない新しいテーマが求められることがあれば、あえて全く関連性のない斬新なテーマが求められることもあります。