
SPIの構造的把握力検査とは?出題傾向の高い例題やおすすめの対策を解説
SPI試験には、構造的把握力検査と呼ばれるものがあります。構造的把握力検査で高得点を取るためには、解き方のコツが必要です。解答のコツさえ理解できていれば、様々な問題にも臨機応変に対応できます。今回は、企業が構造的把握力を検査する理由や出題傾向の高い例題、おすすめの対策について解説します。この記事を参考にすることで、SPIの構造的把握力検査で高得点を取るための、参考になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
SPIの構造的把握力検査とは?
SPI試験の構造的把握力検査とは、ある事象に対する共通性や関係性を読み解き、物事の本質を構造的に把握する能力のことです。構造的把握力検査では、物事の本質を的確かつスピーディーに理解できるかどうかを検査されています。
社会人として働く上で、本質を見つける能力は非常に大切であり、スムーズなコミュニケーションにもつながります。SPIの構造的把握力検査の対策をする際には、試験の対策ではなく、今後の社会人生活の対策になることも視野に入れておきましょう。
企業が構造的把握力を検査する理由
企業が構造的把握力を検査する理由は、以下の3つです。
- 問題解決能力を図るため
- 創造性があるかどうかを見極めるため
- 物事を整理する力があるかを判断するため
企業が構造的把握力検査を実施する理由を理解しているかどうかで、どんな対策をすべきかを明確にできます。検査によって何を求められているのかを理解し、適切な対策を立てて試験に臨みましょう。
問題解決能力を図るため
企業が構造的把握力検査を実施する理由としては、問題解決能力を図ることが挙げられます。構造的把握力があれば、物事の本質を見抜く能力が高いです。
例えば、社内で何かトラブルが起きた時に構造的把握力があれば、トラブルの原因を早急に発見し、適切な対策を行うことで被害を最小限に抑えられます。特に、経験したことがない分野に対しての問題解決力があれば、入社後も幅広く活躍できる可能性があります。
創造性があるかどうかを見極めるため
構造的把握力を検査することによって、創造性があるかどうかも見極めています。企業が安定して売り上げを立てるためには、新たなものも生み出して、販売していかなければいけません。新たなものを生み出すためには「創造性」が大切です。
構造的把握力があれば、業界や時代の変化とともに、どんなニーズがあるのかを明確にでき、既存サービスの中から新たなサービスを見出すことも可能です。
物事を整理する力があるかを判断するため
企業は、物事を整理する力があるかどうかを判断するために、構造的把握力検査を行うことも多いです。仕事を進める上では、取引先との商談や会議を行わなければいけません。会話の中で、物事を的確に整理しまとめることができれば、契約にもつなげやすくなります。
特に、コンサルティング業界や営業職で強く求められる能力であり、就職先の幅を広げるためにも構造的把握力は大切です。
SPIの構造的把握力検査で出題傾向の高い例題
SPIの構造的把握力検査で出題傾向の高い例題の種類は、以下の2つです。
- 言語系
- 非言語系
SPIの構造的把握力検査で出題傾向の高い例題を理解し、事前に対策しておくことで本番でもスムーズに解答できます。この章では、それぞれの練習問題を2つずつ紹介します。
言語系の練習問題
まずは、SPIの構造的把握力検査における言語系の練習問題を2つ紹介します。
例題①
言語系に関する1つ目の練習問題は、以下の通りです。
次のア~オは、ある映画館の意見箱に入っていた要望である。これらを要望の種類によってAグループ(3つ)とBグループ(2つ)に分けることができる。Bグループに分類されるものを下の選択肢の中から選びなさい。
ア:全席にドリンクホルダーを付けてほしい。
イ:平日の料金をもっと安くしてほしい。
ウ:席数をもっと増やしてほしい。
エ:出口にゴミ箱を設置してほしい。
オ:入場制限時間を延ばしてほしい。
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
解答
言語系に関する1つ目の練習問題に対する解答は、以下の通りです。
要望の種類について考える。
特に違いはなさそうに見えるが、よく見ると
ア、ウ、エ → 設備の要望
イ、オ → 規則の要望
と分かる。
ア:全席にドリンクホルダーを付けてほしい。 → 設備
イ:平日の料金をもっと安くしてほしい。 → 規則
ウ:席数をもっと増やしてほしい。 → 設備
エ:出口にゴミ箱を設置してほしい。 → 設備
オ:入場制限時間を延ばしてほしい。 → 規則
よって、正解はG.イとオ
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
例題②
言語系に関する2つ目の練習問題は、以下の通りです。
次のア~オを、数が表す意味によってAグループ(3つ)とBグループ(2つ)に分けることができる。Bグループに分類されるものを下の選択肢の中から選びなさい。
ア:サッカーの試合時間は90分である。
イ:私のテニス経験は8年になる。
ウ:東京タワーの高さは333mである。
エ:この車の走行距離は2000kmである。
オ:カナダには3回行った。
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
解答
言語系に関する2つ目の練習問題に対する解答は、以下の通りです。
数が表す意味を考える。
イ、エ、オ → 変化する数(これから増える数)
ア、ウ → 変化しない数(確定した数)
ア:サッカーの試合時間は90分である。 → 変化しない数
イ:私のテニス経験は8年になる。 → 変化する数
ウ:東京タワーの高さは333mである。 → 変化しない数
エ:この車の走行距離は2000kmである。 → 変化する数
オ:カナダには3回行った。 → 変化する数
よって、正解はB.アとウ
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
非言語系の練習問題
続いては、SPIの構造的把握力検査における非言語系の練習問題を2つ紹介します。
例題①
非言語系に関する1つ目の練習問題は、以下の通りです。
次のア~エの中で、問題の構造が似ている組み合わせを探し、該当するものを下の選択肢の中から選びなさい。
ア:水380gに食塩76gを溶かして食塩水をつくる。この食塩水の濃度は何%か。
イ:私と兄のお小遣いの比率は2:5である。私のお小遣いが1500円のとき、兄のお小遣いはいくらか。
ウ:濃度14%の砂糖水500gに含まれる水の重さは何gか。
エ:金属Bと金属Cでできた合金がある。金属Bの重さの割合は合金全体の42%である。この合金30kg中にふくまれる金属Cの重さは何kgか。
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
解答
非言語系に関する1つ目の練習問題に対する解答は、以下の通りです。
よって解答は、D.ウとエ
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
例題②
非言語系に関する2つ目の練習問題は、以下の通りです。
次のア~エの中で、問題の構造が似ている組み合わせを探し、該当するものを下の選択肢の中から選びなさい。
ア:サイコロを2回振った時に1回目に1が出て、2回目に3が出る確率はどのくらいか。
イ:箱の中に9枚の紙が入っており、9枚のうち4枚には「正」、それ以外の紙には「誤」と書いてあります。2人が1枚ずつ紙を引くとき、2人目の引いた紙に「誤」とかいてある確率はどのくらいか。
ウ:Aくんの的あての成功確率は3%である。的あてを2回行ったとき、少なくとも1回は成功する確率はどのくらいか。
エ:箱の中に、赤玉が1個、青玉が2個、緑玉が4個入っている。中から玉をランダムに1個取り出し、それを箱に戻さずにもう1個取り出すとき、取り出した2個の玉の色が同じである確率はどのくらいか。
引用:【2024年卒】SPI構造的把握力 例題・問題を超分かりやすく解説! 【Study Pro】
解答
非言語系に関する2つ目の練習問題に対する解答は、以下の通りです。
ア.1回目に1が出る確率は1/6、2回目に3が出る確率は1/6なので、
式)1/6 × 1/6
イ.1回目が"正"で2回目が"誤"の確率と、2回目とも"誤"の確率の合計を求める。
1回目が"正"で2回目が"誤"の確率:式)4/9 × 5/8
2回目とも"誤"の確率:式)5/9 × 4/8
よって、イの式は、
式)4/9 × 5/8 + 5/9 × 4/8
ウ."少なくとも1回は成功する"の余事象は、"1回も成功しない(2回とも失敗する)"
1回目に失敗する確率:式)1 - 0.03
2回目に失敗する確率:式)1 - 0.03
2回とも失敗する確率:式)(1 - 0.03)×(1 - 0.03)
よって、ウの式は、
式)1 -(1 - 0.03)×(1 - 0.03)
エ.2個の玉の色が等しくなるのは、青か緑の時なので、
2回とも青玉の確率と、2回とも緑玉の確率の合計を求める。
2回とも青玉の確率:式)2/7 × 1/6
2回とも緑玉の確率:式)4/7 × 3/6
よって、エの式は、
式)2/7 × 1/6 + 4/7 × 3/6
よって解答は、E.イとエ
SPIの構造的把握力検査でおすすめの対策
SPIの構造的把握力検査でおすすめの対策は、以下の3つです。
- 計算式を考えながら解答する
- 出題傾向を理解しておく
- テストセンターで実践してみる
問題集や過去問を繰り返し解答するのは前提ですが、それ以外にも対策は様々あります。構造的把握力検査ならではの対策もあるため、理解した上で試験に臨みましょう。
計算式を考えながら解答する
SPIの構造的把握力検査では、計算式を考えながら解答することが大切です。特に、非言語型の問題の際には、どのような計算式になるのかを考えながら解答することをおすすめします。
頭の中で計算式を考えながら解答を進めることで、問題の構造が同じかどうかを判断しやすくなります。構造の違いに気づくことができれば、解答までのスピードも早められる可能性があります。
また、構造的把握力検査に解答する際には問題を細かく考えすぎず、全体を把握した上で時間を意識して解答しましょう。
出題傾向を理解しておく
構造的把握力検査では、出題の傾向を事前に理解しておくことが大切です。起承転結を見抜いて何を求めているのかを読み解くだけでなく、文章中に含まれる単語にも注意しておくことが大切です。
例えば「合計」「全部で」のような単語があるかどうかを見極めましょう。他にも「確率」や「割合」などの条件を見つけることで、構造を把握しやすくなります。
出題傾向を理解し、問題と解答との類似性を見つけることで、素早く的確に解答することができます。
テストセンターで実践してみる
構造的把握力検査の対策としては、実際にテストセンターで実践するのもおすすめです。複数の企業を受ければ、テストセンターで実際の試験の雰囲気を把握できます。
そのため、SPI試験では試験内容だけでなく、時間配分や本番の雰囲気なども理解しておくことが大切です。本番のテスト経験があるかどうかで、本命の企業でも実力を出しやすくなります。
SPIの構造的把握力検査は余裕をもって対策しよう
SPIの構造的把握力検査は、暗記すればよい試験ではありません。問題の出題傾向や解き方を頭で理解する必要があります。
解き方を理解するためには、問題集や過去問を繰り返し解き、徐々に慣れていくのがおすすめです。適切な解答方法を理解するためにも、構造的把握力検査の前には余裕を持って対策するようにしましょう。
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