
ボーナス300万円の手取りはいくら?額面から引かれる税金や計算方法まで解説
夏・冬のボーナスが300万円だった場合、実際にもらえる手取り額はいくらくらいなのでしょうか?年齢、扶養人数別に手取り額の目安を紹介します。学歴・企業規模・業種別の平均ボーナス額と比較して、ボーナス300万円が多いか少ないのかも見ていきましょう。
ボーナス300万円の手取りは約172.9万円
ボーナスは額面の金額がそのままもらえるわけではありません。社会保険料や所得税を控除した金額が実際に受け取れる手取り額です。
額面300万円のボーナスの手取り額を見ていきましょう。
※単位(円)
ボーナスの額面が300万円、前月の給与100万円(社会保険料控除後)、扶養親族0人と仮定した場合、39歳以下の人の手取り額は1,729,957円、40歳以上の人の手取り額は1,705,957円が目安です。
正確な金額は住んでいる場所、扶養家族の人数などによって多少変わります。
扶養人数別のボーナス300万円手取り額
ボーナスの手取り額は扶養親族の人数によっても変わります。
39歳以下(40歳未満)の人の場合、扶養人数が1・2人で1,729,957円、扶養人数が3人のときは1,781,697円が手取り額の目安です。
40歳以上の場合は、扶養人数が1・2人で1,705,957円、扶養人数が3人のときは1,757,697円が手取り額の目安です。
基本的には、扶養人数が増えるにしたがって所得税の税率が下がるため、手取り額も増加します。なお、16歳未満の子どもは控除対象の扶養親族には含まれないため注意しましょう。
賞与が合計2ヶ月も出ない企業はあまり利益がでていない?
ボーナスは月の給与2ヶ月分という算出方法が一般的ですが、それを下回る企業も少なくありません。JobQに寄せられたQAを見てみましょう。
賞与が合計2ヶ月も出ない企業はあまり利益がでていないってことでしょうか。
会社の賞与の考え方によります。
例えば、ベンチャーだと...続きを見る
ボーナス300万円の税金と手取り計算方法
ボーナスから控除される主な項目について見ていきましょう。控除されるのは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料(40歳以上)といった社会保険料と、所得税です。
介護保険料は40歳未満の人からは徴収されないため、同じ条件であれば40歳以上の人の方が介護保険料が徴収される分手取り額が減るのが一般的です。
ボーナス300万円の健康保険料
健康保険料 | 9.98% | ※東京都で計算、自己負担1/2 |
健康保険料の控除額は標準賞与額と加入している保険料率によって決まります。
控除される健康保険料:
標準賞与額×保険料率×1/2
3,000,000円×9.98%×1/2=149,700円
標準賞与額は賞与の額面額の1,000円未満を切り捨てた金額です。300万500円が額面の場合、標準賞与額は500円を切り捨てて300万円になります。
保険料率は加入している保険組合や居住地によって変わります。上記で例として挙げた保険料率は全国健康保険協会の東京都の金額です。保険料率は毎年改訂されるので、最新のもので計算しましょう。
会社員の場合、健康保険料は会社と折半しているため、実際に支払う金額は「標準賞与額×保険料率×1/2」の金額です。
参考
:標準報酬月額・標準賞与額とは? | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
: 全国保健協会 令和6年度保険料額表
ボーナス300万円の厚生年金保険料
厚生年金保険料 | 18.30% | ※一律で計算、自己負担1/2 |
厚生年金保険料の控除額の計算方法も、基本的には健康保険料と同じです。
控除される厚生年金保険料:
標準賞与額×保険料率(18.30%)×1/2
3,000,000円×18.30%×1/2=274,500円
保険料率は18.30%で固定されています。健康保険料のように居住地によって変わることはありません。
参考
:厚生年金保険の保険料|日本年金機構
: 日本年金機構
ボーナス300万円の雇用保険料
雇用保険料 | 0.60% | ※労働者負担 |
雇用保険料は標準賞与額ではなく、ボーナスの額面金額に雇用保険料率を掛けて計算します。
控除される雇用保険料:
ボーナスの金額 × 雇用保険料率
3,000,000円×0.6%=18,000円
保険料は労使折半ではなく、決められた労働者の負担率を掛けた金額が控除されます。
参考 : 厚生労働省 雇用保険料率について
ボーナス300万円の介護保険料
介護保険料 | 1.60% | ※東京都で計算、自己負担1/2 |
介護保険料は40歳以上65歳未満の人が対象です。
控除される介護保険料:
標準賞与額 × (介護保険料率×1/2)
3,000,000円×1.60%×0.5=24,000円
2024年度の場合、介護保険料率は1.60%です。労使折半のため実際は標準賞与額に0.8%掛けた金額が控除されます。
なお、介護保険料率も毎年変わるため、最新の保険料率を確認しておくことが大切です。
参考 : 全国保健協会 令和6年度保険料額表
ボーナス300万円の所得税
賞与からは所得税が源泉徴収されます。源泉所得税の金額は以下の式で計算可能です。
所得税 : (ボーナスの金額 - ボーナスにかかる社会保険料の合計額) × 源泉徴収税率
(3,000,000円 - 466,200円)×32.67%=827,843円
※源泉徴収税率は扶養人数0人の場合
ボーナスの源泉徴収率は、前月の給与の額から社会保険料を引いた金額が基準になって決まります。扶養人数によって税率が変わる仕組みです。
また、所得税は累進課税制度が適用されており、課税対象となる金額が増えれば税率も高くなります。
参考 : 国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和 6 年分)
ボーナス300万円は少ない?平均と比較
夏・冬のボーナスが300万円だった場合、平均と比較して多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?
ここからはさまざまな平均値と比較して、ボーナス300万円が多いか少ないか解説していきます。
男女別の平均ボーナス額
ボーナス300万円(年600万円)と上記表の平均ボーナス額(年額)を比べてみましょう。
男性・女性・男女計のどの平均ボーナス額と比較しても、ボーナス300万円(年600万円)は多い金額です。
国税庁によると男性の年間平均給料・手当の額が471.6万円です。つまり、ボーナス300万円(年600万円)は、男性の平均年収よりも100万円以上多い額が支給されていることになります。
参考 : 国税庁 令和4年民間給与実態統計調査
年代・学歴別の平均ボーナス額
※年間賞与その他特別給与額、企業規模10人以上
年代・学歴別のボーナス額とボーナス300万円(年600万円)を比較してみましょう。
上記表を見ると、ボーナス300万円(年600万円)以上支給されている学歴・年代はありませんでした。
最も近い金額は大学院卒の55~59歳の289万円ですが、年額で2倍以上も多く支給されています。
ボーナス300万円(年600万円)は、全学歴・年代と比較しても、大幅に多い金額であることがわかります。
参考 : 令和5年賃金構造基本統計調査
企業規模別の平均ボーナス額
企業規模別に比較しても、ボーナス300万円(年600万円)は、非常に多い金額です。
従業員5000人以上の企業の年収(年間平均給料・手当)が431.8万円ですが、こちらと比較しても170万円ほど多く支給されています。
ボーナス額で比較した場合も、5000人以上の企業の額は106.6万円なので、約7倍の金額です。
参考: 国税庁 令和4年民間給与実態統計調査
業種別の平均ボーナス額
ボーナス額は業種によっても変わりますが、ボーナス300万円(年600万円)は全業種と比較しても最も高い金額です。
業種別に見て一番高いのは、金融業、保険業の156万円ですが、同業種と比較した場合も約4倍の金額が支給されています。
最も平均ボーナス額が少ない宿泊業、飲食サービス業の場合は、約30倍の金額です。
参考 : 国税庁 令和4年民間給与実態統計調査
ボーナスについてよくある質問
ここからはボーナスに関するよくある疑問・質問を紹介します。
冬のボーナスはみんないくらもらってる?
他の人がいくらボーナスをもらっているか気になる人も多いでしょう。ボーナスをいくらもらっているか尋ねる質問がJobQ Townに来ていたので、紹介します。
Q.皆さんの企業では、冬のボーナスの額はいくらくらいでしょうか?
皆さまのお勤めの企業では、冬のボーナスの額はいくらですか?私が働いている会社は、手取り10万切るくらいです。大手生保会社ですが、少ないでしょうか?同業の方、特に教えて頂きたいです。
日系自動車部品メーカー大手クラス。
冬はおよそ…続きを見る
ボーナスの金額は企業や業種によって変わります。こちら以外にも冬や夏のボーナスの金額に関する質問が来ているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ベンチャーのボーナスは説明通りの額が支給される?
ベンチャー企業へ転職する際、事前の説明通りにボーナスは支給されるのでしょうか。JobQTownに、ベンチャー企業の賞与に関するQAが寄せられていましたのでご紹介します。
ベンチャーのボーナスは説明通りの額が支給されますか?
4月より、ベンチャー企業に転職します。
賞与は年間4ヵ月と口頭で言われました。
文書では、賞与あり、としか書いてありません。
本当に4ヵ月いただけるのでしょうか。
黒字が出ているのか次第です
そもそも赤字ならば出ないものなので
また、賞与は性質的に...続きを見る
どれくらいボーナスを貯金に回す?使い道は?
他の人のボーナスの使い道も気になる人が多いでしょう。どれくらい貯金に回し、どれくらいの金額を使っているのでしょうか?
dodaが社会人約15000人に行ったアンケート結果によると、約42%の人は半分以上の金額を貯金に回しているとのことでした。ただし、16.5%の人はまったく貯金していないと回答しています。
貯金以外では、20代30代の場合は旅行・レジャーや趣味にボーナスを使っている人が多いようです。40代・50代になると、旅行・レジャーに使う人も多い一方で、生活費の補填にあてる人も増えてきます。
ボーナスの手取り額一覧
上記のボーナス額一覧表は、扶養人数0人(40歳以上)の場合を想定しています。
手取り額は収入状況によって異なりますので、参考程度にご活用ください。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。