
【係長とはどんな役割?】役職に就く前に知っておくべき情報
係長とはどのような役職なのでしょう。係長の仕事内容や年収について詳しくみていきます。さらにもしあなたが係長になった時のために、係長に求められる能力について知っておきましょう。
係長とはどんな役職か?
係長は、課長や部長などの管理職になるための、登竜門と言えるポジションです。主任やチーフよりも上の役職になります。
係長の仕事とは?
係長の仕事は、簡単にいうと業務も管理もこなすプレイングマネージャーです。
係長の仕事には、部下のマネジメントが加わります。チームの一員として成果を出すだけでなく、チームのリーダーとして、一般社員より高度な仕事や交渉、仕事の質も量が求められるでしょう。
管理職として、部下へ指示を出して仕事の進捗管理をするだけでなく、部下に仕事上のミスがあった時の責任も取らなければなりません。
係長の平均年齢・平均年収は?
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、係長級の平均年齢は45.4歳でした。平均勤続年数は17.8年です。このデータから、係長になった後に昇進せずに止まっている人もある程度存在することが伺えます。
また、同調査によると、係長の平均月収は36万9,000円ほどです。他の役職を見てみると、課長級は48万6,900円、部長級は58万6,200円でした。課長と比較すると10万円以上の月収の差があることが伺えます。
参照:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
主任と係長の違いとは?
一般的には主任よりも係長のほうが上であると言われています。とはいえ、主任と係長との違いは、企業によって異なります。仕事上で違い見られない場合もあるでしょう。
主任は、企業において、従業員の中で仕事ができる熟練者に与えられる役職です。主任は管理職ではありません。
ほとんどの企業では、主任は労働組合に加入できます。主任は、所属している組織によって、主任と呼ばれることもありますが、チーフやシニアスタッフと呼ばれている場合もあるでしょう。
一方の係長は、管理的立場にある者に与えられる役職となります。とはいえ、一般企業では、管理職は課長以上としているところが多く、係長は管理職として扱われないこともあります。
係長はチームリーダー的な役割であり、一般社員が行う仕事をフォローしたり、一般社員と同じような仕事をすることも多いです。
また、主任と同様に労働組合の組合員になれます。
主査、主任の役割についての詳細は、下記リンクよりご覧ください。
係長と課長の違いとは?
係長と課長の役割はよく似ていますが、その違いで最も大きなものといえば、権限の有無です。
係長には権限はなく、手本を示しアドバイスを行います。組織に関する権限や責任はありませんが、監督業務を行っています。
一方の課長は、組織全体に関する権限や責任を持っています。そして、係長とは異なる管理業務を行っています。
課長の役割についての詳細は、下記リンクよりご覧ください。
公務員における係長の役割とは
一般企業における係長とは、若手や中堅社員が目指す、最初の管理職といえます。一般社員としての功績を認められてたどり着く役職でといえるでしょう。
しかし公務員の場合、昇任試験を導入していない自治体では、ある一定の年齢になると自動的に係長になるケースがあります。いわゆる実力主義の管理職とは、係長の上の課長補佐以上とされていることもあります。
このことから、公務員では部下を持たない「一人係長」であることも。その場合は部下の管理の役割はなくなり、一般企業のプレイングマネージャーとは少し意味合いが変わってきます。
もちろん、部下がいなくても係の長として業務の業務上の責任もありますし、係長でなければできない仕事もあります。単なるプレイヤーの役割ではなく、統括的な役割もあることには変わりありません。
地方公務員の係長について
国家公務員のと地方公務員では、係長の仕事内容も部下の数も大きく変わります。
国家公務員の係長には部下がいないケースも多いです。一方で、市役所の係長では、多いと数十人の部下を持つ場合もあります。
市役所の係長で部下が多い場合、基本的にはプレイヤーとして係員の仕事は少ない傾向で、マネージャーとしての統括的な仕事を中心に行います。一方で、部下の数が少ない場合は、プレイヤーとして係員の業務を分担することになります。
また、地方公務員の係長は、一般企業と比較すると係長になる平均年齢は遅くなります。
係長に求められる能力とは?
プレイヤーとしてもマネージャーとしても働く係長に求められる能力は多岐に渡ります。
求められる実務能力について
係長になると、部下や上司との連携も増え、業務の全体を俯瞰する能力が必要になります。
プレイヤーとしての実務能力だけでなく、問題解決能力も係長には求められます。チーム全体の進捗状況や問題点を把握し、改善するメソッドを立てて実行しなければなりません。
また、チームの全体の業務の生産性を向上するため、仕事の効率化を根本部分から改善する能力も求められます。
ここで、JobQに寄せられた管理職の仕事について紹介いたします。
Q. 管理職は仕事が大変だと言われていますが、どういった所が大変なんですか?
管理職の大変さについて。
管理職になると責任が増えて大変だとよく言われますが、
具体的にどのようなことが大変なのでしょうか?
役割・作業はそれなりに大変です。
計画を立てて、各所に説明して、必要な資源を集めて、指示を出して、動き出したら状況を確認して、トラブルに対応して、途中経過やら結果をまとめて、…続きを見る
やはり係長含め管理職は待遇も良い分、仕事の責任が大きくなってくるようですね。
こちらの質問には、他の方からの回答も寄せられています。
求められる部下の育成能力について
係長には、部下を育成する能力も求められます。
部下の動向をチェックし、部下が働きやすい環境を作るのが係長の役割でもあります。
たとえば、部下がトラブルを抱え込んだ時には、すぐに声を掛けられるように、人の小さな変化に気づく能力が求められます。上手な采配をするために、人の適性を見極める能力も重要でしょう。
係長には実務能力も必要なの?
係長には、チームの先頭に立って業務をこなす実務能力が求められます。部下が少ない係長の場合は特に、チームの一員としての実務能力は必須になります。
しかし、ただ漠然と目の前にある業務を、正確かつスピーディーにこなすだけではいけません。係長は、統括的に実務を行う能力を求められます。
上司と部下・関係部門との連携や調整能力
係長には、上司や部下と連携し、調整する能力が必要になります。
部下に対してリーダーシップを発揮するだけでなく、上司を補佐するのも係長の仕事の一つです。上司の意向をくみ取ってフォローをするフォロワーシップも必要になってきます。
そして関係部門とは、部門間の連帯や調整をする際に、日頃から良好な関係を築き、部門間の潤滑油になるために、パートナーシップが必要です。
係長に求められる連携・調整能力とは、このリーダーシップとフォロワーシップ、そしてパートナーシップの3つをバランスよく発揮することです。
自分個人やチームだけで業務を完結するのではなく、より多くの人を巻き込むことで、評価される役職といえるでしょう。
係長に昇進したら心がけたいこととは?
係長に昇進すると、プレッシャーに押しつぶされたり、不安になったりするかもしれません。しかし、必要以上に気負うことはありません。
係長に昇進したての場合、最初からマネジメント能力の即戦力として求められているわけではないでしょう。まずは従来通り働き、プレイヤーとして成果を出すことを目指しましょう。
また係長とは、課長・部長への昇格に続く、キャリアのスタートラインです。マネジメントの1年生として、コツコツと仕事を積み重ねていきましょう。
仕事を通じて上司と部下、他部門とコミュニケーションをとりつつ、徐々にマネジメントに慣れていくのがおすすめです。初歩的かもしれませんが、まずはあいさつから他者との友好な関係を気づくように心がけましょう。
係長が押さえるべき心得とは
係長になったら、チーム全体の業務の責任が問われます。
係長とこれまでの役職との違いは「責任」があることです。自分の仕事だけでなく全体を俯瞰するようにしましょう。
次に「部下の個性を見極め、能力を伸ばす」ことです。
係長になると部下の仕事も重要な仕事になります。日常から、部下の動向をチェックして育成に努めましょう。
係長に必要なスキルや知識についての詳細は、下記リンクよりご覧ください。
係長の役割についてのまとめ
係長は、チームの一員として業務を遂行する「プレイヤー」、部下の管理をする「マネージャー」としての役割の両方を担う役職です。
課長・部長など、管理職へのキャリアの登竜門ともいえます。その分、求められることも増えますが、年収も増え、非常にやりがいがある役職といえるでしょう。
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