
年収800万を稼げる仕事って?職業や税金・生活レベルもご紹介
2018年度の税制改正で、「年収850万円以上」の会社員の所得税増税が決まりましたが、年収改定前は800万円がボーダーラインとなっていました。年収800万円といったら、日本の平均年収である430万円のおおよそ倍の水準になります。そんな年収800万円を稼いでいる人の仕事や生活レベルは、いったいどのようなものなのでしょうか?
年収800万稼ぐ人の割合は約2~3%
先ほども述べたとおり、年収800万円は平均年収の約2倍多く稼いでいます。
年収800万円を稼いでいる人たちは日本にどのくらいいるのでしょうか。
詳しく紹介していきます。
年収800万稼ぐ人の割合は約2~3%
年収800万円を稼いでいる人は、日本の会社員の中で約2~3%です。
平成28年〜令和2年では、年収800万円を稼いでいる人の割合の推移は2.8~2.9%であり、約1300人〜1500人です。
上記から、年収800万円を稼げている人は日本の人口と比べると少ない方と言えるでしょう。
参考:厚生労働省 令和2年度 民間給与実態統計調査
年収800万稼ぐ女性の割合
年収800万円を稼いでいる女性は、日本の会社員の中の約0.8%と言われています。
会社員で年収800万円を稼ぐ人は、会社の部長や課長クラスの人でそれなりの実績や経験を積んだ人がその役職に就くことが多いです。
しかし、女性の場合は、出産と育児により仕事の実績と経験を積む時間が男性より少なくなる場合もあります。
現在では、仕事上の実績や経験がなくても、女性ならではのアイディアなどにより起業家として成功する女性の方も増えてきました。
このような女性が増えれば、年収800万円を稼ぐ女性の割合は増加するのではないでしょうか。
参考:厚生労働省 令和2年度 民間給与実態統計調査
建設会社営業の年収30代800万円を超えてる企業はどこ?残業代や賞与はどのくらい?
●相談事項
建築業界の営業職で、30代で年収800万円を超えてる企業はどこですか?
●今の状況
30歳でIT系の営業職をしています。
●相談事の詳細
残業代やインセンティブがついた状態でもいいので教えて欲しいです。
インセンティブを前提にするなら…続きを見る
年収800万稼ぐことのできる仕事一覧
実際に年収800万円を稼ぐことのできる仕事にはどのようなものがあるのか気になるところです。
そこでここでは、年収800万稼ぐことのできる仕事を一覧で紹介します。
年収800万稼げる職業
職種名 | 平均の年収 |
コンサルタント(経営戦略) | 1,335万円 |
システムアナリスト(ITエンジニア) | 1,295万円 |
コピーライター | 1,019万円 |
不動産営業 | 992万円 |
経営幹部(CEO・CFO・COO等) | 950万円 |
クリエイティブディレクター | 937万円 |
金融営業(個人)・リテール・FP | 847万円 |
営業・企画営業(個人向け) | 801万円 |
セキュリティコンサルタント | 800万円 |
弁理士・特許技術者 | 800万円 |
※「マイナビ 転職」の転職ノウハウより抜粋
年収800万稼げる職業を見ると、資格を必要とする専門職が上位を占めていることが分かります。
また資格を必要としなくても、情報通信業や金融業などといった専門的な知識が必要な職業も上位にランキングされているのです。
そのため、一般の企業に勤めている人にとって年収800万はかなりハードルの高いものだといえますが、不動産業などの営業や管理職に出世することは、頑張りしだいで年収800万を達成するのは可能といえるでしょう。
年収800万稼げる業界
年収800万稼げる業界を探すポイントは、これから将来性や需要があると見込まれる業界に注目することです。
そのような条件に当てはまる業界を以下に記載します。
これから将来性や重要があると見込まれる業界 | |
IT・Web業界 | ・ITエンジニア ・データサイエンティスト ・Webマーケター・デジタルマーケター ・Webデザイナー・UI/UXデザイナー ・ITコンサルタント |
サービス業界 | ・医療・介護職 ・イラストレーター ・各種コンサルタント・カウンセラー ・士業 |
小売・卸売・生活関連業界 | ・営業職・販売スタッフ ・戦略・企画職 |
その他業界 | ・建設・設備関連職 ・研究開発職 ・マネジメント職 |
※「これから需要が増える仕事・将来性のある仕事15選【2023年版】」より抜粋
将来性や需要のある業界を見ていくと、IT・Web業界などといった専門的な知識やスキルだけでなく、仕事をした経験が必要となってくるものが挙げられています。
このことはIT・Web業界だけでなく、ここに挙げられている業界の仕事を見ると、どれもがある程度の専門性とキャリアを必要とされるものばかりです。
そのため、年収800万を稼ごうと思えば、専門的な知識や資格などを取得するだけでなく、キャリアの面でも実績を積む必要があるといえるでしょう。
平均年収が800万以上の会社
最後に平均年収が800万以上の会社について見ていくことにします。
平均年収が800万円以上の会社 |
M&Aキャピタルパートナーズ |
キーエンス |
ヒューリック |
地主 |
伊藤忠商事 |
三井物産 |
ソレイジア・ファーマ |
丸紅 |
ストライク |
住友商事 |
レーザーテック |
霞が関キャピタル |
ジャストシステム |
東京エレクトロン |
マーキュリアホールディングス |
三井不動産 |
三菱地所 |
ジャフコグループ |
ファナック |
サンバイオ |
※「東洋経済オンライン」の「「平均年収が高い会社」ランキング全国トップ500」より抜粋
会社名の一覧を見ていると、地主は別として大企業が殆どを占めていることから、大企業に就職することが年収800万を稼ぐ方法の一つということがいえます。
会社名から、商社や不動産関係の会社、IT・Web業界の会社の年収が高いということが分かるでしょう。
ただし、商社や不動産関係の会社の場合は、営業のノルマや競争が厳しいことや、IT・Web業界の場合は、専門的な知識やスキルが必要となることから、それなりの経験や実績を積まないと会社員で800万を稼ぐのはなかなか大変だといえるでしょう。
年収800万円の手取りは約600万円
手取りとは、年収の額面から税金や社会保険料などを引いた、実際に手に入るお金のことです。
年収に対しての手取りの比率を、配偶者の有無別で表にまとめてみました。
年収 | 手取り(配偶者あり) | 手取り(配偶者なし) |
800万円 | 600万円 | 580万円 |
850万円 | 630万円 | 615万円 |
890万円 | 655万円 | 640万円 |
この表からわかるように、年収が800万円の場合には、手取りは580〜600万円程度になります。
税金は、配偶者の有無によっても額が変わってくるため、同じ年収800万円でも人によって手取り額は変わってくるのです。
月収の手取りは約50万円
年収が800万円で手取りが600万円の場合には、毎月の手取り額やボーナスは単純計算で以下のようになります。
ボーナス無し
600万円÷12ヶ月分=月収約50万円
ボーナス4ヶ月分支給
600万÷16ヶ月=月収37.5万円
ボーナス夏冬で150万円
同じ計算式に当てはめますと、以下のようになります。
- 年収850万円・・・月収40万円+ボーナス157万円
- 年収890万円・・・月収41万円+ボーナス165万円
社会保険料は111万円
年収からは、主に次の4つの社会保険料が引かれます。
- 健康保険
- 雇用保険
- 年金
- 介護保険(40歳以上)
会社員で年収800万円の場合、社会保険料の総額は以下のようになります。
- 40歳未満 ・・・約111万円
- 40歳以上(介護保険有り)・・・約117万円
上記の金額は、健康保険や年金の種類などによって多少変わりますので、参考程度にお考えください。
独身の場合の所得税は48万円
所得税は収入の全てにかけられるわけではなく、社会保険料や扶養控除などの控除分を除いた「課税所得」に対してかけられます。
年収800万円の場合でも、配偶者がいる場合といない場合では次のような金額差が生まれます。
配偶者あり | 48万円 |
配偶者なし | 41万円 |
扶養家族が多いほうが控除額が大きくなりますので、独身者の方が既婚者よりも支払う税金が高めとなります。
住民税は57万円
住民税は、都道府県と市町村に対して支払います。
課税所得に対してかけられる所得割と一律の額を支払う均等割りで構成されているものです。
- 都道府県:課税所得の4%+1,000円
- 市町村 :課税所得の6%+3,000円
住民税の税率と所得割の額は、以上のようになります。
この計算式に当てはめた場合の年収800万円の住民税は、以下の表のようになります。
配偶者なし | 57万円 |
配偶者あり | 53万円 |
均等割りの税額は住んでいる地域によって多少変わりますが、おおむね課税所得の10%程度と考えておきましょう。
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年収800万稼ぐ人の生活レベルや家賃
年収800万円を稼ぐ人は、会社員の全体の約2~3%しかいません。ここでは、年収800万円の生活レベルや家賃について紹介します。
年収800万稼ぐ夫婦の家賃は15万円程度
一般的に家賃の目安は、手取り額の約3割に抑えると無理なく生活できると言われています。
この考えからすると、年収800万円の人が家賃に使える金額の目安は15万円程度です。
しかし、子どもがいる家庭の場合は、家賃をできるだけ抑えて、子どもへの教育費や家族の娯楽費などにお金を使う家庭もあります。
そのような家庭の場合は、郊外で生活をし、家賃をできるだけ安く抑えようとする人もいます。
年収800万稼ぐ独身の家賃は15万円程度
先ほど述べたように、家賃を手取り額の約3割に抑えることができれば、無理なく生活をすることができます。
独身の人の場合、自由に使えるお金は家庭を持っている人に比べて多いでしょう。
そのため、家賃が15万円以上の大都市のマンションに住んでいる人もいます。
年収800万稼ぐ人の生活レベル
年収800万円となると、少しずつ生活に余裕が出始めてくる人が多いでしょう。
特に独身の場合は、自由に使えるお金が多いため、趣味や交際費を多めに取ることも可能です。
一方、子どもがいる家庭の場合、中学受験などのために十分な教育費を用意しようと考えると、節約や計画的な貯金が必要になります。
年収800万を稼ぐためにすること
年収800万円を稼ぐことで余裕のある生活を送ることができますが、実際に達成するのは簡単なことではありません。
そこでここでは、年収800万円を稼ぐためにすることをいくつか見ていくことにします。
成長している業界・職種に就職する
800万円稼ぐことのできる仕事に就くのが一番の方法ですが、それ以外には成長が見込める業界や職種に注目して就職するのもいいかもしれません。
今最も成長している業界といえば情報通信事業ですが、これからますます需要が増える割には、関連するどの企業でも人材不足が叫ばれていることから、高収入を稼ぐチャンスのある業界といえるでしょう。
あるいはエネルギー関連のように、国が大きくかかわっている業界や職種はそれだけ稼ぎも多いことから、注目してみてはどうでしょうか。
大企業に就職する
同じような仕事をしていても、会社の規模が違うだけで給与にも大きな違いがあります。
そのため、800万円を稼ごうと思えば大企業に就職することが大切ですが、業界によっても給与に幅があることから、自分が勤めている会社の上司がどれだけ稼いでいるのかに注目することも必要です。
上司の年収が800万円以下であれば、昇進したとしても収入のアップは見込めないことから、その場合は給与の高い会社に転職することも検討してください。
コミッションや出来高報酬の高い会社に就職する
給与の決まった会社に就職するのではなく、コミッションや出来高報酬の高い会社に就職するのも一つの手です。
給与体系に出来高制を取り入れているのは不動産や保険、医療機器などの営業職なので、こうした仕事に就けば、契約件数が増えれば増えるほど給与に反映されます。
ただし高い給与がもらえる分、ノルマなど個人に求められるものが多いことから、一般の会社に勤務するよりもプレッシャーのかかる仕事だといえるでしょう。
年収800万円の仕事のまとめ
年収800万円の人の生活について紹介してきました。
この記事をまとめると以下のようになります。
- 年収800万円が稼げる仕事について
- 年収800万円の人の手取りと税金について
- 年収800万円の人の割合について
- 年収800万円の人の生活と家賃について
年収800万円は勝ち組であり、ある程度のゆとりある生活ができます。
しかし、年収800万円からさらに稼ぐとなると、税金の問題が出てきます。
さらに収入を増やしたいと考えている人は、税金対策の勉強を少しずつ始めましょう。
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