
取締役会とは何なのか?【決議事項の具体例もご紹介します】
取締役会というのは企業にいればあるものではないでしょうか。本記事では取締役会とは何か、会社法362条というものについて、取締役会での決議事項の具体例などをご紹介します。
取締役会での決議事項とは
企業の取締役会は会社法で規定され、取締役会は取締役全員で構成されます。取締役会では「会社の業務執行の決定」「取締役の職務の執行・監督」「代表取締役の選定と解任を行う」機関です。会社法とは会社法第362条2項で定められています。
取締役会での決議事項は①重要な財産の処分・譲り受け、②多額の借財、③支配人その他の重要な使用人の選定と解任、➃支店その他の重要な組織の設置・変更・廃止、⑤社債を引き受ける第三者の募集に関する重要な事項(会社法施行規則(99条)で定める範囲)⑥取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保する体制、その他株式会社の業務の適性を確保するために必要なものとして会社法施行規則で定める体制の整備、⑦定款で定めに基づく取締役会決議による役員・会計監査人の会社に対する責任免除です。
取締役会とは
取締役会とは、会社法で規定された株式会社で取締役会設置会社の業務意思最高決定機関です。取締役会は全ての取締役で構成されます。
取締役会は「取締役会設置会社の業務執行の決定」「取締役の職務の執行と監督」「代表取締役の選定と解任」が主たる職責です。代表取締役の選定は取締役の中から専任します。また、取締役会で代表取締役を解任することができます。2018年の日産自動車スキャンダルを注視すると「カルロス・ゴーンさん」の代表取締役を取締役会で解任しました。
取締役会での決議が必須な事項がある
取締役会で決議が必須な事項は前章で説明しましたが、①重要な財産の処分・譲り受け、②多額の借財、③支配人その他の重要な使用人の選定と解任、➃支店その他の重要な組織の設置・変更・廃止、⑤社債を引き受ける第三者の募集に関する重要な事項(会社法施行規則(99条)で定める範囲)
⑥取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保する体制、その他株式会社の業務の適性を確保するために必要なものとして会社法施行規則で定める体制の整備、⑦定款で定めに基づく取締役会決議による役員・会計監査人の会社に対する責任免除です。社長・執行役員に委任できす、取締役会での決議が必須な事項です。
会社法362条
会社法第362条は取締役会の権限を規定しています。
第1に取締役会は全ての取締役で構成した機関です。第2に取締役会は取締役会設置会社の業務執行の決定、取締役の職務の執行と監督、代表取締役の選定と解職です。第3に取締役の中から代表取締役を選定します。
第4に取締役会は財産処分・譲受・借財などの重要事項とその他重要な業務執行の決定を行います。
第5に大企業の取締役会設置会社は、業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を決定しなければならないことを規定しています。
取締役が執行役員に降格になった場合労働契約か雇用契約の再契約が必要ですか?
取締役が執行役員に降格になった場合、労働契約あるいは雇用契約の再契約が必要になりますか。
取締役を降格というのが何とも判断しにくいですが、ひとまず解任だとすると、もともと従業員だったのであれば、取締役就任の時点で労働契約は解約され、委任契約を締結するはずです。
従って、…続きを見る
会社法362条以外の取締役会の決議事項
会社法第362条以外での取締役会の決議事項を説明します。会社法上必須な決議事項ではなく任意事項ですが、重要な決議事項です。第1に譲渡制限株式の譲渡・承認決議です。会社法第139条の法規です。第2に株式分割の決議です。会社法第183条の法規です。
第3に株式総会の招集に関する事項の決議です。会社法第298条の法規です。第4に利益相反取引・競業取引に承認議決です。会社法第356条の法規です。経営企画部門・経理部門・法務部門・IR広報部門が担当する重要事項です。
その他の会社法の決議事項
その他の会社法に基づく決議事項を説明します。その他の重要な業務執行に関する決議事項です。その他の重要事項は代表取締役に一任することはできません。取締役会の決議事項になります。
その他の重要事項とは、年間事業計画で会社の基本的な経営方針・経営資源の配賦や集中投資する方針を決議する重要事項です。会社の経営に大きく影響する決議事項ですので取締役会の決議が必要になります。経営方針・経営資源の配分によって業績の成長・安定・下降に遷移しますので重要事項になります。
会社法の規定は例示的
会社法の規定は例示的な要素があります。第1に会社のお取引先様を保護する役割があります。会社に法律関係・契約等の事実関係を明確にして必要な情報を開示することです。
第2に利害関係者の権利利益を保護することです。株式会社は利害関係者の合意があれば定款によって異なる取引形態が可能です。柔軟な制度を設けることで利害関係者の利益を実現することです。
第3に法規関係を明確にすることです。大きく利害関係が阻害されたとき以外は一定の期間に提訴しなければ法的主張を不可としています。法律関係を安定した経営が可能です。
総合的に見て判断される
会社法に2つの観点があり第三者の評価・判断材料として活用されます。第1に「実質的意義の会社法」で、会社の利害関係者の利害調整を実行する法規です。「実質的意義の会社法」で定めている利害関係者とは、株主と会社の債権者を指します。
第2に企業の会社法施行規則・会社会系規則・電子広告規則・社債株式などの振替法・担保付きの社債信託法・商標登録法を公開することです。企業の情報公開がすすむなか重要な事項で透明性を明確にする効果があります。
取締役会での決議事項の具体例
重要な財産の処分の例
取締役会では重要な財産の扱いを決議します。「重要な財産の処分と譲受け」「多額の借財の扱い」です。上記の財産の扱いは会社法第392上で取締役会の決議事項にされています。
「財産の処分」は会社所有資産の売却・出資・貸与・担保の提供・債権の法規・債務の免除を指します。「財産の譲受け」は不動産・動産・知的財産権の譲受け・設備投資・知的財産権の実施権・使用権の設定、技術・ノウハウの導入契約の締結を決議します。また高額な権利金・保証金の授受契約を決議します。
なにが重要な財産の処分とされるか
取締役会では「重要な財産の処分」が決議事項です。重要な財産の定義に法的基準はなく取締役会で決議を求める規模を持つ、会社にとって重要性を有する時に「重要な財産の処分」の決議が適用されます。「重要な財産」に定義は会社の解釈に委ねられています。
最高裁判所は「重要な財産の処分に該当するか否かは当該財産の価額・当該会社の総資産に占める割合・当該財産の保有目的・処分行為の態様、従来の取り扱い事情・実績を総合的に勘案して判断すべきと解することが相当である」を判例にしています。「重要な財産」は法律上の基準がないことを表しています。
決算の承認・決議
企業は、期末の決算報告書を開示することが求められます。最近は年に4回(6月9月12月3月)の決算報告を開示する企業もあります。以前は、監査役・会計監査人に提出する前に決算書・事業報告書の取締役会承認が必要でした。
現在の会社法では取締役会は監査・会計監査人の監査が終了した決算書・事業報告書を取締役会で承認決議を行えばよくなりました。会社法第436条で規定されています。法的に決算書・事業報告書は提出前に取締役会の承認は不要となります。
現在でも改正された会社法に基づき、決算書・事業報告書を取締役会で承認・決議して後に監査役・会計監査人に監査を受ける慣習は改正前の会社法に準じているに過ぎません。
取締役会での決議事項について
前章で説明しましたが、取締役会の決議事項は次の通りです。①重要な財産の処分・譲り受け、②多額の借財、③支配人その他の重要な使用人の選定と解任、➃支店その他の重要な組織の設置・変更・廃止、⑤社債を引き受ける第三者の募集に関する重要な事項(会社法施行規則(99条)で定める範囲)です。
⑥取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保する体制、その他株式会社の業務の適性を確保するために必要なものとして会社法施行規則で定める体制の整備、⑦定款で定めに基づく取締役会決議による役員・会計監査人の会社に対する責任免除です。社長・執行役員に委任できす、取締役会での決議が必須な事項が、法的な決議事項です。
役員報酬も決議で足りるか
役員報酬の決め方を説明します。会社は「従業員」と「役員」がいます。「従業員」は正社員・パートタイマー・アルバイトを示します。「役員」は会社の経営層の方々で「取締役」「執行役員」「監査役」が該当します。
役員報酬額を決定するには①株主総会で役員報酬の総額を決議します。②役員報酬の内容を取締役会または代表取締役が決めます。③取締役会では株主総会で決議された役員報酬の範囲内で各役員の役員報酬額を定めて決議します。以上が役員報酬額決議の流れです。
就業規則の変更も決議が必要か
就業規則の変更方法を説明します。①就業規則の変更内容を決定します。②代表取締役や取締役会の就業規則変更の権限を有する役職者の決裁を受けます。③変更内容を従業員の過半数に確認します。➃変更内容を「意見書」に整理します。
⑤「意見書」・変更後の就業規則・変更届を所管の労働基準監督署長に提出します。会社法では上記③④⑤が必須の手続きです。就業規則の変更は取締役会の議決は不要ですが、担当する取締役の確認を要する企業は多いです。
取締役会での決議事項のまとめ
「取締役会 決議事項」は「会社の業務執行の決定」「取締役の職務の執行・監督」「代表取締役の選定と解任を行う」機関です。会社法で定められています。
上記の業務執行の決定によって経営状況が大きく変動します。売上・利益の上昇、前年同様、下降に至り解散に陥ることがあります。会社の最高決定機関です。何10人~何万人の従業員とその家族の生活が左右される重要な決定機関です。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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