
大企業の定義とは?大手企業や上場企業とはどう違うの?法律の観点からご紹介
就職・転職で人気な「大企業」ですが、その定義とは何なのでしょうか。本記事では、大企業の定義とは何か、大企業の知名度、大企業と大手企業などの違い、大企業に関する疑問を徹底解説します。大企業への就職・転職を考えているけど大企業とは何かが気になった方はぜひ参考にしてみてください。
大企業の定義
大企業の法律上の定義
企業に関する日本の法律には、「中小企業基本法」「会社法」などがあります。これらの法律では、中小企業の定義がされていますが、大企業については定義がありません。
中小企業基本法では、中小企業者の定義を次の表のように規定しています。
また、厚生労働省では、常用労働者 1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分しています。
法律および厚生労働省の区分などを踏まえ、従業員数や資本金で企業の規模を定義することが多いです。
大企業と中小企業の違い
大企業と中小企業の違いは、資本金と従業員数で区別されることが多いです。
また、実際に働いている人からすると、大企業は事業が安定している・社会的な信用がある・福利厚生も充実している、と考える人が多いです。
対して、中小企業は業務内容にやりがいを感じやすいと考えている人が多いです。
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日本の大企業の数
総務省統計局の調査によると、令和3年6月1日時点の企業等の数は368万社でした。
さらに、資本金階級別に企業の数をみると、「資本金1000万円未満」が104 万企業(資本金階級別の合計に占める割合は 59.3%)と最も多く、階級区分が最も高い「資本金1億円以上」は3万企業(同 1.7%)となっています。
資本金の数から推測すると、日本にある法人企業のうち、大企業の定義にあてはまる企業が非常に少ないことが分かります。
ごく少数の大企業と、圧倒的多数の中小企業で構成されているのが日本の企業状況です。
大企業の資本金額と従業員数
先ほど述べたように、大企業に関しては中小企業基準法に定められた定義はありません。
そのため、中小企業と定められている水準以上の資本金額と従業員数を保有している企業が、大企業ということになります。
大企業と定義される資本金と従業員をまとめると、以下の表の通りになります。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
製造業、建設業、 運輸業、その他の業種 |
3億円以上 | 300人以上 |
卸売業 | 1億円以上 | 100人以上 |
サービス業 | 5000万円以上 | 100人以上 |
小売業 | 5000万円以上 | 50人以上 |
参照:中小企業庁:FAQ「中小企業の定義について」
この表は中小企業の定義を裏返した場合のものです。業界ごとに、大企業と称されるための資本金や従業員数が異なっていることが分かります。
大企業と大手企業・有名企業・上場企業などの違い
規模の大きな企業のことを指して、大手企業や有名企業と呼ぶこともあります。
大企業との違いを確認し、正しく使い分けできるようにしましょう。
大企業と大手企業の違い
大企業とよく似た言葉として大手企業という呼び方もあります。
大手企業と大企業は言葉としてよく似ている印象ですがそれぞれ別のことを意味しています。
大手企業は、業界の中で規模や知名度において上位に入る企業のことを指します。
そのため、業界に関連して「○○業界の大手」といった言い方をすることが多くなります。
中小企業より規模が大きい大企業でも、業界の中で順位が低く知名度もなければ大手企業とは言いません。
大企業と有名企業の違い
大企業とは中小企業より規模が大きな企業ということです。資本金と従業員数で定義することが多いです。
一方で、有名企業とは、「多くの人が知っている企業」ということになります。広告などで有名になる企業が多いでしょう。
中小企業や小企業でも、知名度の高い有名企業は存在するという点がポイントです。大企業=有名企業とは限りません。
大企業は上場している会社?
大企業の多くは株式上場をしていますが、必ずしもすべての会社が上場しているわけではありません。
大企業に該当する企業は1万社以上あります。中には、どの株式市場にも上場していない大企業も存在します。たとえば、エースコック・アイリスオーヤマなどが、有名大企業ですが未上場です(2023年12月時点)。
大企業の疑問点を解決
大企業についての細かい疑問点について解説します。
大企業と会社法の関係
日本には会社法という法律があり、その中で「大会社」についての規定があります。
「大会社」とは、資本金5億円以上、または負債額200億円以上の企業のことを表す言葉です。大会社は社会的影響が大きく、規制が大きい特徴があります。
中小企業よりも規模の大きな会社、という意味の「大企業」。大企業=大会社であることも多いですが、全く同じ意味というわけではありません。
大企業病とは
大企業について書かれている書籍や雑誌記事の中で、「大企業病」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
大企業病とは、組織が大きいことによって企業体質が非効率になってしまう状態のことです。
たとえば、組織を経営するトップと一般の従業員の間で意思疎通がしにくくなったり、官僚主義や事なかれ主義に陥ってしまったり、非効率な社内慣習を意味なく続けたり、といった問題が出てきます。
組織が小さいうちは少しの修正で改善することができますが、大企業になると組織が大きくなりすぎて改善するのが非常に難しくなってしまいます。
日本の大企業は優秀な社員がいるのに何故業績が良くないんですか?
なぜ日本の大企業は優秀な人材が集まりやすいのに良い結果が出ない企業が多いのでしょうか?
自分はとある大企業のグループ会社で働く新社会人です。
最近まで親会社と合同のグループ研修を行なっていました。親会社の新入社員は皆、頭が良くしっかりとしたコミュ力を備えている人ばかりです。
そこの会社のお偉いさんの話を聞くことがあったのですが、その人達も決して無能ではない有能そうな人達でした。
こんなに人材がいてなぜこの会社の業績は振るわないのかと不思議に思いました。
ベンチャーと大企業、両方で働きましたけど、
しがらみ、組織の力関係、などで無駄な会議や無駄な書類作っていて仕事にスピード感がないですね。
ベンチャーなら社長に相談、やればいいじゃんの一言で始められる時もあります。そのあとに稟議とか諸々書類とか…続きを見る
大企業は事業が安定しているというポジティブな一面もありますが、組織が大きいがための弊害もあるのです。
まとめ
今回は大企業とはどんな企業なのか、大企業に関するよくある疑問点について解説しました。
普段から使い慣れている大企業という言葉ですが、中小企業より資本金や従業員数が多い企業のことを指しています。
大企業と大手企業、有名企業、上場企業の違いについてもはっきりさせておくことで企業について理解しやすくなるはずです。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、就職活動や転職活動、企業研究などに役立ててください。
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