
【24時間営業コンビニ】メリットとデメリット|現状の課題や解決策を紹介
24時間営業のコンビニが利用者に与えるメリットは大きいです。一方で、24時間営業であることによる従業員への負担などのデメリットも危惧されています。サービス業界で営業時間短縮などの見直しが図られる中、コンビニはどのように対応が求められるのでしょうか。24時間営業のコンビニはいつから始まったかなど、24時間営業のコンビニに関する疑問や課題について解説します。
24時間営業のコンビニの現状
24時間営業のコンビニが私たちにとって便利なものである一方、経営側の努力が24時間営業を支えている側面を忘れてはいけません。
24時間営業が問題視されるトラブルは最近も起こっています。
セブンイレブンでは2018年に福井豪雪の中営業を中止せずに約50時間睡眠せずに労働を強いた結果、救急搬送される人を出してしまうトラブルが発生しました。
この一件から、同社ではコンビニ本部と加盟店の歩み寄りを強化し、24時間営業の見直しが議論されることになります。
2020年には経済産業省や公正取引委員会も24時間営業問題に介入し、各社本部が関係改善を進めている状況です。
参照:「3年前の教訓生きた」 大雪無理せず営業:日刊県民福井Web
各業界の変化
24時間営業をしている店舗はコンビニだけではなく、各業界では労働環境の改善が進んでいます。
たとえば、24時間営業を行っているファミリーレストランです。2017年には、ロイヤルホストも全店舗で24時間営業を終了し、営業時間を短縮しています。
24時間営業の廃止に至った理由は、深夜早朝の時間帯に以前ほど来客がなくなったことでした。その背景には、スマートフォンで気軽にコミュニケーションを取れる時代になったことから、わざわざファミレスに集まる必要がなくなったなどの理由が示唆されています。
また、店舗を管理する側として、深夜と早朝に稼働できる従業員の確保が難しいという問題もありました。
24時間営業の便利さの裏側には、従業員の努力があって成り立っているということは考えておくべきでしょう。
参照:24時間営業やめたら増収 ロイヤルホストの働き方改革 黒須康宏ロイヤルホールディングス社長(上) - 日本経済新聞
24時間営業を廃止するコンビニ店舗も
コンビニ業界でも、次々と改善が始まっています。
2019年3月、ローソンは深夜0:00〜5:00の間、レジに店員がいない無人営業をする実験を数店舗で開始。結果、無人決済店舗を拡大させました。事前にローソン専用アプリに登録し、QRコードを読み取ることでドアの開錠を行い入店するシステムです。
決済方法は店舗に設置されている「無人決済レジ」と「ローソンスマホレジ」のサービスで可能としています。
また、2021年にはファミリーマートも、顧客がセルフレジで支払う無人決済店舗を始めています。2025年2月末までに、セルフレジ設置の店舗を計1000店に増やす見込みです。
参照:「深夜時間帯の無人営業」実験開始|ローソン公式サイト
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24時間営業コンビニのメリットとは
24時間営業のコンビニのメリットについて、利用者と経営側双方の視点で確認していきましょう。
利用者のメリット:好きな時にいつでも買い物ができる
好きな時にいつでも買い物ができるのは、24時間営業のコンビニならではのメリットです。仕事が長引いて、帰宅時間が遅くなったとしても、24時間営業のコンビニを利用すれば、買い物ができなくなる心配はなくなります。
また、最近のコンビニではATMが利用できたり、宅配サービスや公共料金の支払いができたりします。
コンビニのサービスが拡大しているおかげで、銀行や郵便局に行かなくてもよいことが増えました。
経営側のメリット:雇用の拡大と売上の増大
24時間営業をすることで、売上増大が期待できます。営業時間が長いほど、来店する顧客が増えて、商品販売の機会損失が減るためです。
特に、24時間営業であれば、深夜や早朝に緊急で買い出しが必要になった際に顧客が来店しやすい強みがあります。仮に、同じ商品の価格がスーパーマーケットの方が安くても、競合が閉店している場合もあります。緊急性が高い買い物の場合、顧客はコンビニに流れる可能性が上がるでしょう。
また、店舗の従業員・商品を製造する工場・物流など、営業時間が増える分、仕事の雇用が生まれるのもメリットです。
特に、コンビニは海外からの留学生にとって働くメリットがあります。日本語を学べたり、セルフレジなどの日本の最新技術に触れられたりなど、コンビニで働く外国人が多いのには、このような事情があるようです。
参照:【「移民」と日本人 今年起きること】留学生は学生か、労働者か 従業員の9割が外国人のコンビニ - 産経ニュース
双方のメリット:24時間365日、避難場所になる
深夜にも営業しているコンビニは、避難場所としての役割もあります。
他の業界の店舗が深夜に閉店していても、24時間営業のコンビニであれば深夜に危険なことがあったときに駆け込むことができます。
経営側としても、避難所として社会貢献し、地域から信頼を得られるのはメリットと言えるでしょう。
大手コンビニの年収、ボーナスはどのくらいか
24時間営業のコンビニのメリットを紹介しましたが、実際の年収はどのくらいなんでしょうか。
大手三社で働いている方の口コミを紹介します。
就職活動中の学生です。
コンビニ業界大手3社のボーナスは大体どのぐらいなのでしょうか…?
大手3社のうち1社に勤めています。
入社8年目くらいで年間合計…続きを見る
セブン&アイホールディングスなど、コンビニ大手の年収については下記の記事より参考にしてみてください。
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▶︎ローソンの年収は620万円【口コミとコンビニ業界比較を紹介】
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24時間営業コンビニのデメリット・課題
24時間営業のコンビニのデメリットについて、経営側に焦点を当てて、みていきましょう。
オーナー・店長の負担が大きい
Yahooニュースによると、仕事がある日の就寝時刻の平均は23時36分であることがわかりました。深夜は、多くの人が眠りにつく時間帯であり、深夜にコンビニで買い物をしたいというニーズは昼間と比べると高くないでしょう。
同様に、深夜帯に働きたいニーズも高くありません。経済産業省の調査によると、深夜勤務経験者の半数以上が、「今後は働きたくない」と回答しています。その最も大きな理由は、身体的につらいことが理由でした。
深夜帯に働ける労働者を探すことは、コンビニの店長にとって大きな負担となります。シフトに入れる従業員が見つからない場合は、オーナーや店長自らがシフトに入ることもあります。オーナーや店長の高齢化も進んでいることから、深夜営業の負担が従業員の健康面へ悪影響を与えるリスクは早急に解決したい課題と言えるでしょう。
参照:従業員アンケートの結果|経済産業省
社会人の平日の平均睡眠時間は「6時間48分」 7時間以上寝られると満足度が高くなる傾向に「Trairy調査」(AMP[アンプ]) - Yahoo!ニュース
深夜の営業コスト
営業時間が長くなると、電気代や人件費などのコストが上がります。特に深夜の時間帯に働くことを避けたい従業員は多く、時給を少し高めに設定しないと人が集まりません。
加えて、コンビニ間の競争が激化している実態もあります。店舗の近くに別のコンビニが増えることで、1店舗あたりの売上が下がっている傾向があります。
ただでさえ、深夜に高い人件費を払って営業をしても、深夜は昼間と比べて客足が少ない傾向があります。人件費のコストを上げても、顧客が来店しなければ売上は上がらず、非効率といえます。
周辺地域に迷惑がかかる
24時間営業をすると深夜に若者が集まりやすくなり、自動車やバイクのエンジン音が近隣住民の迷惑になる可能性があります
深夜の自動車のエンジン音がうるさいと、24時間営業のコンビニに対して苦情が来るケースも珍しくありません。住宅街などが近い立地の店舗は、周辺地域に迷惑がかからないように努める必要があります。
ここで実際に、大手コンビニエンスストアであるセブンイレブンの待遇についてJobQに投稿された質問を紹介します。
セブン-イレブン・ジャパンに転職考えているものです。
ですがやはりセブン-イレブン・ジャパンにはなにか激務なイメージがあります。
それはアルバイトだけなのでしょうか?
そこの所すごく気になります。
社員の方がいればお聞きしたいのですが、実際の所どうなんでしょうか?
上司が徹底的に管理し、表向きの就業状況は劇的に改善されています。労働基準監督署からの指導…続きを見る
続いてはこちらの質問です。
現在、中小企業に勤めています。
自分の勤めている会社の待遇にあまり満足しておらず、転職を検討中です。
転職先としてはハードルの高くなさそうなコンビニ店員、中でも最も利用頻度の高いセブンイレブンを考えています。
しかし、ネット上ではその待遇について賛否両論あり、ただ閲覧しただけのサイトではそのソースも不確かで、信憑性の面で不安が残ります。
そのため、この場で自ら質問させていただくことにしました。
セブンイレブンの待遇について、社員さんの間ではどのような評判なのでしょうか?
お手数ですが、お答えいただけると非常に助かります。
待遇という言葉には幅広い意味がありますが、…続きを見る
続きが気になる人は、ぜひJobQの無料会員登録をしてみてください。
24時間営業コンビニの解決策
コンビニの最も深刻な課題は、人手不足です。求人を出しても募集が集まらないなど、多くの課題を抱えています。
特にオーナーは、従業員の報酬や必要経費の支払いや、シフトが埋まらない分を自らが出勤するなど、深夜営業に対する負担が大きい傾向です。
今後どのような対策が必要でしょうか。
従業員の賃上げ
コンビニは、求人で設定した時給に対して求職者の応募が少ない傾向があります。その大きな理由は、時給の低さです。
2024年3月度のジョブズリサーチセンターによる「アルバイト・パート募集時平均時給調査」によると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)のコンビニ従業員の平均時給は1,079円でした。
調査対象である全60種類の職種の中で、コンビニスタッフが最も低い金額でした。一昔前と比較すると、最低賃金の上昇などで改善の傾向は見られるものの、まだ人手不足の解消に繋げるには低い金額といえそうです。
一般的に、人手不足の場合は時給が上がる傾向にありますが、コンビニの場合は都道府県ごとの最低賃金に極めて近い金額が時給として設定されていることが多いです。コンビニの従業員の賃金の引き上げは、人手不足を解消する大きなエッセンスとなるでしょう。
参照:
2024年3月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】
「コンビニスタッフの賃金はなぜ低い」わたらせユニオン書記長 嶋田 泰治 | 特集/混迷の時代が問うもの
オーナーにのしかかる人件費の重み セルフレジや深夜無人化にかかる期待 | ツギノジダイ
JobQにもコンビニの給与・年収についてこんな質問が寄せられていました。
コンビニ業界最高水準の年収がもらえるのがローソンだという話を聞いたことがあるのですが、本当にローソンは最高水準なんでしょうか?
それと、コンビニ業界では水準が高いのは理解できますが、全体的に見ても年収の水準が高いのでしょうか?
どんな評価基準が設けられているのかとか、も聞きたいのですがいいでしょうか?ご存知の方がいらっしゃればお話を聞きたいのでよろしくお願いします
ローソンのの評価については業績連動ですが、生活する上で不自由な年収ではないと思いますよ。
組織全体の利益を意識して行動すれば…続きを見る
セルフレジの導入
深夜や早朝の人手不足の対策には、セルフ決済レジの導入で解決できる可能性があります。
セルフレジとは、顧客自らが購入商品のバーコードを読み取り、決済を行うレジのことです。従業員は品出しや仕入れなど、他の業務に集中して取り組むことが可能となります。
セルフレジのメリットを最大限生かすことができれば、レジ打ち担当が不要になるだけでなく、無人経営も可能になるでしょう。実際、セルフレジや専用アプリを導入することで、無人経営をしているコンビニもあります。
セルフレジの導入は初期費用こそかかりますが、長い目で見れば従業員を減らし、大きな人件費や身体的負担の軽減につながります。
商品に電子タグ(ICタグ)を導入
経済産業省は、コンビニ各社と「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を進めると発表しました。
これは、2025年までに、大手コンビニエンスストアである、セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップ・ニューデイズの全ての取扱商品(推計1000億個/年)に電子タグを貼付け、商品の個品管理を実現するというものです。
電子タグとは、電波を利用して非接触で個体を識別するツールです。バーコードのように、ほぼ全ての商品に電子タグが貼付されれば、電子タグの情報を電波で読み取ることで、いつ、どこに、何の商品が、どの程度流通しているかを簡単に把握できるようになります。
電子タグを利用することで、小売事業者としては、レジ・検品・棚卸業務の高速化、防犯ゲートを用いた万引防止、消費期限管理の効率化による食品ロス削減など、様々な波及効果が期待されます。
さらに、電子タグから取得された情報をメーカー・卸を含むサプライチェーン上で共有することができれば、市場に流通している在庫量を踏まえてメーカーが生産量を柔軟に調整したり、トラックの空き情報を共有して共同配送を進めたりするなど、製造・物流・卸・小売の垣根を越えたムダの削減を実現することが可能です。
引用:「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定しました~サプライチェーンに内在する社会課題の解決に向けて~(METI/経済産業省)
電子タグの運用がうまくいけば、コンビニの経営は今までと比べ物にならないほど効率化するでしょう。
24時間営業のコンビニの発祥の歴史
今の時代、コンビニの24時間営業は一般的ですが、もともとコンビニは24時間営業をしていませんでした。たとえば、大手コンビニチェーン店のセブンイレブンは、朝の7時から夜の11時まで営業していたことが名前の由来です。
コンビニの歴史を辿っていくと、日本で24時間営業が浸透する前の1971年頃、アメリカではすでに24時間営業のコンビニが一般化していました。結果、24時間営業をすると、日中の利益が上がるデータが分かってきたのです。
このアメリカの実態を受けて、コンビニの24時間営業は、日本でも試されるようになりました。
日本初の24時間営業コンビニは、1975年に24時間営業を始めた福島県郡山市の虎丸店のセブンイレブンです。
虎丸店のセブンイレブンが発端となり、ローソンやファミリーマートを含むコンビニ業界に24時間営業は広まっていき、1980年代前半にはコンビニの大半が24時間営業に切り替わっていきました。
参照:株式会社セブン-イレブン・ジャパン公式ホームページより
コンビニ24時間営業まとめ
24時間営業のコンビニの課題や解決策を中心に解説をしました。
24時間営業は便利ではありますが、オーナーや店長に負担が重くのしかかる、従業員側の大きな課題について忘れてはなりません。
24時間営業のデメリットの悪循環を断つためにも、オーナーだけでなく、政府もコンビニの課題に向き合っている現状が伺えます。
働きやすい環境とは一体何なのか、これを機に再度考えていきましょう。
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