辞表を切り出すタイミングとはいつなのか｜悩める方のために徹底解説

会社を辞める時、「辞表」を出すのか、それとも「退職願」なのか「退職届」なのか分からない、いつだせばいいのか、どれが正しい出し方なのか悩む方も多いでしょう。

そこで、それぞれの持つ意味の違いから、どういう状況の時に出せばいいのか調べてみました。

退職届とは

退職届とは、会社を退職するという最終的な意思を会社側に出すものです。

一度受理されてしまえば、よほどのことがない限りは、退職するということになりますので、撤回は出来ません。
 

退職の最後の決定となりますので、出す時には慎重さが求められます。

会社によって、退職届の規定もありますので、事前に調べておくといいでしょう。

退職願とは

退職願とは、退職届の前段階です。
 

会社を辞めたいという意思を会社側に伝えるもので、会社との契約を解約することについての打診と言えるでしょう。書面でなくても口頭で伝える事も出来ます。

この段階では、受理されても即、退職というわけではありませんが、会社側は退職を希望していると判断しますので、気軽に伺いを立てるというものではありません。熟考した上で伝える事が大切です。

辞表とは

よくTVドラマで「辞表を出す」と出てきますが、辞表は誰でも出せるものではありません。辞表は、役職がある人や公務員が辞める時に提出するものですのです。役割としては退職願と同じものですが、出す立場によって辞表になりますので、気を付ける必要があります。

会社を辞めようと思った時、退職願や辞表はいつ頃出せばよいのでしょうか？会社によっては細かな規定も決められていますし、会社や周囲の都合も考えずに急に出すと、トラブルに繋がる可能性もあります。

そこで、どのタイミングで出せばよいのかなどを調べてみました。

いきなり提出すべきではない

退職願や辞表を出すタイミングを間違えると、のちのちトラブルに繋がる心配もあります。仕事によっては引き継ぎの必要もありますし、取引先や会社に大きな迷惑をかけかねませんので、自分の都合をいきなり押し付ける事は避けましょう。

まずは同僚や上司に相談し、会社の繁忙期は避け、引継ぎの期間や自分の仕事の完了などを考慮した上で、退職までのスケジュールを決めた方がスムースにいきます。

最低でも2ヶ月前に提出すると良い

それでは、どれくらい前に提出するのが良いのでしょうか？会社によって退職の申し出の期限があり、まずは自社の就業規則を必ず確認する事が大事です。

多くの会社では、少なくても一か月前という期限がありますが、引継ぎや仕事の調整などを考えれば、最低でも2カ月～3カ月前には上司に相談し、1カ月前には退職届を出せるよう、余裕を持った方が良いでしょう。

いざ退職願や退職届を書くとなると、そう何度も書きなれるというものではありませんので、その書き方に悩む方も多いと思います。

そこで、「退職願」と「退職届」の書き方や注意点、例文を見ていきましょう。

退職願の書き方

退職願を書く場合、会社で決まったフォーマットなどが無い場合は、白い便せんに黒のペンで基本的には縦書きで記入し、白い封書で提出する形が一般的でしょう。退職願と書いた次の行の一番下には「私議」と書くのですがこれは「私事ですが」という意味です。

退職願は、あくまでの退職をしたいという事を伝えるものですので、断定した書き方ではなく、「お願い申し上げます」と書くようにしましょう。

退職願の例文
 

退職願
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私議

この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和〇年〇月〇日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇〇部〇〇課　　××　××　㊞

株式会社〇〇〇〇

代表取締役社長　　××　××殿
 

退職届の書き方

退職届も、基本は退職願と同じフォーマットですが、大きく違う部分があります。退職願は「退職いたしたく　ここにお願い申し上げます」と、退職を願い出るのに対し、退職届は「退職いたします」と断定した書き方となりますので注意しましょう。

退職届の例文

退職届
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私議

この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。　　

　令和〇年〇月〇日
　　　　〇〇部〇〇課　　××　××　㊞

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長　　××　××殿

ネット上に様々なフォーマットがありますので、今回紹介したのはほんの一例ですが、書き方はあまり気にせず礼儀として問題ではないかを確認して選びましょう。

退職願いや退職届、辞表の違い、その書き方はお分かりになったと思いますが、大事なのはタイミングです。特に有給休暇が残っている人は、それを消化できるだけのスケジュールを見ておくことが大事です。

また、時期的にボーナスが近い場合は、ボーナスがもらえるタイミングなども考慮に入れるべきでしょう。この章では、そうしたタイミングを図るうえで考慮すべき点を調べてみました。

有給休暇と仕事の引き継ぎの日数を計算しておく

退職する事が本決まりになって来たら気にしたいのが、有給休暇の消化です。有給休暇は退職するとその権利は消失しますので、退職する日の前に消化できるようにしましょう。

そのために気を付けなければならないのが、退職日の設定です。有給休暇には時効がありますので、まず自分の有給休暇の日数を確認しましょう。

次に、引継ぎなどに必要な日数を上司と話し合い、周囲に迷惑をかけない日数を計算し、そこに有給休暇の日数を足した日で、退職日を計算する事が大事です。

ボーナスが確定してから退職を切り出す

ボーナスは少しでも多くもらえた方がいいと思いますので、退職を切り出すのはボーナスの額が決定した後が良いでしょう。なぜなら、査定の前に退職を切り出せば、将来性などの部分で差し引かれる可能性もあるからです。

退職する時に心掛けたいのは、スムースな円満退社です。そのためには、言い出すタイミングと同時に、上司や会社側が気持ちよく了承してくれるような伝え方を心掛けた方が良いでしょう。

そこで、上司や会社に退職を伝える際のポイントや注意点を調べてみました。

上司が納得できる内容にする

退職を伝える時には、その理由を伝える必要があります。そこで気を付けたいのが、不満や文句をそのまま伝えることは控えましょう。相手が気分を害した場合、その後の交渉や引継ぎに支障が出る可能性があります。

また不平不満が理由の場合、改善策を提示され退職を引き留められる事もありますので、まずは上司や会社に感謝を示したうえで、理由を説明することが望ましいでしょう。

上司に退職の理由を説明する際は、自分の前向きな姿勢をアピールし、さらなるキャリアアップや違う分野へのチャレンジなど、同じ社会人として背中を押せるような前向きな内容が望ましいと言えます。

昨今では、親の介護や体調管理など、プライベートの変化に合わせて仕事を変える事もありますので、こうした理由の場合も、正直に伝え、上司の理解を得られる内容にする事が大事でしょう。

強い意志を持っていることを表現する

退職を願い出ても、強く引き留められることもあります。場合によっては様々な条件交渉や説得、配置換えなども持ちかけられる事もあるでしょう。そうした時、相手に押されることなく、熟考した上での強い意志であることをストレートに伝える事が大事です。

自分の意志が固いことが伝わるよう、あやふやな言い方ではなく、退職をしたいという意思を明確に伝えましょう。

会社を退職するという事は、人生の中でも大きな出来事です。

例え会社は辞めてもどこで会うか分かりませんので、出来るだけ円満にスムースに退職出来るにこしたことはありません。

そのためにも、退職届、辞表を提出するタイミングは重要ですので気を付けるべきポイントと言えるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。