【オブザーバーの意味とは】アドバイザーとの違いなどについて紹介

国際会議や会社の会議などで「オブザーバー」という言葉を聞いた方も多いと思います。しかし、その役割は今一つ分からないという人も多いと思います。

最近よく聞くけれど、よく分からない、そんなオブザーバーとはどんな意味を持つのでしょうか？

そこで、ビジネス用語としてよく聞かれるオブザーバーの意味や使い方、どんな場面で活躍しているのかなどを調べてみました。

語源は監視する人

オブザーバーの語源はラテン語の「監視する人」です。
具体的には、会議や競技などの進行を第三者としての立場で見守る、試合がルールにのっとり、ちゃんと進行されているかを監視する役割で、当事者という立場ではありません。

例えば国連などでは、国連に参加していない国や団体が、国連オブザーバーとして会議に参加する事もあります。

この場合も、発言や提案はする権利はありますが、投票権はありません。

ビジネスでのオブザーバーの使われ方

ビジネスの場でのオブザーバーの意味は、会議に参加するものの「発言権や議決権、投票権がない参加者」を示すことが多いようです。

会議によっては、発言はできますが最終的な議決権はありません。

ビジネスの場ではあくまでも「傍観者」であり、会議の進行を見守る立場と言えます。また、発言を求められた場合も、第三者としての客観的な指摘、意見を述べるだけで、主観的な意見は述べることはありません。

オブザーバーは出席者を監視するという役割を持ちますので、社内外の役員や上層部、会議の内容によっては、警察や弁護士、研究者など外部の専門家がオブザーバーとして参加する事もあります。

ゴルフでのオブザーバーの使われ方

ゴルフでオブザーバーとはどういう意味なのでしょうか？
ゴルフの場合、ビジネスの場とは違い、ゴルフ競技の審判員を補佐する人になります。

協議に参加するプレーヤーに違反行為があった場合、審判員に報告するため、まさに監視役と言っていいでしょう。

プロの大会では、実行委員会がオブザーバーを選任しますが、個人や企業のコンペでは社員が持ち回りで担当することが多いようです。

ゴルフが苦手だけど社命で参加しなければいけない人にとっては、オブザーバーは好都合と言えるかもしれません。

オブザーバーは、第三者として参加する傍観者という立場はお分かりいただけたと思いますが、それでは、オブザーバーの対義語にはどんなものがあるのでしょうか？

オブザーバーの意味をもう少し明確にするためにも、この章では、オブザーバーの対義語を見ていきたいと思います。

パフォーマー・アクターとは逆の立場

オブザーバーの意味である「観察者」としての対義語には、観察される側、つまり「行為をする人」を指す言葉としてパフォーマーやアクターがあります。

パフォーマーとは、出演者や表現をする人という意味を持ち、傍観する立場のオブザーバーとは逆の立場と言えるでしょう。

また、アクターは俳優などに代表されるような演じる人という意味が有名ですが、もう一つの意味として「行為主体」という意味を持っています。オブザーバーが第三者であるのに対し、アクターは主体であるので、対義語と言えるでしょう。

レギュラーとは対極の立場

レギュラーとは会議に参加し発言権や投票権などを持つ人という意味があります。
会議の場では、正式な参加者であり、参加することが通常である人を示しますが、オブザーバーは同じ人が毎回参加するわけではありません。

なので、レギュラーとオブザーバーとは対極の立場と言えます。

スポーツでも、オブザーバーとレギュラーは対極にあります。
レギュラーはいつも参戦し主体となって戦う人ですが、オブザーバーは審判員の一員として、ルール違反がないかを見る、監視する立場ですが、毎回同じ人とは限りません。

ここでももまた、対義語と言えるでしょう。

オブザーバーは、会議によって権限に多少の違いはありますが、会議の行方を左右するような直接的な意見は言わず、あくまでも第三者の傍観者としての立ち位置にあります。

では、オブザーバーにはどういった人がなるのでしょうか？

オブザーバーがいる事で、会議がどう変わるのか、オブザーバーとして参加する事でどんなメリットがあるのかなどを見ていきましょう。

公平に進められているかを監視する

企業の会議の場合は社内外の上層部や、会議のテーマに沿った専門家が選任されることが多いようです。

これは、会議が密室の中で、一方に有利な形で進められることがないよう、不公平なく公平な判断がなされているかなどを監視する目的と言えるでしょう。

また、企業の規模が大きくなれば、会議における発言の責任も大きくなります。オブザーバーがいる事で、参加者は自分の発言に責任を持たざるを得ません。

オブザーバーには、会議の質を高めるという側面もあると言えるでしょう。

オブザーバーとして学ぶこともある

グループ会社や他の部署のスタッフ、新入社員などがオブザーバーとして参加することもあります。

自分が関係しない会議に参加できるのは勉強になる部分も多いですし、研修の一環して行われることもあるのではないでしょうか。

会社の会議から国連のような大きな会議まで、オブザーバーの果たす役割は低くはありません。

こうした第三者の目がある事で、会議に緊張感が生まれ、一方的な意見だけでなく幅広い意見が交換されることになります。

会議の質を深めるためにも、オブザーバーは重要な役割と言えるでしょう。

発言する機会はあっても、投票権や決定権を持たないオブザーバーが、なぜわざわざ会議に参加する必要性はあるのでしょうか？

そこで、なぜオブザーバーが会議などに必要とされるのかを調べてみました。

客観的な観点から物事を見れる

会議が白熱すればすればするほど、参加者の視野が狭くなり、時には論点が大きくずれてしまい、堂々巡りになることもあります。

そうした時に、議論を落ち着かせ、本来のレールに引き戻さなければなりません。

オブザーバーの大きな役割は、こうした時に発揮されるのではないでしょうか。当事者ばかりでは、どうしても常識に囚われたり、枠の中でしか考えられなくなると、会議の内容は広がりません。

参加者とは違う、客観的な観点から会議を見る事で、会議の流れを変える事もあります。
客観的な観点からの意見は、オブザーバーならではのものと言えます。

現状打開のきっかけとなることも

第三者の冷静な目、客観的な目は、こうした常識や枠に囚われる事がないので、会議が行き詰った時には、オブザーバーの冷静な一言が現状打開のきっかけとなる事もあります。

参加者だけでは見えてこない、客観的な意見、オブザーバーの役割はこうした時に発揮されると言えるでしょう。

公平な開かれた会議に貢献

会社の重要機密会議に、第三者であるオブザーバーを立ち会わせるのはなぜでしょうか？
それは、第三者の目で会議の流れや発言を監視する事で、会議の密室性を取り除かれ、開かれた会議となるからです。

身内だけの会議では、一方的な意見に偏る事がないとは言えません。

こうした時に、オブザーバーと言う第三者の目があれば、不正や不公平を指摘されることで、会議の透明性が増します。

社会の目としての役割もオブザーバーにはあると言えるでしょう。

オブザーバーとよく似た意味で使われているのがアドバイザーです。

しかし、オブザーバーとアドバイザーでは、同じ会議でも、参加する立場も果たす役割も大きく違ってきます。

そこでこの章では、オブザーバーとアドバイザーの違いを、それぞれどういう役割を果たしているのかを比較して、その違いを見ていきたいと思います。

アドバイザーとは

アドバイザーの元になる「アドバイス」には、助言、忠告といった意味があります。

アドバイザーとは、自分が持っているスキルや経験をもとに、相手に対し助言する人で、時に積極的に発言する事もあり、決して傍観者ではありません。

会議というのは、様々な意見を述べ合い、最終的な結論を出していく場です。
アドバイザーは専門的なスキルを持っている立場から、時には参加者以上に詳しい発言をすることもあります。

会議の内容が行き詰った時や方向性が違ってきた時はアドバイザーの出番です。

専門家として助言したり、時に苦言も含めて忠告し、会議を修正していく、それがアドバイザーの役割と言えるでしょう。

違いは意見を言えるか言えないか

オブザーバーとアドバイザーの大きな違いはそこにあるのでしょうか？

会議の進行に関与するような意見を言えるのがアドバイザーです。
これに対しオブザーバーは、あくまでも傍観者としての提案だけで、会議の行方を左右するような意見は言えません。

この、会議の行方を左右するような意見を、言えるか言えないかが、オブザーバーとアドバイザーの大きな違いなのです。

オブザーバーに求められるのは、あくまでも第三者としての客観的な目であり、アドバイザーに求められるのは専門的なスキルを持った意見です。

ここが大きな違いと言えるでしょう。

これまで、分かりづらかったオブザーバーの役割を見てきましたが、いかがでしたでしょうか？

ただ会議の行方を監視するだけでなく、会議の質を高めたり、内容を深めるためにも、オブザーバーは大きな役割を持っている事に驚いた人も多いのではないでしょうか。

第三者の客観的な目を取り入れることは会社の成長や信用が高まる事にも繋がります。

スポーツでも審判だけでなく、オブザーバーの目がある事でルール違反が見逃されることが少なくなり、円滑な運営に一役買っているのではないでしょうか。

オブザーバーは一見、地味な存在ですが、大切な役割を持つ存在と言えます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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