【ステークホルダーの意味とは】類語や例文についてご紹介します

「ステークホルダー」という言葉は聞いたことがあるでしょう。

けれど、正確な意味の説明を求められたら困ってしまう人は多いのではないでしょうか。

ビジネス用語としては押さえておきたい、ステークホルダーについて詳しく解説します。
 

ステークホルダーの意味

ステークホルダーとは、企業経営にかかわる利害関係者たちのことを指します。

株主はもちろん、経営者、従業員、顧客、取引先、そして金融機関、競合企業、行政機関、地域社会も含まれる言葉です。

最初にもお伝えしましたが、ステークホルダーはあくまでも利害関係者なので、これら複数のステークホルダー間の利害は必ずしも一致するとは限りません。

いえ、むしろ一致することは、ほぼないでしょう。

なぜなら、株主は株の値上がりや高い配当金を期待するでしょう。

そして、従業員は、給与や待遇のアップを期待します。

また、顧客側としては、品質が良くできるだけ安い商品やサービスを求めますし、金融機関としては滞りない返済や利息の支払いを求めるでしょう。

行政機関としては、法令順守や適正な納税を求めます。

このように、ステークホルダーとは、決して同じ目的をもったような同じ立場の人たちを指すのではなく、利害関係のある多くの人たちを指す言葉なのです。
 

ステークホルダーの類語

ステークホルダーの類語には、利害関係者、利害関係人、利益共有者、利害関係者などが挙げられます。
 

ステークホルダーの例文

ここでは、ステークホルダーの例文を敢えて2つご紹介します。

ステークホルダーとは複数の立場の人たちを指す言葉なので、例文の対象となっている人が誰なのか、というところまで正しく解釈していただきたいからです。

1．「株主総会で報告する内容は、ステークホルダーの理解が得られやすい表現を使いましょう」

この例文で使われているステークホルダーとは、言い換えれば株主です。

2．「ステークホルダーを重視しながら企業経営をします」この例文で使われているステークホルダーとは、ほぼ顧客のことを意味しているといえるでしょう。

解釈によっては、金融機関や行政機関などのことを指すケースもあるかもしれません。

ステークホルダーエンゲージメントとは、どのような意味の言葉なのでしょうか。

また、その具体例や重要性についても解説していきます。
 

ステークホルダーエンゲージメントとは？

ステークホルダーエンゲージメントとは、主に企業が活動または意思決定を行う際、ステークホルダーの立場を理解するために実施される取り組みのことを指します。

企業とステークホルダーの対話を指す「ステークホルダー・ダイアログ」はその取り組みの1つであり、他にも従業員向けのアンケートや、顧客からの問い合わせへの対応なども、ステークホルダーエンゲージメントに含まれているのです。
 

企業のステークホルダーエンゲージメントの具体例

すべてのステークホルダーエンゲージメントを挙げるときりがないので、代表的なものだけをご紹介しましょう。

株主に対しては株主総会、投資家に向けては説明会の実施などがあります。

顧客に対しては、お客様相談センターの設置、商品に関する情報提供などが、ステークホルダーエンゲージメントに当てはまります。

従業員に対しては、意識調査アンケートを行う、労使懇談会を開催するといったことがあるでしょう。
 

ステークホルダーエンゲージメントの重要性

ステークホルダーエンゲージメントは、まわりまわって従業員にフィードバックされ、従業員たちの意識を高めます。

自分たちの仕事に対して誇りをもつようになりますし、仕事に対するモチベーションも高まるでしょう。

つまり、企業が社会に役立つためにも、ステークホルダーエンゲージメントはとても重要なのです。

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ステークホルダーにはさまざまな立場の人たちが含まれていることが分かりましたが、それぞれの立場における利害関係について、詳しく見ていきましょう。
 

利害関係者である得意先とは？

得意先や顧客は、ステークホルダーのなかでも特に重視すべき立場の人たちです。

企業側としては得意先や顧客にはどんどん商品さサービスを利用してもらい、利益を上げたいというところが本音ですが、単に利益だけを追求していては、得意先や顧客との関係性が悪化してしまいます。

企業としては、まずはこれら得意先や顧客の考えを尊重し、満足度を高めることに力を注がなくてはなりません。

そして、そうすることで、お互いにとってメリットのある関係が築けるのです。
 

利害関係者である株主とは？

株主には「この事業、企業を支えたい」と思ってもらえるよう、事業の価値を高めることに注力する必要があります。

そうして企業側の利益が上がれば、株主への配当金も上がり、より強力な関係性を築き上げることができるようになっていきます。
 

利害関係者である従業員とは？

得意先や顧客と同じくらい重要な立場であるのが、従業員です。

従業員の立場を軽く考えてしまっていては、社員のモチベーションを保つことはできませんし、顧客の満足度も下がり、商品やサービスの提供もスムーズに行えなくなってしまいます。

企業側としては、従業員のワーク・ライフ・バランスを重視して、より良い関係を築いていけるように努力していくべきです。

冒頭からお伝えしている通り、ステークホルダーの範囲というものは非常に広く、すべてのステークホルダーの立場に立つことは容易ではありません。

そこで、捉え方のひとつとして、ステークホルダーを「直接的ステークホルダー」と「間接的ステークホルダー」にわける方法が挙げられますので、解説します。
 

直接的ステークホルダーとは？

直接的ステークホルダーとは、顧客や消費者、ユーザー、株主、従業員、取引先企業、金融機関といった、企業の経営規模や内容に対して絶対的な権限をもつ意思決定者、または、直接的な影響を受ける人や団体のことを指しています。
 

間接的ステークホルダーとは？

一方、間接的ステークホルダーとは、従業員の家族、労働組合、地域社会など、企業の経営規模や内容に対しては直接的に影響を与えない、また、直接的な影響を受けないといったような人や団体のことといった意味をもつ言葉です。
 

ステークホルダーに与える影響

ステークホルダーに与える影響としては「物理的影響」と「心理的影響」の2種類があります。

物理的影響としては、企業の売上や利益などの増減、そして役職や肩書の変化といったようなものが挙げられるのです。

一方、心理的影響は、ステークホルダーに与える喜怒哀楽を含んだ複雑な感情すべてを含みます。

客観的に認識することが難しいため、少しでも把握しようとするためには、心理的な影響を予測するほか、交流の機会を設ける、コミュニケーションツールを利用するといった取り組みが必要となります。

ステークホルダー分析が重要視されていますが、実際にどのようなことを分析していくことを意味しているのでしょうか。

また、その手順とは、どのようなものなのでしょう。
 

ステークホルダー分析とは？

企業側が考えた企画があるとする際、ステークホルダーへの影響度や関心度などから、属性を分析して、どのように働きかけると良いのかについて検討を行うことを、ステークホルダー分析といいます。
 

ステークホルダー分析の手順

まず、ステークホルダーの対象となる人をリストアップしていきます。

そしてそれぞれ、影響度と関心度がどの程度なのかを整理しましょう。

ここでの影響度とは、権限がどのくらいあるのかという要素であり、関心度とは、企業の企画に対してどの程度の理解があるのかといった要素のことをいいます。

そして、それぞれの人たちに、どのような働きかけをしていくべきか、ということを設計していくのです。
 

ステークホルダー分析の図

ステークホルダーはただリストとして紙などに書き出してもいいですし、マトリクス上で図として整理してもいいでしょう。

また、インターネット上にも、ステークホルダー分析用のテンプレートが配布されています。

ステークホルダーとはどういうものなのか、その意味や関係性などをまとめました。

ステークホルダーを意識するということは、企業を客観視できるいい機会でもあります。

特に管理職クラスの方は、定期的に振り返りながら日々の業務にあたっていけるといいでしょう。