
【メンタルモデルの意味とは】使い方や類義語も含めてご紹介
メンタルモデルとはどのような意味なのでしょうか。メンタルモデルは元々心理学で使われていたものであり、メンタルモデルという単語はビジネスシーンでも用いられます。今回の記事はメンタルモデルの意味と使い方や類義語も含めてご紹介いたします。この機にメンタルモデルの使い方をマスターしましょう。
「メンタルモデル」の意味とは?
人や物に対するイメージのこと
「メンタルモデル」とは認知心理学で使われる言葉で、簡単に言うと人や物、動物などに対して持っている無意識のイメージのことを指しています。
人は行動を選択するとき、意識するしないに関わらずこのメンタルモデルと照合しながら情報を処理しています。
例えば、誰しも常に「こうしたら相手は喜ぶな」「こう言ったら怒るな」という風に相手の感情や反応を予測してコミュニケーションをとっていると言えますし、これはすでに形成されたメンタルモデルに基づいていると言えるのです。
ビジネスでの意味は?
メンタルモデルという単語はビジネスシーンでも用いられますが、意味は元々心理学で使われていたものと同様で、それをビジネスの場に限定しているだけです。
仕事に役立てようとすれば、プレゼンや会議など、何かを説明したり主張したりするときに有効でしょう。
相手のことを良く知っていれば、それだけメンタルモデルが形成しやすくなりますので、より相手の心に響く主張を行えます。
ほかに、仕事仲間とのコミュニケーションにも有効です。人付き合いや世渡りの上手な人ほど多くの経験を積んで複数のメンタルモデルを形成しているのでしょう。
「メンタルモデル」の類義語
マインドセット
メンタルモデルの類義語に、「マインドセット」というものがあります。
この単語も同じく心理学から来ているもので、これまでに積んだ経験や受けた教育、持っている先入観などから作られる考えのことです。
例えば、悪いことをしてはいけないというのは教育により形成されたマインドセットと言えるでしょう。
こうした個人のマインドセットは周囲の人々にも影響を与えると言われています。
ビジネスの場においては、特にその部署や企画のリーダーのマインドセットがそのまま部下の心理状態に関わると言えますし、間接的に仕事の成果にも影響を及ぼすことになるのです。
あなたが人の上に立つポジションであれば、自己の内面を改めて見つめ直し、知ることが重要です。
こうすることでマインドセットを有効に切り替えることができ、仕事でもいい結果を残せるでしょう。
パラダイム
「パラダイム」は科学の分野で使われる単語です。ある時代、もしくはある分野における、規範的な考え方を意味します。
分かり切っている当たり前のこと、一般常識なども当てはまりますね。
ここで、天動説と地動説を巡る論争を例にすると分かりやすいでしょう。
16世紀まで天動説が支持されていたわけですから、16世紀までの時代と天文学という分野において、天動説はパラダイムだったのです。
しかし、やがてコペルニクスやガリレオが地動説を立証し、現在では常識となっている地動説がパラダイムになったのです。
このように、パラダイムが時代の移り変わりとともに変化することを「パラダイム・シフト」と言います。
「メンタルモデル」の例
日常生活でのメンタルモデル
メンタルモデルは日常生活でももちろん使われています。
人は常に情報を取り入れ、これまでの知識や経験を基に推測しながら処理を行います。
とある会社の上司と別々の部下が接するとき、一方の部下は厳しく怒られた経験から恐縮したり、またなにかミスを咎められるのではないかと恐れたりします。
しかし、もう一方の部下はこの上司を厳格だが能力のある人だと認めているため、尊敬の念を持って接することができるのです。
このように同じ対象であっても、人によって培ってきた経験が異なるため、真逆のメンタルモデルを形成することさえあるのです。
医療現場でのメンタルモデル
医療現場におけるメンタルモデルは効率よく医療行為をこなしていくためのファクターとして認識されています。
まず前提として、現場の医療従事者全員がメンタルモデルを共有しなくてはなりません。
そこで、頻回なコミュニケーションや定期的な会議、報告会が行われるのです。
患者一人ひとりの情報を共有しなければ最悪、医療ミスに発展してしまいますし、薬剤や検査に対する知識、手技も病院全体で認識を統一しなければいけません。
実際の医療現場でメンタルモデルという単語が出てくることはほとんどありませんが、経験上、知識や技術の共有やコミュニケーションの必要性は知られているのです。
「メンタルモデル」は最強の学習法
短期記憶と長期記憶
ここで、メンタルモデルを学習に生かす方法をお教えいたします。
まず、記憶について説明いたしますが、人間の記憶は大脳皮質が司る長期記憶と海馬が司る短期記憶に分けられます。
そして、長期記憶に限界はなく、記憶できる容量は無限とも言われているのです。
誰しも何かを思い出せない経験があると思いますが、これは記憶がなくなったわけではなく、長期記憶から取り出し、アウトプットすることができなくなっているだけというわけです。
よくおすすめされている勉強法は、一度にまとまった時間を取るのではなく、1時間ごとに小休憩をとったり、朝昼晩で小分けにしたりする時間配分法です。
これにより、短期記憶から長期記憶に移行する猶予を作ってあげるのです。
また、睡眠中に記憶は長期記憶として定着すると言われていますから、睡眠前に学習することや、起床後に思い出すこと、睡眠時間をきちんと取ることも重要です。
苦労して学習するとメンタルモデル化される
記憶についてご理解いただけたところで、メンタルモデルと勉強法を紐づけていきましょう。
悲しい出来事や楽しい思い出が鮮明にいつまでも残っているように、強い感情を伴うことは長期記憶として定着しやすく、メンタルモデルが形成されます。
このことから、何度もインプットとアウトプットを繰り返し、苦しい思いをしながら勉強することでより正確に覚えることができるのです。
つまり忘れたころに復習をするのが効果的なわけですが、エビングハウスの忘却曲線からもこのことは言えます。
物事同士を関連付ける方法も効果的な学習法です。
春と言われると当たり前に桜を連想するように、人の脳は刺激を受け取るとそれに関連した物事も想起します。
ですから、例えば英会話を学びたかったら洋楽や洋画に紐づけることで、単語や文法を丸暗記するよりも思い出しやすい記憶として定着するはずです。これもメンタルモデルの形成と言えます。
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まとめ
今回はメンタルモデルについて解説いたしました。元は心理学で使われていた言葉ですが、実は無意識のうちに誰しも日常で使っていたことがお判りいただけたでしょうか。
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