【円満退社は無理なのか】理由や方法を徹底解説

「立つ鳥跡を濁さず」という諺（ことわざ）があるように、日本人はその場を去る時にはなるべくキレイな状態で立ち去りたいと考える人が多いように思います。

他人のお宅にお邪魔した時や外食で訪れたお店の自分が座った席など。

シチュエーションはかなり異なりますが、勤めている会社を辞める時にも、なるべく円満に辞められるように心掛けます。

周囲の理解を得て、送る方も送られる方も、どちらも笑顔で別れる……そんな状態を円満退社と言います。

ですが、実際にはそんな気持ちよく退社できる人ばかりではありません。

現在の退職事情から、円満退社とは単なる理想像なのか、または実際に有り得ることなのか、検証していきたいと思います。
 

円満退社とは

円満退社をビジネス用語集の説明から抜粋させて頂くと

「これまで勤務してきた会社にて、お互いの納得・理解を形成し、スムーズな引継ぎを経るとともに後を濁さずに職を離れること」

とあります。

退職を申し出た時点で会社側が考えるのは、その人が今まで行っていた業務を今後もスムーズに進めていくことや退社することによって考えられる会社への損失です。

円満退社とは、会社へ損失を与えることなく、代わりの者もしくはキチンとした業務簡潔・引継ぎにて、自分が居なくなっても何ら問題が無い状況を作りあげ、同僚や上司といった現職の関係者が自分の退社を理解し、最後は笑顔で送り出してくれる状況のことです。

円満退社は無理な場合が多い

上記で説明した円満退社の風景、実際にはこんなにうまい具合に進むことは稀で、無理なことが多いと言えます。

自分が抜けたら今までやっていた業務は誰かが引き受けなくてはいけません。

業務に対する後任者として、会社が新たな人材を確保してくれるのがベストですが、多くの職場では現在勤務している人材から該当者を見つけ、割り当てます。

そうなると、必然的に任された人の業務は増えるわけです。

実際のところ何の問題もなく円満退社するというのには、なかなか難しいと言わざる負えません。

※参考:円満に転職をする秘訣

退社理由は人それぞれではありますが、共通して言えることは、退社の意志を会社に伝えるということは一大決心で伝えている、という点です。

人知れず悩んで決めた退社の意志を、周囲からの理解が得られないために断念する必要はありません。

必ずしも円満退社で無ければ退職することが出来ないという決まりはありません。

円満退社と退社理由、どちらに重きを置いて考える必要があるのか、それはあなた次第なのです。

退社理由の方がこれからの未来の自分のためと思うのであれば、円満退社にこだわっていつまでもその場に留まるのは、適切とは言えない行為でしょう。

会社に嫌がられても退社は可能

円満退社にこだわる必要はなく、もし会社側に嫌がられたとしても退社することは可能です。

会社の就業規則を確認し、その内容に違反する行為で無いのであれば、もし会社から嫌がられたとして問題はありませんので、退職手続きを進めていくことをおすすめします。

退社後の次の仕事に影響が及ぶことはない

円満退社では無かったからと言って、次の職場業務に差し障りがあるということはありません。

前職が次の職場の仕事に影響があるとすれば、それは円満退社かどうかでは無く、退職理由の方が関係してくると考えられるでしょう。

退職理由が、解雇や自己理由であっても問題になるような内容であれば、再就職活動の段階で支障が出てくるもことが予想されます。

新しい職場の業務に、円満退職で有るか否かは、直接関係することはありません

退社は割り切ることが大切！

退職によって、現職場になんらかの支障が出てくることは致し方ないことです。

退社後が全く気にならないと言えばウソになるかと思いますが、すでにその職場を離れることを決めたのであれば、必要以上に気に掛ける必要はありません。

職場に残っている段階で、出来る限り業務に支障が無い手配・手続などを行ったうえであれば、ある程度の割り切りは必要と言えるでしょう。

円満退社は難しく、ある程度は割り切る気持ちが大切とは言っても、出来る限り問題な今までの職場を後にしたいと願うことは当然の心情であると言えるでしょう。

ではどうすれば、なるべく円満退社することができるのでしょうか。

それぞれのシチュエーション別に、円満退社する方法について、具体例をあげて考えていきたいと思います。

パートから退社する

パートで働いている人は、主婦の人が多いかと思います。

パートの方が円満退社するために、退社理由が「主人の転勤で引越しする」などの家庭の事情や、「新しい資格にチャレンジしたい」などの前向きな理由であれば、円満退社できることが多いです。

また、退社理由が確定していないからと思って、直前まで会社側に伝えない人がいますが、退社する可能性が出てきた時点で直属の上司に相談しておくことをおすすめします。

その上で、ハッキリとした退社の意志が確定した時点で、改めて退社意志を報告しましょう。

退社意志を報告する時期の目安として、1か月前が基本です。

最低でも14日・2週間前までには報告するように心掛けましょう。

アパレル関係で退社する

アパレル関係者が退社する際にも、退社理由は”パートから退社する”の時と同様に、家庭の事情や前向きな理由の方が、角が立たず円満退社への道のりに繋がります。

また、アパレル関係者が退社する場合に大切にしたいのは、退社するタイミングです。

セール時期などの繁忙期に退社することになっては、どうしもて反感を買いがちなので、閑散期と呼ばれる時期に退社するよう、タイミングを測ることをおすすめします。

そして、退社を申し出る時期については、最低でも1か月前までには上司に伝えるようにしましょう。

理想は3ヶ月前くらいから、相談というかたちでもいいので、上司に退社の意志がある旨を伝えておくとよいでしょう。

アパレルで店舗スタッフの場合、基本的には人数に余裕がある状態ではない店舗がほとんどであり、ギリギリの人数で回しているという現状があります。

その中であなたが退社することとなれば、新たな人員確保が必要になることは必須です。

そのような背景も考慮すると、3ヶ月から1ヶ月前までに退社意志を伝えることは、円満退社にも繋がります。

生命保険会社から退社する

生命保険の営業職は2年以内の退社率が約8割と言われている、大変離職率の高い職種です。

ですが決して、離職率が高いからと言って、退社が容易にできるというわけではありません。

生命保険会社から退社する場合には、引継ぎ作業をしっかりと行うことが大切です。

引継ぎがおざなりだった場合には、社内だけではなく、保険を契約して頂いているお客様自身にもご迷惑をお掛けすることになってしまいます。

引継ぎ資料作成およびお客様への退社挨拶なども踏まえ、引継ぎ業務をしっかりと行うようにしましょう。

また、退社を告げるタイミングについては、なるべく早く伝えることがベストです。

他職と同じように1ヶ月前まで、または就業規則を確認の上、報告時期を調整しましょう。

退社理由は「家庭の事情などの止む負えない理由」「資格取得などの前向きな理由」の場合、現職場からも快く送り出してもらえることが多いものです。

ですが、そのような理由では無かった場合はどうすれば良いのでしょうか。

ウソをついてまで退社理由を伝えた方がよいのでしょうか。

正直に退社理由を伝える

会社が嫌だと思って辞める決意をする人も少なくはないでしょう。

その様なネガティブな理由を伝えて退社することは、たしかに円満退社の道を進むことは難しいかもしれません。

ですが、それも伝え方しだいで、逆に業務改善という良い結果を産む可能性もあります。

退社理由が決してポジティブな内容ではなくても、ウソをつくくらいであれば正直に伝えることをおすすめします。

ただし、伝える際には感情的にならず伝えるように心掛けましょう。

円満退社をするためにはどうすれば良いか、まとめました。

退社するという意志を伝えた時点で、その意志が個人的にはポジティブな内容であっても、会社にとってはマイナス要員です。

ですので、もし円満退社することが難しいと思えた場合には、ある程度割り切って進めていくことも必要なケースもあります。

円満退社できることに越したことはありませんが、新しい職場など次なるステップの準備ができているのなら、今の状況に捕らわれすぎずに、前向きに進んでいくことをおすすめします。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。