【フレックスタイム制とは】標準時間ってどのくらいななるの？

近年、会社が人材を選ぶという構造から、従業員が職場を選ぶという傾向が強くなってきました。
その結果、今まで通りの働き方を見直し、従業員の働きやすさに合わせて労働システムを変えていく企業が出てきました。

その中でも、従業員のライフスタイルに合わせて勤務時間を決めやすくなるシステムがフレックスタイム制です。

そこで、フレックスタイム制とはどのようなものなのか紹介していきます。

仕事におけるフレックスタイム制について

フレックスタイム制とは、労働時間を何時から何時までにするかを社員が決めることができる働き方のことです。

従来のサラリーマンのイメージは、月曜日から金曜日まで8時に仕事が始まって17時に仕事が終わるというように労働時間が固定で決められていました。

それに対してフレックスタイム制は、企業によって異なりますが、例えば1週間で合計40時間働けば何時に始業して何時に終業しても良いという仕組みです。

最長で1ヶ月間の労働時間で計算することができるのがフレックスタイム制になっています。

企業によってどのような働き方が適しているかが異なるので、ルールも異なります。

フレックスタイムによって、社員は自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。
さらに、企業側も社員が商談の時間に合わせて労働時間を決めやすくなるので、残業代の経費削減にもつながるというメリットがあります。

時間という大切な資源を自由に決めることができるフレックスタイム制ですが、業種によってこの制度を取り入れることが難しいことがあります。

しかし、それでもなお社員の時間の使い方が改善されるということで、導入している企業が増えているようです。

フレックスタイム制は労働時間を自由に決められる制度ですが、企業によって労働時間のルールが決められています。

ここでは、フレックスタイム制を理解する上で欠かせない標準時間とコアタイムについて紹介します。

フレックスタイム制の標準時間について

フレックスタイム制の標準時間とは、1日あたりの労働時間の目安です。

毎日、標準時間の長さ働けば、フレックスタイム制で定められている時間通りに働くことができるというものです。

例えば、週休2日で1週間40時間と決められている会社であれば、標準時間が8時間と設定されているようです。

しかし、この標準時間は必ず守らないといけないというものではなく、あくまで目安なので必ず標準時間通りに働かなくてはいけないというわけではありません。

フレックスタイム制のコアタイムについて

フレックスタイム制のコアタイムとは、必ず労働をしていないといけない時間帯です。

例えば、毎日13時から14時に社員ミーティングを行なっている会社であれば、この時間を必ず働いてないといけない時間としてコアタイムに設定することがあるようです。

コアタイムは、会社がフレックスタイム制を導入するときに決めておく必要があります。

毎日同じ時間でなくても、曜日ごとに異なる時間をコアタイムとして設定することも可能です。

しかしコアタイムがあまりに長い場合は、働いていないといけない時間が長くなります。
その結果、本来の社員が働く時間を選ぶことができるというフレックスタイム制のメリットが活かせないので、コアタイムを決めるときは注意が必要です。

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フレックスタイム制を取り入れる会社はもちろん、そのような会社で働く社員も知っておくべきことがこの制度のメリットとデメリットです。

フレックスタイム制のメリットについて

フレックスタイム制のメリットを以下に紹介します。

• 社員が一人一人のライフスタイルに合わせた働き方ができる
• 決められた労働時間で働けない優秀な人材を確保できる
• 仕事内容によって時間配分を決められるので、作業を効率よく行える

メリットに共通しているのが、個人が働く時間を選ぶことができるということです。

フレックスタイム制のデメリットについて

• 社員同士働く時間が異なるため、コミュニケーション不足になることがある
• 他の企業と取引をするときに担当者不在の場合、信頼を損ねることがある
• 自己管理をする必要があり、それができない社員は労働意欲が低下することがある

デメリットに共通しているのが、社員同士、会社同士の対人関係や管理の能力という部分です。

フレックスタイムといっても、労働時間内にすべての仕事を終えることができるわけではありません。

ここでは、フレックスタイム制での残業時間について紹介します。

フレックスタイム制での残業時間について

フレックスタイム制では、会社によって最長1ヶ月の中で何時間働くかが決められています。
その決められた時間よりも長く働いた場合、残業として計算されます。

例えば、1週間40時間の労働時間を会社で決めていた場合は、1週間で41時間以上働いた場合は残業扱いになります。

1日8時間以上働いている日があったとしても、合計の時間が40時間以内であれば残業にはならない点は注意が必要です。

また、22時から5時までの深夜の時間帯や法定休日の労働でも割増賃金での労働として扱われます。

フレックスタイム制での残業代について

フレックスタイム制での残業代は、時給計算で支払われます。
賃金で労働時間を割って1時間あたりの賃金を計算し、その時間分の残業代が支払われます。

また、それ以外に割増賃金分も加算して計算する必要があるので注意してください。

多くの企業でフレックスタイム制が取り入れられていますが、一方でフレックスタイム制を廃止したことで業績が向上したという企業が増えています。

ここでは、なぜフレックスタイム制を廃止する企業が増えているかを紹介していきます。

フレックスタイム制廃止に向かう理由について

フレックスタイム制のデメリットでも紹介しましたが、フレックスタイム制の働き方をする上で課題となるのが対人関係です。

いざ、早朝から打ち合わせをしたくても、他の社員がお昼のコアタイムからの出社をする場合は、それまで仕事が進みません。

社内コミュニケーションが円滑に行われなくなると、結果を出すまでに時間がかかり、会社の業績が悪化するケースが多いようです。

フレックスタイム制は社員が自分のライフスタイルに合わせて働ける分、社内のコミュニケーションが不足する可能性があるのが問題です。

また、フレックスタイム制を導入している会社で働いている方は、しっかりと賃金が支払われているか、自分自身でも計算をしてしっかりと行われているか確認しておきましょう。