【コンティンジェンシーの意味】ビジネス表現や使い方についてご紹介

コンティンジェンシーはビジネスでよく使われる言葉です。ビジネスでのコンティンジェンシーの意味や使い方について、詳しくご紹介します。
 

英語の「contingency」の意味について

 英語の「contingency」には、偶発、万一、不慮の事故といった意味があります。
 

ビジネスにおけるコンティンジェンシーの意味とは

ビジネスにおけるコンティンジェンシーも、英語の一般的な意味と同じような意味で使われます。

ビジネスにおける不慮の事故とは、つまり不測の事態、最悪なケースということです。

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ビジネスでは「コンティンジェンシープラン」や「コンティンジェンシー理論」「コンティジェンシー予備」といったかたちでコンティジェンシーという言葉が使われます。それぞれの意味や使い方を解説しましょう。
 

コンティンジェンシープラン

コンティンジェンシープランとは、起こりうる最悪のケースを想定して考える対処策や計画のことをいいます。

たとえば株価や為替の変動、企業の急激な売り上げ不振などを想定して立てられる対処策や計画のことです。

よく似ている言葉として「リスクマネジメント」がありますが、コンティンジェンシープランは、より継続を意識した規模の大きい対処策や計画のことを指します。
 

コンティンジェンシー理論

コンティンジェンシー理論は、日本語では「環境適応理論」といいます。

コンティンジェンシー理論は、世の中にはさまざまな経営環境があり、環境が変われば企業も変わるべきだという考えに基づいた理論です。
 

コンティンジェンシー予備

コンティンジェンシー予備とは、前もってリスクとして認識できない不測の事態が起きた場合に備えて用意された予備予算や期間のことをいいます。

将来に起こるできごとを想定して考えるものとしてBCPがあります。コンティンジェンシーとよく混同されやすいのですが、コンティンジェンシーとは異なるものですので、その違いをきちんと理解しておきましょう。

BCPとは

BCPは「事業継続計画」と訳すことができます。

そしてBCPとは、リスクが及ぼすであろう影響を最小限にとどめ、事業が中断してしまったとしても速やかに再開できるように考えられた行動計画のことをいいます。つまり、事業を継続させることに焦点を当てられている計画です。

BCPを考えるには、事業インパクト分析をおこない、組織の弱点を明らかにすることが必須となります。

共通点と相違点について

コンティンジェンシープランと共通している点は、事故や災害などのリスクを考え、その対策を立てておくという点です。

しかし、コンティンジェンシープランでは、事業インパクト分析は行うことはなく、継続すべき業務を決めます。

つまり、BCPは弱点である部分から優先的に対策を立てるのに対し、コンティンジェンシープランでは、重要な部分から優先的に対策を立てるのです。

コンティンジェンシープランの目的や策定のポイントとはどのようなものなのでしょうか。コンティンジェンシープランの重要性そして注意点についてご紹介します。
 

コンティンジェンシープランの目的とは

コンティンジェンシープランを立てる目的とは、不測の事態が起きた直後に適切に対応し、企業の被害を最小限に抑えることです。

そのため、コンティンジェンシープランは、最初に取り組むべき計画案として認識されています。
 

コンティンジェンシープラン策定のポイントとは

コンティンジェンシープランを策定する際のポイントは4つあります。1つずつみていきましょう。
 

1. 緊急事態を具体的に考える
   緊急事態が起こった時のことを漠然と考えるのではなく、具体的に起こりえる状況を考えて対策を立てることが重要です。
   
   例えば輸入業者の場合であれば、貨物船で商品を輸送中に停泊をしなければならなくなり、到着が1ヵ月遅くなった状況などを考えるのです。金融機関の場合は、顧客のデータが10万件も流出してしまい、クレームの電話が鳴りやまない状況が続いているといった場面を想定します。
    
2.  被害状況を予想する
   緊急事態として想定できる状況をもとにして、どのような被害が及ぶのかを予想します。
   
   会社にとって重要とされる書類や情報はどのようになるか、顧客や社員に被害は及ぶか、金銭的な損失はどのくらいになるのかといったことが挙げられます。
    
3.  優先順位を決定する
   コンティンジェンシープランで重要視されているのが、優先順位です。緊急事態が起こった直後、いくつもある「すべきこと」の中から最も重要なものから順に対応することが求められるからです。
    
4.  目標を経営者と社員で一致させておく
   コンティンジェンシープランは、経営者と社員が同じ考えをもち緊急事態を回避しようとすることを重要視しています。
   
   経営者はもちろん社員数名であっても、誰かが違う方向へ向かっていては、適切な対応ができないと考えるためです。

コンティンジェンシープランを構築する手順を解説します。コンティンジェンシープランを立てる際の見本として活用してください。
 

リスク調査＆基本方針を策定する

想定できるリスクをすべて洗い出し、整理していきます。

そして被害の規模や業務の優先順位を明確にし、コンティンジェンシープランの基本的な方針を決めていきます。
 

プランを立案する

コンティンジェンシープランの基本的な方針に基づき、対策を細かく詰めていきます。

緊急時の体制として、緊急連絡網などを作成しておくといいでしょう。また、対策については手順を文書化して、正式に立案しておくことも重要です。

そして教育や訓練をおこない、従業員にもコンティンジェンシープランを理解しておいてもらうようにします。
 

プランの維持と見直しを図る

会社の状況や時期によってリスクの種類や規模は異なってきます。

そして、これにより業務の優先順位も異なります。コンティンジェンシープランは1度立てれば終わりではなく、定期的に見直しをしていかなくてはなりません。

コンティンジェンシーの意味や、コンティンジェンシープランの使い方や作成手順について解説しました。

ビジネスに携わる人間として、言葉はもちろんコンティンジェンシープランの使い方などの知識はもっておく必要があります。きちんと理解しておきましょう。