会議の場でコスト削減の話題が上がったとき、取り上げられるのが「内製化」です。これと対になるのが「アウトソーシング」ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。今回はそれらを比較しつつ、実際に内製化を行っていくための課題や研修についてお伝えしたいと思います。
近年はインターネットの普及により「データ入力」や「システム構築」など、専門的な分野や単純作業をアウトソーシングすることで、業務効率化を図る企業が多いです。ですが、近年ではコスト削減の為に内製化を行う企業も増えてきています。内製化には、大きな問題もあり、内製化について理解しておく必要があります。
この章では、「内製化について」紹介します。
内製化は、これまで外注化していた業務を自社で行う事です。
また、内製化の範囲も企業によって様々で、システム構築など専門的分野のみ、専門家に業務委託している場合もあります。
内製化を行う1番の目的は「コスト削減」です。
また、内製化の目的はコスト削減のみではなく、自社で全ての業務を行えるように専門家の育成を行うことで、「新しい事業を展開する」といった狙いもあります。
アウトソーシングと内製化を比較した場合、一番大きいのは「コストを削減できる」といった部分があります。ですが、アウトソーシング(業務委託)を行えば行うほど、相手に支払う料金は大きくなります。また、システム構築やソフトウェア開発など、専門性が高いものは発生する費用も大きくなります。
他にも、急な変更などの対応を迫られた場合、アウトソーシングでは社内と比較して連絡がスムーズに取れない事が多いです。ですので、どの業務に対してアウトソーシングを行うのか、しっかりと考える必要があります。
業務効率化を図るために、アウトソーシングを行う企業も多いです。近年では、クラウドソーシングが増え簡単なルーティンワークから、専門性が高い業務までアウトソーシングで行う事ができます。
この章では、アウトソーシングのメリット・デメリットなどについて紹介します。
アウトソーシングとは「外注」の事を指します。「システム構築」や「ソフトウェアー開発」など専門分野のみをアウトソーシング(外注化)する企業も多いです。
また、データ入力など数が多い単純作業のみをアウトソーシングする企業もあります。
当然ですが、アウトソーシングを行った分だけの費用は発生します。ですが、自社内に専門知識がない場合、社員を教育するよりアウトソーシングで専門家に任せた方が費用面も作業効率も高いことが多いです。
アウトソーシングの費用は掛かってしまいますが、作業効率の向上を期待することができます。
アウトソーシング(外注化)のデメリットは、費用が掛かるという部分もありますが、1番大きいのは「自社社員が専門知識を覚える事ができない」という部分です。
アウトソーシングを行っている間は、自社社員が専門性が高い業務を行う必要がないので、覚える必要がありません。そうなると、アウトソーシングを取り入れている間、社員は専門知識を学ぶ機会はほとんどありません。
技術や特定分野のノウハウなどは企業の財産となります。専門分野の業務を全てアウトソーシングするのではなく、できる範囲で自社で行ったほうが、社員も成長するチャンスがあります。
内製化を行う事で、既存の業務以外に業務が増えて作業効率の悪化を考えるかもしれませんが、実はその逆です。
この章では、内製化を行う事で発生するメリットについて紹介します。
業務を外注している場合、急に修正依頼や変更依頼を受ける事があります。外部委託している場合は、委託先に連絡を行う必要がありますが、すぐに返事がくるとは限りません。
また、変更や修正内容が複雑だった場合、伝えるのも難しくなります。ですが、社内であれば内容が複雑になっても、話し合いなどを行う事で早期解決をする事が可能です。
万一、話しが食い違っていても社内であれば対応する事ができます。
内製化を行う最大の魅力はコスト削減です。内製化を行うことで、これまで外部に委託していた分の費用を払う必要がなくなります。
その分自社社員の育成などに力を入れる事ができます。
内製化を行うことで、社員の技術や知識を育てることができます。
アウトソーシングなど外注化してしまえば、自社内の社員を教育するコストは掛かりません。ですが、同時に外注化している部分の知識や技術は、身に付くことはありません。
社員を教育する手間は掛かりますが、内製化することは、外注化していた部分の技術や知識を身に付けることにつながります。
内製化はメリットばかりではありません。「内製化を行うには事前準備を行う必要がある」など、デメリットや手間が掛かる部分も多いです。
この章では「内製化のデメリットについて」紹介します。
社内の「誰を育成するか」という人材選定から、対象となった社員との打ち合わせなど、細かい調整を行う必要があります。また、今後専門性を活かした業務を行う場合、給与の相談などもあるかもしれません。
内製化を行うには、様々なところで調整を行う必要性がでてきます。
内製化を行う場合、外注化していた部分の業務を行える社員を育成する必要があります。
専門性が高い分野であればあるほど、知識や技術を取得するまでに時間が掛かり、簡単ではありません。また、社員を育成するだけではなく、内製化する業務を自社で行えるように設備投資やチーム編成など、軌道に乗せるまでの時間も必要になります。
さらに自分の業務を行いながら、学習をする必要があるので、社員自身のモチベーションも重要になってきます。
内製化を行う場合、「専門性知識を持った人材の採用」や「内製化に伴う人員選定」など人件費などの費用も発生します。また、人件費以外にも設備投資など、大きな費用が発生する可能性もあります。
専門性が高い設備を用意する場合、設備1つだけでも莫大な費用が発生する事もあり、判断に悩むことも多いです。
内製化は企業の未来を考えると、とても魅力的な取り組みです。ですが、「費用の問題」や「導入までの時間」を検討すると簡単に行えるものではありません。
この章では、「内製化の課題」などについて紹介します。
内製化を行う上で1番大きな課題は、「社員育成までの時間」と「人材の確保」です。
社員を育成する場合も、確実に社員が育ちきる保障もありません。また、教えてくれる専門性を持った人材も探す必要があり、最適な人材を簡単に見つける事はできません。
「社員を育成する時間」と「効率良く教えてくれる人材」の両方を行える企業は少なく、「内製化を行いたいができない」という企業の数が多いのが現状です。
業務委託だけではなく、研修自体を自社で行う研修内製化を行う企業も多くなりました。
自社で行う通常の業務を参考にして研修を行えるので、社員のイメージがしやすく自社固有の社内ニーズに合わせた研修を行うことができます。
研修内製化のメリットは
研修内製化のデメリットは
上記のようなメリット・デメリットがあります。
内製化を検討する場合、1番の問題は人材の確保です。「専門知識を持った人材を採用する」もしくは「人材を育てる」どちらを選択しても時間と費用が掛かります。
自社内で行う作業を「アウトソーシング」に頼りすぎるのを効率が悪いです。逆に、全ての業務を「内製化する」のも作業効率が悪くなり、コストも掛かり過ぎるため、オススメしません。
内製化やアウトソーシングを行う場合、発生する費用やプロジェクト期間など様々な事を考慮した上で、内製化するべく項目を決定することをオススメします。