
【リフレクションとは】振り返りとの違いや意味などを徹底解説
リフレクションという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。新入社員が入社したり、人事異動に伴い、仕事を教える、教わる際にリフレクションという言葉を耳にすることでしょう。リフレクションと振り返りを同じものであると思われがちですが、実際にリフレクションと振り返りは異なります。リフレクションと振り返りは似ていますが、どのようにことなるのでしょうか。今回はリフレクションについて解説します。
リフレクションについて
新入社員が入って来たり、新期を迎えるにあたって、人事異動に伴って新しい人が部署にはいってきたりと、ビジネスの現場では「教育」が多かれ少なかれ、その場所に適した内容で実施される季節です。
その中で、仕事を「教える」、「教わる」に際し、「リフレクション」というキーワードが出てくる事があります。今回は、この「リフレクション」という言葉について、説明していきます。
リフレクションとは
リフレクションとは、日本語で「内省すること」を意味します。
辞書で「内省」を調べると、「自分の考えや行動などを深くかえりみること。反省。「過去を内省する」」と出てきます。
このことをビジネスの場面に置き換えると、自分自身の業務姿勢(考え方)や業務フローなどを客観的に振返ってみて、見直すこととなります。
客観的に見つめ直すことで、上手くフローがまわっていない事も、上手くフローが回っていると思っていた事にでもムダがあったりなど、新たな「気づき」を経て、新たな行動へとつなげる未来志向の考え方として、「リフレクション」という人材育成の方法論が一般的に使われています。
リフレクションと振り返りは実は違うのか
リフレクションと振り返りは同じような解釈で捉えがちですが、実は少し意味合いが異なります。
振り返りは過去の行動や、活動、研修した内容などの見直し、振り返りで、その経験を活かして次のアクションに繋げる意味合いが強いです。
一方、リフレクションは、客観的な立ち位置に立って、自分自身の行動や活動、業務フローを見直し、新たな「気づき」を経て次のアクションに繋げるという意味合いが強くあります。
似ているようで、少し意味が異なります。
リフレクションの歴史について
リフレクションの歴史は、「デューイの実践的認識論」が考え方のルーツと言われています。
デューイは人が成長する過程にある「学び」を、トライ&エラーの繰返しから得られるような「経験からの学び」と、結果を狙って出す為に必要なトライ(実践や努力)をする「思考からの学び」の2種類に分けました。
そして、後者の「思考からの学び」が、Reflective Thinkingであるという事を示しました。
リフレクションと振り返りについて
リフレクションと振り返りについて、ここでは説明していきます。
リフレクションの3つの視点とは
リフレクションには3つの視点があります。
まず1つ目は「起こっている事象、事実についての振り返りです」これは実際に経験にした「現実の体験」それ以外ありませんので、客観的に装飾せず、また詳細に振り返る事が、高価的なリフレクションにつながります。
2つ目は「周囲の環境や状況、関わった人、周囲の人についての振り返り」です。
周囲の環境や、そこにいて関わっている人がどうであったかというところに焦点をあてて、1つ目の「起こっている事実」との因果関係についてを振り返ります。
3つ目は「自分自身についての振り返り」です。
その時、その場面で、その人に対してとった行動や言動が、正しかったのかどうかであったり、もっと良い対応ができたのではないかという振り返りと行うという視点です。
これは反省ではなく、今後に繋がるように自己を見つめ直すという事に繋げます。
リフレクションはどのような方法なのか
リフレクションは、具体的にどのような方法で確認していくのが良いか説明していきます。
第1ステップとしてはまず「リフレクションする事例を決定する」ことです。
ビジネスシーンであればどいうった仕事のことなのかであったり、どの商談のことなのかであったりと、具体的な仕事名で事例を決定する事が良いです。
第2ステップは「決定した事例を工程ごとに分けて、客観的に振り返る」ことを行い、第3ステップで「工程ごとに、実施した行動、発言をまとめ、また他に実施できたのではないかと考えられる事を抽出する」事を行います。
そして最終ステップの第4ステップで「次回での最適な方法・手段を考える」ことでクロージングします。
誤ったリフレクションの方法とは
リフレクションで誤った方法は、「反省」ばかりしてしまう事や、自身の行動を客観視して振り返るのではなく、周囲の人の行動や、変えられない環境や受け入れなければならない環境や状況ばかりに目がいき、その点に焦点をあてる方法は誤まった方法といえます。
自身が変えられる事で成長を見出す事ができる方法でリフレクションは行うようにしなければなりません。
リフレクションと研修について
リフレクションと研修について、ここでは説明します。
リフレクションの経験学習モデルについて
「経験学習モデル」とは、デービッド・コルブという人が提唱した、「経験から学び、成長するプロセス」の手法です。
解釈としては言葉の通り、「経験を通じて学び成長する」ことにありますが、プロセスを工程ごとに細分化して説明しますと以下のようになります。
- 「経験」:まずは具体的経験をする。
- 「リフレクション」:具体的経験からリフレクションを行う。
- 「概念化」:具体的経験をリフレクションする事により学習し、そこから分析を行うことで概念にしていきます。概念化する事で、経験からの自分ルール、持論に落ちる事で、自身に定着します。
- 「実践」:概念化した新しい考え方を実践で試みて、再現できるかを検証します。再現できれば、それは自身の1つの事象に対する決断力や問題解決力が経験学習モデルによってスキルアップしたといえます。
リフレクションのダブルループ学習について
「ダブルループ学習」とは、新たな考え方や知識を持って、目的を達成する為の行動として、前提となっていること(従来からのやり方など)についても疑問に持ち、そもそもの概念から見直しを行い、目的達成の為に、新たな行動や手法をあみだす学習方法です。
ダブルループ学習で新たに生まれた手法等をシングルループ学習により標準化を行います。
リフレクションのジョハリの窓について
「ジョハリの窓」とはコミュニケーション心理学者のジョセフとハリーという人が、人がコミュニケーションを行う上で、どの程度の自己開示をしているかという事を提唱した考え方です。
- 自分も他人もわかっている「開放の窓」
自分自身が認識している自分と、他人からみたときの自分が一致している状態です。
- 他人にはわかっている「盲点の窓」
他人からは見えているが、自分自身が認識していない状態。
- 自分だけがわかっている「秘密の窓」
他人には決してみせない(見せられない)自分だけが認識している側面。
- 他人も自分もわかっていない「未知の窓」
他人にも見えていないし、自分自身でも認識していない側面です。
リフレクションレポートについて
リフレクションレポートについてここでは説明していきます。
リフレクションレポートとは?
リフレクションレポートとは、その名の通り、リフレクションした内容を整理する為に行うレポートです。
頭の中だけでリフレクションしたとしても中々整理しきれないものです。
①事象・経験の書き出し②周囲の状況・人の書き出し③自身の振り返りについての書き出しを行って、リフレクションの記録をノウハウにかえるよう、レポートとします。
リフレクションレポートの書き方について
リフレクションレポートの書き方は前述した「リフレクションの3つの視点」と「リフレクションの方法」によって構成します。
- 経験・事象の事例
- 周囲の状況や環境・関連する人
- 自身の振り返り
上記の1〜3を工程ごとにわけて、客観的に振り返ります。
そして、最適な方法がなんであったかを「まとめ」とし、明日以降の自身の実践に活かすようにします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はリフレクションと振り返りについてご紹介しました。
リフレクションと振り返りについて、今回の記事で理解を深めて頂ければ幸いです。
最後に、JobQで投稿された質問も併せて見てみましょう。
職場でよく使われるビジネス用語は何ですか?
私自身、カタカナのビジネス用語に詳しくないのですが、転職先でそういった用語を使う人がとても多いです。
正直、日本語でいいのに…と思うことが多いのですが、郷に入りては郷に従えということで、必死に覚えている最中です。
こんなに毎日カタカナ用語が飛び交う弊社は特殊なのかな…と思ったりもするのですが、皆さんの会社はどうですか?
良く使われている用語があれば教えてください。
カタカナ用語が飛び交うのはかなり特殊だと思います。
業界によっては、さらに英単語が飛び交うのが日常茶飯事で、私も覚えるのが付いていくのが必死です。 それに…続きを見る
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