【マミートラックの意味とは】転職との関係について解説

マミートラックとは？

育児と仕事を両立する女性のための働き方のひとつとして、「マミートラック」と呼ばれるものがあります。これは、産休・育休後に職場復帰したが、育児や家事のために残業や転勤ができず、

それが原因で男性より劣った待遇にならざるを得ない状況を表したものです。ここで言うトラックとは陸上競技などで使われるトラックそのものですので、

ひたすら同じ道をぐるぐると走っているような状況を比喩してマミートラックという言葉が生まれたのです。

マミートラックの落とし穴について

一般的に、企業は従業員の勤続年数や年齢、能力に応じて昇進・昇格を行います。

ところが、女性のなかには育児や家事などの制約により企業側の求める労働力を提供できない場合があるのです。こうした女性はほかの従業員に比べて昇給・昇格がしにくく、

さらに仕事の内容まで制限されてしまいます。家事・育児と仕事を両立できるものの、一般的なキャリアコースを通れないというのがマミートラックのデメリットでしょう。

マミートラックに対する企業の取り組み事例

望まないうちにマミートラックに当てはまってしまう女性を支援するため、取り組みを行う企業も増えてきています。

例えば、フルタイムで働くことができない女性に対しても他の従業員と同様に昇進・昇格のチャンスを与える、などです。

他にも、在宅勤務制やフレックスタイム制を導入している企業も多く、時間の融通が利くようになっています。

マミートラックの家事と仕事の両立について

マミートラックに乗っているということは、それだけ労働時間が短く、家事に割ける時間が多いということです。

やはり、ここが一番のメリットでしょう。保育園や幼稚園を活用したり、家族や兄弟の援助があったりする家庭はマミートラックに乗るメリットをあまり感じられないかもしれません。

しかし、こうした支援を一切受けられない状況で会社勤めをしている女性からすれば、労働時間の短縮をはじめとした子育て支援は大変重要なものなのです。

マミートラックと仲間関係について

人間関係がよく、周囲の理解を得られる職場であれば、仕事の内容や時間について常に気を配ってくれるでしょう。

中には仕事内容や労働時間に関する配慮がありがたい反面、特別扱いされているようで心苦しいと考える人もいるかもしれません。そのようなとき、周囲の暖かな気配りがあれば安心して働くことができるのです。

マミートラックの負担減について

一般の従業員にとっては何でもないようなことでも、子育てや家事を両立させなければならない女性にとっては負担になることもあります。

仕事から帰っても子どもの世話や家事が山ほどあり、十分に休息を取れていないかもしれません。こうした状況が続けば、精神的にも肉体的にもストレスになります。

マミートラックに乗ることで仕事によるストレスが軽減され、余裕を持って家のことに取り組めるのです。

マミートラックのやりがいについて

仕事内容が簡単になったり、時間が短縮されたりすることで負担は軽くなるかもしれません。ただし、その分仕事のやりがいを失ってしまったという人もいるようです。

例えば、職場復帰したが事務系の簡単な仕事しか任されず、働く楽しさがなくなってしまったという意見も耳にします。

ただし、仕事に割ける時間や体力が少なくなったわけですから、仕方がないのかもしれません。

マミートラックの昇進や昇給、給与について

マミートラックに乗った女性の不満のうち、最たるものが昇給や昇格、給料に関するものでしょう。

仕事内容が簡単になることや労働時間が少なくなることがマミートラックのメリットであるとすでに紹介いたしましたが、これはそれだけ従業員としての価値が低くなるということなのです。

家事・育児の合間を縫って働き続けても給料は変わらず、昇進することも望めない、変わらない状況下でひたすら働くだけの毎日に嫌気がさす人も多いのでしょう。

育児後のマミートラックについて

出産からある程度時間がたち、家事や育児よりも仕事を優先できるようになってもマミートラックから抜け出せないというケースもあるようです。

職場復帰後からずっと単調な仕事を続けていたため、育児が落ち着いたからといって今更責任のある仕事を任せられないと判断されてしまうためでしょう。

マミートラックに乗ると給与や役職が下がることがありますが、復帰してから何年たってもそのままというケースも少なくないのです。

マミートラックによる転職が難しい？

一度マミートラックに乗ってしまうと、他の従業員に比べてこなす仕事量が減りますし、さらに内容もレベルの低いものになりがちです。

つまり、時間がたてばたつほどこれまで持っていた技術や知識は衰えていくのです。転職しようにも仕事にブランクがあると捉えられてしまいますし、

雇用しても育児や家事で休まれたり、すぐに産休に入られたりしてしまうのではないかと不安がられてしまいます。

ワーキングマザーの転職ポイントについて

転職先を選ぶ際、まだ子育てが落ち着いていない場合はきちんと配慮してくれる会社を選びましょう。出来るだけ早めに小さい子どもがいることは伝えたほうが良いですし、

それと一緒に時短を希望する旨や、仕事上何ができて何ができないかも報告しておきましょう。せっかく新しい会社で働き始めても、結局仕事と家事・育児が両立できないなんてことになりかねません。

ワーキングマザーの転職しやすいタイミングは？

転職するにも、子どもの都合を考えなくてはなりませんから最適なタイミングがあります。

特に、３歳の幼稚園入園児、６歳の小学校入学時、10歳の子供が高学年になるとき、13歳の中学校入学時がちょうどよいタイミングでしょう。

幼稚園や小学校に入ってしまえば子どもが通園、通学している時間を仕事に充てられますし、時短勤務が終わるころに迎えに行けます。

また、10歳を超えて一人でも問題なく生活できるようになれば、フルタイムで働くことも可能となるのです。

今回は家事と育児をしながら働く女性が陥りやすいマミートラックについて解説いたしました。

メリットがある反面、デメリットもあるということをご理解いただけましたでしょうか。