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【取締役の競業避止義務とは?】具体例や罰則についてご紹介

皆さんは「競業避止義務」という言葉をご存知ですか?これは自分が働いている会社で得た知識やノウハウを使い、働いている会社の営業妨害や不利益をもたらさないという義務です。今回は、実際にどんなポイントが競業避止義務に反するのかや、違反した際の罰則などを詳しくまとめています。ぜひ一度目を通してみてください。

取締役の競業避止義務とは?

最近は競業避止義務という言葉を聞く機会がありますが、どのような内容なのか詳細がわかりづらい言葉です。ここでは競業避止義務の意味と違反をした場合の罰則、具体的な判例についてご紹介します。


○そもそも競業とは

競業とは法律用語になります。自分自身が働いている会社と競合が起こることを指します。具体的には働いている会社の営業を妨害したり不利益をもたらすことです。

特に転職を伴う場合に競業が起こることがよくあります。通常は社員に対して退職ののちに同業他社で働くことはある一定期間認めないような誓約書を求めることが多いです。

 

○取締役の競業避止義務について

取締役の競業避止義務とは、自分自身が働いている会社で得た知識や営業ノウハウを他の会社に提供したり自ら起業したりしないという義務です。

取締役という立場は会社経営層にあたり、会社の機密情報や重要顧客情報、機密技術など経営に大きく影響を与えるものを知っている立場になります。

取締役の知り得る情報が他に漏れることは会社が多大な損失に直結するわけです。

関連相談

どんな業務が競業に該当する?

○競業にあたる例とは

携帯電話販売店を例に挙げてみます。携帯電話販売店の役員でありながら、自分自身にて携帯電話販売店を起業してビジネスを開始する場合は競業にあたります。

もう一つわかりやすい例を挙げるとすると飲食業でしょう。

焼き鳥屋で働いている店長が、隣町にオープンする店長兼取締役として抜擢される場合、得意先顧客が流れる可能性が高いですし、隣町というエリアの特性もあり最初に働いている焼き鳥屋に大きな営業損害を与える可能性があるため競業にあたります。

これは販売店や飲食業だけでなくサービス業、製造業などそのほかの業種にも当てはまります。

 

○競業かどうかを見分けるポイントは?

競業かどうかを見分けるポイントとしては現時点でだけでなく、将来にわたって現在所属している会社に営業上のデメリットを与えるかどうかを考える必要があります。

例えば自分自身が働いている場所が東京で、会社を起業しようと思っている場所が大阪だから問題ないのではと思うかもしれませんが、現在所属している会社が大阪に出店計画をしていたり、顧客が大阪の方が多いなど客観的事実があると競業にあたります。

取締役の競業行為が発覚した場合の罰則とは

○損害賠償請求

取締役の競業行為が発覚した場合は会社が損害賠償請求を行うことができます。会社に対する損害額を算出することは非常に難しいですが、取締役が競業行為で得た利益の一部は損害額であると請求することはできるでしょう。

このような損害賠償請求を避けるために、取締役は競業行為に当たるかもしれないことをする場合は事前に取締役会に付議して決裁を受けておくことが大切です。

 

○違法行為差止請求

取締役が行なっている競業を違法行為として取りやめさせることを違法行為差止請求といいます。これは取締役だけに限らず会社に損害を与えたり与える可能性のある人は誰に対しても訴訟することができます。

裁判の判決の結果次第なので必ず違法と思われる行為を即刻でやめさせることができるとは言えませんが、訴えることで牽制になることは間違いありません。

こんな場合はどうなる?

○取締役が退職後でも競業避止義務はある?

取締役が退職後でも競業避止義務を負うことはあります。退職後に自分自身で同業の会社を経営したとしたら、これまで勤務していた会社に影響を与えるため、前会社が競業避止義務の誓約書を退職時にサインさせることもあります。

もし同業他社に転職する場合でも円満退職ができるように出来るだけ誠意を持って説明や手続きを踏むことが大切です。退職する理由を真摯に正直に話しキャリアを積んでいきたいという前向きなことで説明をすれば会社側も納得して退職することを受け入れてくれるでしょう。

決して現在の会社の文句や悪口を伝えることは退職することにプラスになりませんし、後々トラブルになることがありますので注意がいるでしょう。
 

○社外取締役でも競業避止義務は生じる?

社外取締役でも取締役と同様、競業避止義務は生じます。

よって社外取締役になる場合もこれまでの自分自身の経歴や、現在就任している役職などを勘案して就任できるかどうか検討をすることが大切です。

取締役の競業避止義務に関する具体的な判例について

○東京リーガルマインド事件

東京リーガルマインド事件とは、司法試験予備校の東京リーガルマインドの専任講師で監査役であった社員が、退職ののちに自分自身で設立していた司法試験受験指導を行う会社を開業したことに対し、競業避止義務違反であると訴訟された判例です。

判決は競業禁止の合理的な理由が不明であり、退職者が受ける不利益に十分対応していないことから監査役と会社との退職時の誓約書は無効となりました。

 

○フォセコ・リミテッド・ジャパン事件

フォセコ・リミテッド・ジャパン事件とは、金属の鋳造に使用する化学物質の製造販売をする会社の研究部門の社員が競合会社に取締役として働き始めたことが、競業避止義務違反であると訴訟された判例です。

技術部門で重要秘密技術に関与していた2名であったこと、機密保持手当を支給されていて退職後2年間同業他社に直接、間接に関与しないという誓約書があったことを勘案し、競業避止義務違反にあたるとなった判例になります。

 

○三晃社事件

三晃社事件とは退職をする社員が、同業他社に転職した場合は退職金が半分になるという就業規定を知っていながら全額を受領して退職をしました。

その後同業他社に勤務していることが発覚したため、会社側が退職金の半分の返還を求めた訴訟になります。

判決は地裁では会社の主張が認められませんでしたが、高裁、最高裁では一転会社の主張が認められる形になりました。

まとめ

ここでは競業避止義務の意味と違反をした場合の罰則、具体的な判例についてご紹介してきましたが、転職を考えている人で詳細を知りたい人は転職エージェントに相談をしてみましょう。

転職エージェントは競業避止義務違反について詳しいですし、最新情報を持っています。

登録は無料ですので是非連絡をしてみてください。

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