
【アクションラーニングとは?】注目されている理由やメリット・デメリット
皆さんは「アクションラーニング」という言葉をご存知ですか?課題や問題に対して、グループで対策や対応をしながら解決方法を打ち出していくスタイルのことを言います。今回は、実際のアクションラーニングの進め方や導入事例を詳しく解説していきます。ぜひ一度読んでみてください。
アクションラーニングとは?
企業における新しい学習システムとして知られる「アクションラーニング」。これまでのOJTような学習方法とは全く違う、学び続ける学習法として知られています。具体的に、アクションラーニングとはどのようなものなのでしょうか。
アクションラーニングの意味
アクションラーニングは、人材育成の方法として米国で盛んになった手法で、行動を起こしながら個人や組織の学習につなげていくというものです。現実のビジネスにおいて起こっている課題や問題に対して、グループで対策・対応を検討しながら解決方法を打ち出していくというスタイルです。
アクションラーニングの歴史的背景
アクションラーニングは1930年代に開発されて以来、様々な研究者によってその手法は洗練されて行きました。
1980年代に米国で盛んに利用され、2000年代には世界アクションラーニング機構の働きもあってNPOや政府機関、大学内にも浸透しています。
アクションラーニングとアクティブラーニングの違い
名前の似ている「アクションラーニング」と「アクティブラーニング」ですが、アクティブラーニングは「能動的学習型授業」、アクションラーニングは「質問会議」と日本語訳されます。
アクティブラーニングはケーススタディを取り入れた授業形式で、アクティブラーニング講師がついて指導していることを基本としています。一方アクションブラーニングは会議形式なので、実際にグループを作り、学習者が意見を出し合う議論を中心としたものです。
アクションラーニングの進め方
ではアクションラーニングはどのように進めていくものなのでしょうか。アクションラーニングの手順についてご紹介します。
問題の認識と共有。目標を設定する
まずは問題内容の把握とチームメンバー間での共有を行います。ビジネスで実際にあったことから問題を抽出することになります。
例えば「新しい商品を売り込みする」というケースにおいて、実際どのような交渉が行われたかを検証し、「なぜ?」というキーワードで分析していくことになります。実際のケース(既に結論は出ている)を検証し、問題点を抽出することにより、このケースにおける最善の答えを導き出します。
この「最善の答え」を教訓として、自分の業務に当てはめて検証していきます。このとき、「最善の策を講じればこのようになるはずだ」という予測が立ちますから、それを目標として設定します。
計画を実行し振り返る
皆で導き出した「教訓」がどのように働いたかを実際の業務で検証していくことになります。「最善策であるAという方法で売り込みをすればBという結果が出るはずだったのに、別の結果が出た」という場合には、改めて検証が必要になります。
アクションラーニングの導入におすすめの企業とは?
現在就業している業務において、アクションラーニングを導入しづらいと感じている人もいるかもしれません。ではこれまでにどのような企業で、どのような導入事例があるのでしょうか。
アクションラーニングの導入事例
日本アクションラーニング協会が行っている「アクションラーニング優秀プログラム賞」を2016年に受賞した株式会社 日立情報通信エンジニアリング(日立コンピュータ機器株式会社と日立情報通信エンジニアリング株式会社が合併してできた新会社)の事例を紹介します。
日立情報通信エンジニアリングでは、社員のおよそ10%にあたる本部長、部長、課長、技師・主任相当職に該当する社員がアクションラーニングのプログラムを受講しています。その結果、新会社としての一体感 を醸成することができ、今後は多様性を活かしたイノベーションの促進が期待されています。
アクティブラーニングは一般的に「人材育成」「自発的行動力の育成」を目指している企業にお勧めですが、会社や部署としての一体感を作り上げたり、新しい視点でのイノベーションも期待できます。
アクションラーニングの研修事例
アクションラーニングを学ぶ研修では、まずアクションラーニングとは何ぞやという勉強を行います。アクションラーニングには専門家であるアクションラーニングコーチがいます。コーチの指導を受けながら行うのが多くの研修のスタイルです。
座学を行った後はグループで研修を進めていきます。特定の事例を基にするもしくは模擬的なビジネスシーンを参加者に見てもらい、問題の認識と共有、目標を設定します。「事例の共有」「 論点のレビュー」「 教訓の抽出」を行い、それを各自持ち帰り教訓を生かして業務を行います。
一定期間ののち再びメンバーが集まって、その教訓がどう生きたか、どのような反応が返ってきたか、本質的な課題はなんであったかを話し合います。
アクションラーニングが注目される理由
このように2000年代に入って日本でアクションラーニングが注目されるようになったのはなぜなのでしょうか。メリットとデメリットを紹介していきます。
アクションラーニングのメリット
ビジネス書を読んだりしても身につかないことを学べるのがアクションラーニングのメリットです。現在は情報技術の発達によって、ビジネスの環境が恐ろしいほどの速さで変わっていきます。そのため「以前の情報や経験が参考にならない」ケースも多々あります。
このような状況においてアクションラーニングは有効です。正解のない問題に対して「最善の方法を模索する」という問題解決能力の向上に役立ちます。
アクションラーニングのデメリット
アクションラーニングは長期的にみると非常に有効ですが、1度や2度研修を受けたからといって一長一短に身につくものではありません。アクションラーニングのデメリットは、結果が出るまでに長い時間がかかってしまうことだといえるでしょう。
アクションラーニングに参考になる本
「アクションラーニングに興味があるが研修を受けるのはちょっと…」という人には、まずはビジネス書を読んでみることをお勧めします。「アクションラーニング活用術」という書籍は、アクションラーニングの概要をとらえるのに最適です。
アクションラーニング活用術の要約
アクションラーニングに関する記述だけではなく、ビジネスリーダーとしての基本的な考え方や経営に関する基礎知識についても言及されています。
アクションラーニングにかかる日数や手順のほか、グローバルリーダー向けと戦略立案者向けに分かれており、特に戦略立案者向けは非常に細かくステップ化し解説されています。
アクションラーニング活用術のアマゾンの価格
2160円という価格ながらたくさんの要素が盛り込まれている本書は、グローバル・ビジネスリーダー候補の管理職から教育担当部門まで幅広い層で「指南書」として利用できます。
まとめ
アクションラーニングは「ベストな方法を模索していくことができる人を育てる」という現代のビジネス環境において必要とされている人材育成に活かすことができます。
企業内で「アクションラーニングの授業を受けたい人を募集している」ケースもありますので、見かけたらぜひ受講してみてくださいね。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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