
【デュアルシステムの意味とは?】対象年齢やメリットなどご紹介
デュアルシステムの意味とは、どのような意味でしょうか。会社で、コミュニケーションを取る時によくビジネス用語を交えて会話する事が多いのではないでしょうか。しかし、会話の中でそのビジネス用語が分からず、結局何を言っているか分からなかった経験がある方も少なくないでしょう。今回はデュアルシステムの意味についてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?
デュアルシステムとはどういう意味か
デュアルシステムという言葉をご存知ですか。あまり聞き慣れない言葉ですよね。
また、IT用語と職業用語では意味も違ってくるのです。
デュアルシステムのデュアルとはどういう意味か
デュアルシステムのデュアルとは、「2つ」という意味です。簡単に言えば、2台のパソコンで同じ処理をさせている。
これはなぜかというと、1台が故障しても安心だから、2台の集計結果が同じであれば問題がないと確信できるからです。
この、安心感を得るために2台のパソコンに同じ処理をさせている状態、これがデュアルシステムです。
IT用語と職業用語で意味が異なる
デュアルシステムが「2台のパソコンに同じ作業をさせること」だと意味しているのは、IT用語のデュアルシステムの場合です。
職業用語のデュアルシステムでは、また意味が異なります。
職業用語での意味は、たとえば「職業能力開発施設の座学と、企業においての実習という2つのカリキュラムを並行して行う職業訓練」のことを指します。
職業用語の日本版デュアルシステムとは?
職業用語の日本語版デュアルシステムとは、どのようにして生まれた言葉で、どのようなものを指すのでしょうか。
デュアルシステムはどこで生まれたのか?
職業用語である日本語版デュアルシステムは、ドイツで生まれました。
ドイツでは、企業と職業訓練契約を結ぶために、訓練生として、企業とパートタイムの職業学校の両方を受講しています。
また、この期間は訓練生手当が支給され、社会保障制度にも加入することができます。
デュアルシステムは厚生労働省と文部科学省の施策である
デュアルシステムが導入された背景としては、高卒者の就職難や、1900年以降増加し続けているフリーターやニートへの対策が必要になった状況があります。
厚生労働省では、教育訓練機関として「公共職業能力開発施設」「専修学校」「訓練認定校」を用意し、1~2年の企業実習を実施するとし、40歳までのフリーターやニートを対象に実施しています。
一方、文部科学省では、専門高校の中からモデル校を選択し、学校で講義を受けながら数週間ほどの企業実習を受ける職業教育を実施しています。
日本版デュアルシステムの概要とは?
日本語版デュアルシステムを簡単に言えば、「若年者の自立や挑戦を促すプラン」ですやる気のある若者を対象に、職業的な自立を促しています。
デュアルシステムの対象、対象年齢、実施場所とは?
日本語版デュアルシステムは、誰でも対象者となることができるのでしょうか。
また、どのようなところで実施されるのでしょうか。
日本版デュアルシステムの対象者とは
日本語版デュアルシステムの対象者は、40歳未満の若者である場合が多いです。
なかには35歳未満が対象となっているところもあるようですが、35歳未満であってもパートまたはアルバイトといったような不安定な仕事にばかり就いているような場合は、この日本語版デュアルシステムを受けられる可能性がありますので、問い合わせてみる価値はあります。
また、正社員として働いた経験があるにもかかわらず、何らかの理由で退職をし、その後アルバイトなどで生計を立てているといったケースも対象とみなされます。
日本版デュアルシステムの対象年齢とは
今お話したように、40歳未満、場合によっては35歳未満が対象年齢の上限となります。
では、下限は何歳になるのかというと、学生は対象になりません。
つまり、高校生、専門学生、大学生は、日本語版デュアルシステムの対象者とはいえないのです。
日本版デュアルシステムはどこで実施するか
日本語版デュアルシステムは、以下の3つの場所で実施されます。
1.民間の専門学校
民間の専門学校で行われるものは、主に若年層向けです。
訓練期間は4~5ヶ月で、最初に座学を、そして残りの期間は企業にて実習をうけるかたちになります。
民間の専門学校で行われるものは自習機関が短く、日本語版デュアルシステムとは名目ばかりで、実質的には「訓練の組み合わせ」としかいえないような内容になっています。
2.ポリテクカレッジ
ポリテクカレッジでのデュアルシステムとは、「独立行政法人高齢、障害、求職者雇用支援機構(JEED)」が運営をする施設です。
このポリテクカレッジでの訓練期間は2年ほどで、座学や企業での実習に加え、有期パート雇用の実習も行われます。
有期パート雇用の間は、実際に収入をもらいつつ、企業実習よりも実践的なスキルや知識を身につけることができます。
3.ポリテクセンターまたは技術専門校
ポリテクセンターでのデュアルシステムとは、「独立行政法人高齢、障害、求職者雇用支援機構(JEED)」が運営を施設です。
一方、技術専門校でのデュアルシステムとは、都道府県が運営しています。
期間は半年のものもあれば1年半ほどのものもあり、企業での実習や有期パート雇用の期間もさまざまです。その中から自分に合ったものを選びます。
デュアルシステムのメリットとは
そもそもデュアルシステムのメリットは何なのでしょうか。
具体的に3つのメリットをご紹介します。
優秀な人材が確保できるメリットがある
デュアルシステムを企業側が利用するメリットとしては、優秀な人材の確保ができるという点が挙げられます。
業務に直結する講習を受講し、そのうえ実習で経験を積んだ人材を採用できることは、少ない負担で優秀な人材を確保したいと考える企業側にとっては、とても大きなメリットだといえます。
人材の見極めができるので機会損失を減らせる
また、デュアルシステムを実施している期間内に、優秀な人材を見極めておくことが可能な点も、企業側にとってはメリットです。
そのような人物なのかをよく知ってから採用できるため、安心感も大きいでしょう。
インターンシップよりも多くの人材が職業体験できる
職業訓練校や専門学校、そして高校などがデュアルシステムを利用し、在学生に対して実務経験を積ませている現状があります。
そのため、インターンと区別が難しい面もあるものの、デュアルシステムの方が、人材の幅は広く、そのまま就職に直結できるケースが多いといえます。
日本版デュアルシステムのデメリットと課題とは
日本版デュアルシステムのデメリットと課題は何でしょうか。
デメリットもよく理解しておかなくてはなりません。
対象の違いによる意欲の差があることについて
デュアルシステムの対象者は幅広いです。
そのため、人によって意欲に差があることがデメリットといえます。
企業側の負担が多く、本来の目的を成さない危険性がある
企業側が訓練生を受け入れる場合は、国より補助金がでます。
しかし、訓練にかかる費用や企業からの給与は、企業側の負担となります。
そのため、企業側の負担ばかりが大きくなって、本来のメリットの部分が活かされないというリスクもあります。
中小企業の参加は多いが、母数が少ないことについて
中小企業では、このデュアルシステムの利用をしたいという声が一定数あるものの、まだまだその数は少ないといえます。
今後、さらに増やしていく施策が必要となるでしょう。
まとめ
デュアルシステムは、IT用語と職業用語で意味が異なりますが、今回は職業用語の意味をメインにご紹介をしました。
メリットの多いデュアルシステムがさらに広がっていくと、日本ももっと活気づくかもしれません。
今後、ますますシステムが充実していくと思われます、注目していきましょう。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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