
【経験者が語る】自動車業界の採用基準、また求められる人材とは?
自動車業界は年間休日数も多く、また、給与・賞与が高く、離職率も低い非常に恵まれた業界です。さらには、日本の基幹産業であり、超大重工産業と言えます。今回は、そんな自動車業界の正社員の採用基準をわかりやすく解説いたします。
職種によって学歴要件が大きく異なる
事技系と技能系
基本的には事技系(事務職・技術職の社員)と技能系(工場で実際に生産を行う社員)
の二つに大きく採用の種類枠があります。
ちなみに、事技系は、自分自身で勤怠管理を任される職種であり、フレックスタイムが使える社員で、
技能系は、フレックスタイムではなく、勤怠は係長などの役職によって管理される社員の事を言います。
また、事技系の場合、採用選考基準には以下の学歴基準がまず最初にあります。
- 事務職は大卒以上
- 技術職は高専卒以上
事務系と技能系は、
いわゆる自分の机とパソコンが用意されている社員です。
技能系の場合は高卒以上になります。
着替え用のロッカーはありますが、
役職者になるまでの間は自分の机とパソコンは用意されません。
また、技能系に関しては、期間工からの正社員登用もあり、門戸が広いです。
非正規雇用で期間工として2年と11カ月以上を勤務して、
そこから社内で年に一度行われる正社員への登用試験に合格すれば晴れて正社員となります。
文系と理系の配属先
文系大学卒の事務系の配属先は、
営業部・総務部・購買部・法務部・人事部・経理部などの職種があります。
理系の高専卒・大学卒・大学院卒の配属先は、
開発部・生産技術部・品質管理部・品質保証部・知的財産部などがあります。
高卒は基本的には製造部に全員配属です。
まれに、設備保全や設備保守などの
設備系の部署に配属されることもあります。
大卒事務系の選考基準
求める学歴水準
大卒事務系は採用後、基幹業務につく幹部候補生です。
大卒であれば中途採用でも幹部候補生になります。
文系の大学のレベル(最低でも関関同立・明治青山中央法政立教)で、
書類選考の足切りが行われます。
これ以下の大学で入社するのは難しいです。
明るく元気な体育会系の気質が好まれます。
基本的に自動車メーカーは残業代質なので、タフさを売りにする転職希望者が求められます。
職歴要件
基本的には、自動車関連の会社で、
3年以上勤務した経験を保有していることが望ましいです。
声をかけられて転職するということも非常に多いです。
自動車業界は非常に狭い世界なので、業界内で有名になれば、
関連会社などから声が掛かって転職するということもあります。
年齢要件
転職できる年齢は、いわゆる一般職として転職する場合には、
32歳までならば転職者を受け入れています。
これは社内の給与規定で32歳以上の転職者となると、
現在いる社員と同じ処遇をすることが難しくなるためです。
給与と昇給、賞与と退職金は入社年次でほとんど決まってしまいますので、
32歳以上の人を採用することが難しいということです。
高専卒技術系・大卒技術系の選考基準
求める学歴水準
基本的には学歴水準は文系ほどは問われません。
それよりも、学生時代の専攻内容が重要視されます。
電気電子学科の専攻も最近では電装部品が増えてきたため重要視されていますし、
機械系専攻であれば尚のこと良いです。
高専卒でも同様で、文系の大卒よりも学校名を重視されることはあまりありません。
職歴要件
職歴はできれば自動車業界で開発や生産技術、品質保証などの仕事を、
3年以上経験している方が望ましいです。
自動車業界ではなく重機(フォークリフトやユンボ)のような、
自動車以外の車の開発に携わっていた方も歓迎されます。
年齢要件
技能系の場合は、35歳までであれば問われません。
文系などの事務職と違い、研究や開発の成果に応じて、
給与などの処遇を決める人事制度が構築されている会社が多いです。
年齢要件があまり厳しくありません。
実力があれば給与などの昇給スピードが早いためです。
高卒技能工の選考基準
基本的に現場(工場で生産を行う技能工)における採用は、
高卒新卒以外は採用しません。
欠員補充は派遣社員や期間工などの募集を行い、
優秀な派遣工や期間工の方を2年11か月の勤務後、正社員登用試験を経て採用します。
この正社員登用試験に合格できなかった場合は、期間満了で退職となります。
求める学歴要件
高卒以上です。
工業高校などからの推薦で決まります。
職歴要件
これに関しては、とくにありません。
年齢要件について
基本的には期間工からの正社員登用は29歳までで、
30歳を超えると正社員登用は一気に難易度が上がります。
総括すると学歴と応募する職種によって、
その採用のルートから応募可能な年齢が大きく変わります。
現場仕事で正社員を目指す場合は、
まずは期間工から入社し、正社員登用試験の合格を狙うのが良いと思います。
ものすごく待遇が良いので、
正社員登用試験に合格すれば勝ち組のルートに乗った、と言われるほどです。
志望動機の重要性とは
キャリア採用の場合、人事担当が面接で重視するのは職務経歴と志望動機です。
企業は、志望動機から応募者が企業や自動車業界を理解しているか、企業にどれだけの熱意をもって貢献しようとしているかを評価します。
その人の応募にかける意識の高さを推し量って、入社後も長続きするか、仕事に真剣に取り組んでくれるか!などを判断します。
志望動機が具体的でポジティブな内容なら評価されます。
これを踏まえて、志望動機を整理することが重要になります。
志望動機として伝えてはいけないこと
以上のことから、志望動機の重要性が理解できますが、ここで志望動機として伝えてはいけないことを整理します。
ネガティブなことや漠然とした内容は伝えない、が基本になります。
- 伝えてはいけない具体的な事例
- 「御社の将来性に魅力を感じた」漠然
- 「車が好きなので御社で働きたい」漠然
- 「福利厚生がいい」「給与やボーナスがいい」「長期連休がある」条件面より事業や仕事内容を!
- 「人材会社に紹介されたので応募した」自主性がない
- 「自動車に関する技術を勉強したい」会社は学校ではない
- 「家から近い」自己都合
志望動機でアピールすべきこと
それでは、転職を成功させるために志望動機を面接でどうやってアピールすべきか記載します。
志望動機の構成としては、初めに「会社の魅力や経営理念などで共感できること」を伝えましょう。
そして、自分の経験や能力で会社に貢献できることをアピールしましょう。
この会社で働きたいとの強い思いを自分の言葉でポジティブに伝えることが大事です。
- 面接で伝えたい志望動機の内容
- 企業の優位性を理解して、他社でなくこの会社だから入社したい熱意を伝える
- 企業が必要とする人物像を理解してそれにマッチした内容を伝える
- 自分の職務経験を企業で生かせることを伝える
- 入社して自分のキャリアを高めるための目標や方策を伝える
最後に
いかがでしたでしょうか?
特に大卒の転職希望者はしっかりとタフさをアピールするようにしましょう。
自動車業界は、残業がとても多いので、入った後についていけるかも重要な要素です。
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