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継続雇用制度 再雇用制度 違い

継続雇用制度と再雇用制度の違い|定年後の生活について考える

内閣の進める「一億総活躍社会」の実現を目指して、定年後も引き続き同じ会社で働く人が増えています。また、人材不足の解消という観点から「継続雇用制度」と「再雇用制度」を採用する企業も増えています。この記事では、それらの制度の違いをメリットとデメリットを比較しながら見ていきます。

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継続雇用制度とは

継続雇用制度をご存知でしょうか。どのような制度で、誰を対象としているかなどについて、わからない方が多いかもしれません。

継続雇用制度とはどのような制度なのか、以下でくわしく解説していきます。
 

継続雇用制度とは

継続雇用制度とは、定年を迎えた人を引き続き雇用する制度のことです。

定年退職という言葉があるように、定年を迎えると仕事から引退するものと思いがちですが、最近では定年後の高年齢者も引き続き働けるように環境が整いつつあります。

この制度ができたことにより、企業は定年を迎えた社員が希望すれば、65歳まで雇用しなければならない義務ができたと言えます。
 

高年齢者雇用安定法の改正

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(通称:高年齢者雇用安定法)は平成16年に改正され、平成25年4月に施行されました。

この改正により、企業は定年になった社員について

  • 定年を引き上げる
  • 継続雇用制度を導入する
  • 定年の定めを廃止する

以上の3つのうち、どれかを選ぶことになりました。
 

再雇用制度と勤務延長制度とは

継続雇用制度は再雇用制度と勤務延長制度の二種類です。

再雇用制度は定年退職後に再び雇用契約を結び直します。定年退職のタイミングで退職金が支払われる仕組みです。

一方、勤務延長制度は定年退職の年齢となっても退職しません。これまでの雇用契約のまま引き続き勤務する制度です。退職金は、勤務延長制度を終了して退職するタイミングで受け取ります。 

 

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勤務延長制度と再雇用制度の違い


勤務延長制度と再雇用制度の違いについて、詳しく見ていきましょう。
 

対象者は本人の意思で決まるか全員か

継続雇用制度は、基本的には希望した社員全てが対象となります。

ただし、勤務態度に問題があるなど、就業規則で解雇や退職理由に相当する合理的な理由がある場合には、継続雇用制度を利用せずそのまま退職してもらう措置をとっても問題ありません。

また、対象者には一部制限もあります。現在、老齢厚生年金の報酬比例部分の受給年齢が令和7年度までに60歳から65歳に段階的に引き上げられている最中です。

そのため、高年齢者雇用安定法が改正された平成25年以前に労使協定によって継続雇用制度の対象年齢基準を決めていた場合には、経過措置として以下のような年齢基準を設けてもよいことになっています。

  • 平成31年4月1日から令和4年3月31日まで 63歳以上
  • 令和4年4月1日から令和7年3月31日まで  64歳以上
     

雇用先の変更の可否は

雇用先は、それまで所属していた企業でももちろん可能ですが、グループ企業に変更することもできます。

例えば、本社に務めていた人に対して、勤務先を子会社に雇用先を変更しても問題ありません。
 

契約期間や賃金と勤務時間など労働条件の変更の可否は

勤務延長制度の場合、定年前の労働条件を変えないケースが一般的のようです。

再雇用制度の場合には、1年ごとの契約更新にしたり、時給制度にしたりするなど労働条件を大幅に変えることができます。ただし、年齢を理由に契約更新をしないことは禁じられています。
 

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継続雇用制度のメリットとデメリット


継続雇用制度は雇用者や労働者にとって、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
 

勤務延長制度のメリットとデメリット

定年前の労働条件で働けるのは勤務延長制度のメリットです。正社員として同じ水準の給与で働き続けられるため、モチベーションを高く維持しやすいのも特徴といえます。

企業にとっても十分なスキルと長い経験を持つ人材を雇用し続けられるため、メリットのある制度です。これまでと同じポジションで雇用し続ける制度のため、人事選定の手間もありません。

一方これまでと同額の給与を支給しなければならない点は、デメリットとも考えられます。
 

再雇用制度のメリットとデメリット

再雇用制度はこれまでよりペースを落として負担の少ない働き方ができる点がメリットです。ただし時給制や時短勤務の非正規労働者となるため、給与水準がこれまでより下がりやすいのはデメリットです。

また企業にとっては、経験豊富な人材をコストを抑えつつ雇用できるメリットがあります。
 

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65歳までの高年齢者雇用確保措置


65歳までの高年齢者を雇用するにあたり、定年を65歳未満と設定している企業は、以下の3つのいずれかを選ばなければなりません。

  • 定年を65歳とする
  • 希望者全員を65歳まで雇用する
  • 定年制を廃止する

つまり、原則として65歳までは雇うようにしなければならないのです。
 

高年齢者雇用確保措置を実施する際の労働条件について

労働条件については、給与や人事に労働者の年齢が影響しないように気を付けることが大切です。

例えば、60代だからという理由だけで給与を下げられたり、あまり仕事がない部署に異動させたりすることは避けなければなりません。あくまでもその人の能力や仕事ぶりを適切に評価した労働条件にすることが大切です。

また、突然労働条件を変えてしまうと高年齢者の生活に支障が出てしまう可能性もあります。労働条件を変えるにしても、段階を踏んで変えていくという配慮も必要になってきます。
 

高年齢者雇用のための諸条件の整備

高年齢者を雇用する場合には、本人の希望をなるべく取り入れるようにし、高年齢者が働きやすい環境を整える必要があります。

労働条件を決める際には企業側と本人とで話し合いの場を設ける必要があります。勤務時間を一日何時間にするのか、週何日勤務にしたいなどの希望を聞き取るようにすることで、本人が気持ちよく働ける環境を作ることが大切です。
 

継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲

継続雇用制度の対象者は、これまで勤めていた企業はもちろん、グループ企業(特殊関連事業主)でも再雇用の可能性があります。親法人、子法人、兄弟法人などでも、雇用主と締結を結べば勤務可能です。

特殊関連事業主については、高年齢者雇用安定法施行規則第4条の3で具体的に定められており、その条件に当てはまれば新たな雇用先に含めることができるのです。
 

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高年齢者雇用確保措置への企業の対応


厚生労働省は、平成29年に「高年齢者の雇用状況」を発表しました。全国の中小企業、大企業が集計対象で、具体的には「労働者が 31 人以上の企業 156,113 社」となっています。

それによると、高年齢者雇用確保措置を実施している企業は99.7%となっており、ほぼ全ての企業が何らかの高年齢者雇用確保措置を取っていることがわかります。

それでは、高年齢者の雇用について、実際に企業ではどのような対応をしているのでしょうか。
 

継続雇用制度を導入した企業の割合

継続雇用制度を導入している企業の割合は80.3%でした。そのうち、経過措置により対象者を限定している企業は30.0%、希望者全員に65歳以上の継続雇用制度を適用している企業は70.0%となっています。

31~300人の企業では79.1%、301人以上の企業でも90.6%と、多くの企業が継続雇用制度を導入している結果でした。
 

定年の定めの廃止を講じた企業の割合

定年の定めを廃止した企業は、全体では2.6%となっており、定年制を廃止することを選んだ企業はごく少数であると言えます。

31~300人の企業では2.9%、301人以上の企業では0.5%で、大企業では定年制を廃止している企業はほぼないという結果になりました。
 

定年の引き上げを講じた企業の割合

定年の引き上げを講じた企業の割合は、全体では17.1%となっています。

301人以上の企業では8.9%であるのに対して、31~300人までの企業では18.0%となっていることから、定年の引き上げは中小企業に多い傾向があると言えるでしょう。
 

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まとめ

高年齢者の雇用についての制度である継続雇用制度についてご説明してきました。

高齢化社会が進むにつれて、高年齢者の就労や働き方について社会の意識が高まってきつつあります。働きたい人が何歳になっても生き生きと働ける社会を目指したいものです。

若い方で継続雇用制度について知らなかったという方も、将来を考えておくことには価値があります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 

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