
懲戒処分と再就職の関係性|意味や対応方法について詳しく解説
ニュースなどで耳にする「懲戒処分」ですが、この中にも処分内容が何種類かあります。特に懲戒解雇となってしまうと、再就職が著しく難しくなってしまうと言われています。この記事では、そのような状況になった場合の対処方法についてお伝えします。お役に立てれば幸いです。
懲戒処分とは企業秩序の違反に対する懲罰
懲戒処分とは民間企業で懲戒事由に当てはまり、最も重い処罰のことです。懲戒処分になると再就職や転職の際に不利になる可能性が高いです。
後に苦労しないように、今のうち理解を深めておきましょう。
懲戒処分のうち解雇は最も重い懲罰
懲戒処分の解雇には、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇などがあります。
その中でも最も重い懲罰が懲戒解雇になります。普通解雇は年齢による能力の低下や元々能力が著しく低く成長が見られないときなど労働力と給与のバランスが悪く会社に負担が大きいときに行なわれることがあります。
整理解雇は業績の悪化や業務の縮小のため従業員を整理するために行われます。リストラと言えばわかりやすいかもしれません。
懲戒解雇は風紀を大きく乱したり、刑法犯の場合行われます。
懲戒解雇になる場合とは
懲戒解雇は風紀を大きく乱したり、刑法犯の場合言い渡されます。
刑法犯などの酷い場合はすぐに言い渡されることがありますが、なんでもすぐに懲戒解雇というわけではありません。
軽度の風紀を乱す行為であれば会社によっては訓告で済む場合があります。上司からの口頭による注意や始末書が訓告にあたります。
懲戒解雇は会社にとってもデメリットあり
解雇による会社側のデメリットは、助成金の不支給になる場合があるということです。
助成金の種類によっては非正規社員を半年以上継続雇用することが条件となっているので、新人をすぐに解雇するのは会社側にとってデメリットとなるかもしれません。
懲戒処分の解雇になった場合すべきこととは
懲戒処分の解雇になった場合確認すべきことがいくつかあります。確認をするかしないかで、今後の生活に大きく影響を及ぼすので軽視してはいけません。
なぜ解雇になったのか、その解雇は適正なものかという点を確認すべきです。
会社によっては不当に解雇するブラック企業も存在するので注意が必要です。
就業規則の退職事由の確認
就業規則の退職事由を確認しましょう。就業規則に書かれていない理由での解雇は認められません。
そのため、もし解雇を言い渡されたらまず退職の事由を確認し、就業規則に書かれている理由と一致するかの確認が必要です。
解雇が合理的か否かの確認
解雇には理由以外に合理性が必要になります。会社の秩序を乱したか信用を落としたかなど企業的損失の大きさも重要な判断材料になります。
懲戒解雇を言い渡されたからすぐに納得するのではなく、どのような損失を与えてしまったかを一度確認してみましょう。
会社に解雇理由証明書の発行を依頼
懲戒解雇に納得がいかない場合があるかと思います。その場合は会社に解雇理由の証明書を発行してもらいましょう。
解雇理由の証明書には就業規則に書かれている「退職の事由」との事実関係についての記載が必要です。
なお、解雇理由の証明書は法律で義務付けられているので、会社側は拒否することはできません。
弁護士や社会保険労務士など専門家に相談
労働問題に詳しい弁護士が知り合いにいたら運がいいですが、そうとは限りません。
そこで一度、社会保険労務士に相談するのがいいでしょう。社会保険労務士は労使関係に精通しているため、やみくもに弁護士に相談するより効率がいいです。
そのあとに弁護士を紹介してもらうのが最適な流れになります。
懲戒処分の解雇は再就職に不利になるか
懲戒処分の解雇は退職金が貰えない、失業手当の受給が遅れるだけではなく再就職する際に不利になる可能性があります。再就職先に解雇された理由が伝わる可能性もあります。
可能であれば懲戒解雇を避ける努力をしましょう。
解雇が再就職先に伝わる情報源
基本的には履歴書、職務経歴書に記載されている情報が伝わります。
再就職先には伝わりませんが、ハローワークなど就職を相談するところには伝わってしまいます。
履歴書に虚偽の記載をしてしまうと、後に処罰される可能性があるので、絶対にやめましょう。
解雇は再就職先に伝わらないことも
履歴書や職務経歴書に自ら書かなければ懲戒解雇が知られる可能性は低いです。
前の職場に問い合わせて聞くことは違反になるので探ることはありませんが、取引先や知人を通して情報が広がる可能性があるので、知られる可能性は否定できません。
懲戒処分の解雇を避ける方法とは
何かしらの処罰が下される場合、一番避けたいのが懲戒処分の解雇です。もしもの時のため懲戒処分の解雇を避ける方法を理解しておきましょう。
冷静ではない状況で行動してしまうと、今後の人生を棒に振る可能性があるので、避けたいところです。
謝罪して自己退職願を出す
ドラマのように「こんな会社やめてやるよ」と会社を辞めるのは一見格好良く感じるかもしれませんが、のちのち辛い生活になる恐れがあるのでやめましょう。
怒りをこらえてしっかり謝罪しましょう。誠意を伝えれば懲戒処分を避けることができる場合があります。
そのあとは落ち着いて、自己退社願を出し穏便に退職するのが良いでしょう。
セクハラやパワハラの場合は示談に持ち込む努力を
最近では些細なことでセクハラ、パワハラの疑いをかけられる場合があります。事実無根なのであれば起きた出来事を伝えお互いに納得する話し合いをしましょう。
セクハラ、パワハラに心当たりがあるのであれば、誠意をもって謝罪をしましょう。
セクハラやパワハラでの懲戒処分は人間的信用を失いやすいので、特に注意が必要です。
会社からの退職推奨を受け入れる
懲戒解雇を言い渡される前に会社側から退職推奨を促されることがほとんどです。
もし、自分の起こした問題が原因で退職推奨を言い渡されたなら、素直に受け入れることで懲戒解雇を防ぐことができます。
穏便に済ませる方法を取ることで次に進みやすくもなります。
懲戒解雇はデメリットが大きい
懲戒解雇にメリットが無いことは大体わかったと思います。もう少し具体的にデメリットを探っていきましょう。
懲戒解雇後に再就職するのは場合によっては苦労します。
今一度懲戒解雇のデメリットを理解しておきましょう。
経済的に苦しくなる
懲戒解雇を受け退職した場合、退職金はでません。また、失業保険の受給が遅れるので経済的な負担が厳しくなります。
そのため、先行きの見えない不安な人生を送らないといけません。ローンを組んでいる人であれば尚更負担額が大きくなります。
可能なら避けることに越したことはありません。
ハローワークでの再就職活動が難しくなる
懲戒解雇を受けた人は離職票に理由として重責解雇と書かれます。
再就職先がこの文字を目にする確率は低いですが、ハローワークの方が目にします。そのため、再就職の際に紹介がされづらくなる可能性があります。
退職理由に「自己都合」が使えない
懲戒解雇の場合、「自己都合の退職」と書くことができません。そのため、「退職」または「会社都合の退職」になります。
退職理由は企業にとっては気になる点になります。ほとんどの確率で退職理由を聞いてくるでしょう。しっかり答えられるように準備が必要になります。
印象良く伝えることは困難です。ハローワークではなく転職サイトを利用し再就職を目指しましょう。
まとめ
懲戒処分を受けて再就職することは可能です。
ただし、再就職するまではかなり困難なので可能であれば懲戒処分は避けるようにしましょう。
再就職だけでなく、再就職するまでの生活による経済的負担や先行きの不安からくる精神的負担が大きいです。
不当解雇でない場合はしっかり謝罪をし、処罰を少しでも軽くしてもらえるように尽力を尽くしましょう。
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