
これだけ読めばスコープの意味が分かる!具体例も含めてご紹介
みなさん「スコープ」の意味をしっかり理解していますでしょうか。とはいえ、スコープと聞いただけではよく分からないという方もいらっしゃるかと思います。そこでこの記事では、ビジネスの現場で使われるスコープの意味を分かりやすく解説致します。具体的には、スコープの意味・スコープを使った例文・スコープ確定の流れ、の順番でご紹介していきます。スコープについて知りたい方は是非参考にしてみてください。
それぞれの業界での「スコープ」の意味
近年は、あらゆる場面でカタカナ語が多用されており、日々の生活の中でも多くのカタカナ語が使われるようになりました。
ビジネスマンとしてのスキルアップを目指す上で、ビジネス用語の理解を深めることは重要な作業のひとつです。
今回は、「スコープ」という言葉を取り上げ、その意味や使い方などをまとめてご紹介します。
英語のscopeの意味
「スコープ」とは、英語で表記すると「scope」となります。
英語の「scope」の意味は、次のようなものがあります。
- (行動・思考・知覚・調査などの)範囲、領域
- (行動できる)余地
- 思考力・知的能力
- (銃などの)照準器
上記以外にも論理学などの学術用語としての意味もあります。
ビジネス用語としてのスコープは「範囲」
ビジネス用語としては、「スコープ」は英語と同じように「範囲」を意味する言葉として使われています。つまり、プロジェクトなどの作業の範囲を定義したものを、「スコープ」は意味しています。
プログラミングにおけるスコープは「参照される範囲」
プログラミングでは、「スコープ」は「変数や関数が特定の名前で参照される範囲」を意味します。「参照される範囲」というのは、「プログラミング上で使える範囲」ということを指しています。
医療で使うスコープは「医療器具」
医療の現場で「スコープ」という言葉を使うのは、「医療用ファイバースコープ」です。「ファイバースコープ」とは、内視鏡のひとつで人体の内部を観察するために使用する医療器具のことを指しています。
柔軟性のある細いガラス繊維の先端にカメラが付いたもので、人体の中での可動域が広いことから活用の機会が増えています。
ビジネスで使う2つのスコープ
ここでは、ビジネスで使う「スコープ」の種類について確認しましょう。
1.「プロダクトスコープ」は成果物の全体像
「プロダクトスコープ」とは、「成果物スコープ」とも呼ばれることがあります。これは、「情報システムなどの内容を定義するもの」を指しています。つまり、情報システムやサービスなどの「成果物」の全体像を定義したものということです。
2.「プロジェクトスコープ」は成果を生み出すための過程にある作業そのもの
「プロジェクトスコープ」は、「作業スコープ」とも呼ばれています。これは、「成果物(プロダクト)を生み出すための過程にある作業そのものを定義するもの」を指しています。
納期はもちろん、品質・費用を基にしたプロジェクトの目標を含んだプロジェクトを総括的に定義・規定するもの、ということです。
スコープを使った表現と例文2選
ここでは、「スコープ」を使った表現とその使い方を確認しておきましょう。
「スコープ外です」は、「プログラミングで使えない」という意味
「スコープ外です」という表現が使われる場合、まずその「スコープ」はプログラミング用語の「スコープ」ということになります。
「スコープ外」ということは、「ある変数や関数などの名前を参照できる範囲外にあり、プログラミングで使えない」という状態を意味しています。
スコープの例文2選
「スコープ」という言葉を使う例文として、次のようなものがあります。
- プロジェクトマネジメントにおいて、「スコープ」の決定は最重要とも言える。
- 全体で共有されている「スコープ」を設定することは、作業効率化に有効に働く。
「作業の範囲」を意味する「スコープ」は、このような形で使われているということがわかります。
スコープ確定のポイントや注意点
ここでは、「スコープ確定」におけるポイントと注意点について確認しましょう。
スコープ確定のプロセス
「スコープ」は「作業の範囲」つまり「やりたいこと(要求)とやれること(要件)を定義した作業対象範囲」です。
スコープ確定をするプロセスとしては次の2つのステップがあります。
- 要求を明確にする
- 要件を定義する
最初のステップで、何が要求されていてどのような制限があるのかを明確にします。次にその要求をもとに、作業としてできること、その範囲を定義していきます。
スコープ確定時の注意点
スコープ確定の作業を進める上で注意すべき点は、スコープ確定とプロジェクトマネジメントは別という認識を明確にもつことです。
スコープはあくまで「作業の範囲」であり、その作業をプロジェクトとしてのタイムラインにのせて実行していくという点は「プロジェクトマネジメント」の領域になります。
明確なスコープ確定ができていても、それをどのように進行させるかというマネジメントが的確に行われていないと、結果として何の成果もあげられないということにもなります。
【具体例で見る】スコープ確定の流れ
ここでは、「スコープ確定」の流れを具体例と併せて確認してみましょう。
プロジェクトマネジメントの具体例
具体例として、引越し作業を使って、「スコープ確定」とその実行までの流れを追ってみます。
「スコープ確定」
・要求
引越し元・引越し先双方で養生してほしい
大型家具・家電の梱包・運搬をしてほしい
衣類などの生活品の梱包・運搬をしてほしい
・制限
日程
予算
新居にエレベーターがなく、階段での搬送作業が必要
・要件
大型家具・家電をエレベーターなしの新居に搬送・搬入する
衣類などの生活品をエレベーターなしの新居に搬送・搬入する
・定義
養生はしない
荷物の梱包はしない
これをまとめ上げることが「スコープ確定」となります。
ここから、求められたタイムラインで作業を実行するための時間設定や事前準備、当日の作業の流れを決定する「プロジェクトマネジメント」を組み合わせることで、成果を上げること、つまり引越し作業を完了させることが可能になります。
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