
国税専門官の年収│仕事内容と高卒と大卒の給与の差は?
税務署で働く人には国税専門官と税務職員がいます。結果として両者ともに税務署で働くことになるため、大した違いがないのではと考える人も多くいるでしょう。それぞれに具体的な仕事内容、大卒と高卒での違いを見ていきましょう。
国税専門官の仕事内容
国税専門官は国の財源となる税金を賦課・徴収する専門家です。
国税専門官採用試験合格後、いくつかの研修や実務経験を重ね国税調査官、国税徴収官、国税査察官ととして税務署で働きます。
それぞれの具体的な仕事内容をご説明しましょう。
1.国税調査官
国税調査官は、税の申告が適正に行われているのかの調査と、申告に関係する指導を主な仕事とします。
実際に個人や企業を訪問し調査を行うと、納税が適正でないと判断される場合があります。
この時に的確な指導を行い、正しい納税金額を納めてもらうのが国税調査官の仕事です。
具体的には、個人や企業に対して納税に必要な書類の書き方を指導したり、申告内容と帳簿を照らし合わせて正しい内容かを確認し、場合によっては申告方法や必要書類の指導を行います。
国税調査官は直接個人や企業を訪問するだけではなく、税務署に問い合わせの電話がかかってくることもあり、これらの対応も行います。
さらには窓口での税務相談対応も行うことから、確定申告が行われる毎年2月中旬〜3月中旬にかけては国税調査官が最も忙しい時期になるのです。
2.国税徴収官
国税徴収官は、滞納された税金を徴収することが仕事です。
昨今経済的なことを理由に止むを得ず、または意図的に税金を滞納する人が増加の傾向にあります。
よって国税徴収官は個人や企業に対して、納付期限が過ぎた税金の督促・滞納処分、納税方法の指導などを行います。
さらに国税徴収官は、「徴収職員商標」を提示することで、徴収法142条に基づいて強制的な調査や権力を行使することが可能です。
徴収法142条は以下の通りです。
「徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物または住居その他の場所につき捜索することができる」
具体的には督促に応じない個人や企業に対して財産調査をします。
その結果、隠し持っている金銭や支払いできる金額が確認できない場合には、自動車や不動産など金銭の代わりになるものを差し押さえすることができるのです。
3.国税査察官
国税査察官は脱税に関係する調査、刑事告発を行います。
通称「マルサ」と呼ばれており、一般的にはこちらの方が聞き慣れているかもしれません。
脱税額が大きかったり悪質な脱税嫌疑者に対しては、裁判官の許可のもと家宅捜査や強制調査、差し押さえを行い、刑事告発をします。
脱税は会社ぐるみや組織ぐるみで行われる事も多く、国税査察官はつねに情報網を張り巡らせ、怪しい動きや情報を仕入れる必要があります。
しかし、刑事告発に至るまでは「容疑」という扱いであるため、得られた情報は秘密厳守で動かなければなりません。
場合によっては、多方面に影響力を持つ政治家や役員を調査しなければならないこともあり、圧力がかかる事もあるでしょう。
しかし、それらの重圧を跳ね除け刑事告発に至った時には大きな達成感となるでしょう。