
【転属と転籍】定義や意味の違いについてなどご紹介していきます
「転属」と「転勤」という2つの言葉がありますが、それぞれの定義をご存知でしょうか?転属や転籍、出向や転勤、赴任といったような言葉をよく耳にするけれど定義がよく分からないといった方も多いのではないでしょうか?そこで今回は「転属」「転勤」の違いについてご紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
転属と転籍の違いとは何か?
転属というものは、所属する部署が変わることを指します。
人事異動のなかでも、比較的大きな異動であると捉えられており、働き方も変化することが一般的です。たとえば、営業部より人事部に異動になるケースが転属です。
これまで培ってきた経験、人脈がガラリと変わってしまうことになります。
転籍の定義とは何か
転籍とは、出向のなかの1つのかたちとして考えられています。
別の会社に移籍をし、籍そのものを別の会社に移すことを指しています。ちなみに、転籍は、元の会社に戻るということはありません。
つまり、転籍の方が、労働者に負担の大きい異動であるといえます。
給料も変わることがありますし、そのほかの待遇についても、変更が余儀なくされる可能性もあります。
関連記事
▶︎【転属とは】意味や定義、拒否が可能なのかなどをご紹介
転籍することのメリットとデメリットは何か?
転籍のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれをみていきましょう。
転籍のメリットとは何か
転籍のメリットは2つあります。
まず1つめは、転籍によって現在の給与から減額がある場合、その減額分の補填がされる場合があるという点です。
ただしこれは、期間限定で行われることが多いので、気をつけてください。
また、2つめとしては、グループ会社への転籍であっても、労働者本人の同意がない場合は、勝手に転籍は行われないという点です。
転籍のデメリットは何か
転籍のデメリットは、転籍辞令によって退職をさせられた後、転籍先での雇用契約が解除されてしまう可能性があることです。
出向とは違い、転籍の場合はすでに元の会社は退職していることになるので、転籍先での雇用契約が解除されれば、事実上、失業したことと同じになります。
転属したくない場合に拒否することは可能なのか?
「出向」「転勤」「赴任」の3つの言葉の定義をご紹介しましょう。
これらの言葉は似ているようで、意味がまったく異なります。
類語1「出向」の定義とは何か
出向とは、企業が、資本関係がある子会社に社員を異動させることをいいます。
籍は親会社に残したまま、勤務先を子会社に移すのです。
類語2「転勤」の定義とは何か
転勤とは、異動によって勤務先が変わることをいいます。
ただし、転勤は必ずしも住居の引っ越しを伴うものとは限りません。
具体的に例を挙げると、東京都内の近距離の営業所への転勤であれば、転勤ではありますが、通勤圏内であるため従業員は転居する必要がありません。
もちろん、東京本社より大阪本社への転勤といったような、転居を伴うケースもあります。
類語3「赴任」の定義とは何か
赴任とは、転勤を命じられた従業員が任地へ赴くことです。転勤の定義と大きな違いはありません。
つまり、赴任とは、転勤先へ行くという行動に対して使われる言葉になります。例えば「東京営業所に赴任が決定した」のようなニュアンスで使用されます。
転属したくない場合に拒否することは可能なのか?
転属をしたくないと考える場合、転属を拒否することはできるのでしょうか。
また、転属の命令を拒否することができるケースとは、どのようなケースなのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
転属の命令は基本的に拒否できない
そもそも会社が人事異動を行う理由は、社員の成長のため、組織の成長のため、そして事業方針のための3つです。
社員が適材適所で能力を発揮できるように、また、新しい部署によって働くことで社員の成長を促す目的があります。
また、異動者がもつ経験やノウハウを新しい部署で伝達を行うことにより、業務効率化を図り、後輩社員の育成や組織の活性化を目的に行なわれる場合もあります。
そして、新規事業立ち上げや事業の拡大のため、退職者の発生による人員整理などのためにも人事異動は行われます。
このような理由で命じられる転属の命令は、基本的には拒否できないと考えられています。なぜなら、会社や組織がもっている人事権が強いためです。
また、就業規則において「業務の都合によって、転勤や配置転換を命じることがある」といったような規定がある場合は、人事異動は「業務命令」の扱いとなります。
そのため、この人事異動を拒否すれば、用務命令違反とみなされて「懲戒」の対象になると考えられてしまうのです。
だからといって、人事異動を拒否すれば即刻解雇されるということはありません。
とはいえ、人事異動は、その会社で働く限り、基本的には拒否することができないものと考えておいた方がいいといえます。
転属の命令を拒否できる場合とは
ただし、転属の命令を拒否することができる場合があります。それは以下の3つの理由に当てはまる場合です。
これらの理由であれば「正当な拒否理由」とされて、拒否の申し立てが認めてもらえることもあります。
-
入社時の雇用契約書の内容とは異なる
会社と交わしている雇用契約書で「職種」や「勤務地」に関して限定があるにも関わらず、該当するエリア外の異動などを命じられた場合です。
この場合は「契約違反」となるため、拒否をすることが可能であると考えられます。
-
やむを得ない事情を抱えている
「要介護の両親がおり、自分以外に面倒を見ることができる人がいない」「子どもが病気を抱えて専門的な治療を受けているため、転院することが不可能である」といったような、やむを得ない事情がある状態の場合です。
このような状況であるにも関わらず、遠方への転属が命じられた場合は、本人の負担があまりにも大きいため、拒否することができる可能性があります。
しかし、この場合の転属解除はあくまでも会社側による配慮の範囲となるため、必ずしも拒否をすることができるとは限りません。
-
会社泡による権利の乱用
例えば気に入らない社員を自主退職に追い込むためなど、嫌がらせ行為であることが明らかな場合は、その不当性を訴えることで転属を無効にできる場合があります。
ただし、不当性を立証できるだけの証拠を集めなければならないため、非常に困難な方法であるといえます。
まとめ
転属や転籍、出向や転勤、赴任といったような言葉をよく耳にするけれど定義がよく分からないといった用語の解説をしました。
一般的にはこれらの人事異動の命令は拒否できないと考えておいた方がいいでしょう。
ただ、就業規則などに書かれていることと異なる人事異動の場合など、不当性を訴えることができる場合は、拒否が認められる場合もありますので、しっかりと確認するようにしましょう。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。