
【公害防止管理者の難易度】試験の合格率って高いの?勉強方法は?
皆さん、公害防止管理者について詳しくご存知でしょうか。普段は耳慣れない職業の公害防止管理者ですが、工場や研究所にはとても需要のあります。この記事では公害防止管理者の難易度や合格率についてご紹介致します。また、公害防止管理者の年収や将来性、公害防止管理者になるための勉強方法についても解説致しますので是非参考にしてみてください。
公害防止管理者とは
皆さんは、公害防止管理者という職業があるのをご存知でしょうか。
なかなかこの職業を耳にしたことのある方は少ないと思います。
この記事では、公害防止管理者とはどのような仕事なのか、またその資格について詳しく説明します。
公害防止管理者はどのような資格なのか
まず、公害防止管理者とは、大気汚染、水質汚濁、汚染、振動などを防止するため、必要な技術的事項を管理する技術者を指します。
公害防止管理者の資格を取得するには2つの方法があります。
- 公害防止管理者等国家試験を合格する
- 公害防止管理者等資格認定講習を受講し、修了試験に合格する
参考:資格取得の方法|国家試験・資格認定講習|公害防止管理者 |一般社団法人産業環境管理協会
公害防止管理者の分野
公害防止管理者の試験は区分が設けられており、大気関係、水質関係、騒音・振動関係、特定粉じん関係、一般粉じん関係、ダイオキシン関係、主任管理者です。
資格取得後の進路は、化学関連企業への就職が多いでしょう。
主な受験者は30~40代の社会人や化学系の大学生です。
仕事内容としては、当該工場を設置している者に対し、条例の規定を誠実に遵守するよう助言します。
また、作業の方法や施設の維持など技術的事項について、当該工場から公害を発生させないように監督を行います。
公害防止管理者の年収と将来性
公害防止管理者は、特定の工場で選任が義務付けられている資格です。
企業によっては会社が資格取得支援をし、資格を取得している人には手当がつくということもあります。資格を取得して公害防止の部署で責任者に昇進すれば、給料のアップも狙えるでしょう。
企業規模や役職によっても異なりますが、年収は400~700万円程度が見込めます。
また、公害防止管理者の資格を取得することで、就職や転職に役立つこともあります。
企業が取得を後押しするケースも多い資格のため、この資格があれば絶対に就職・転職できるというほどの力があるわけではありませんが、一定のアピールにはつながるでしょう。
なお、今後も工場や研究所がなくなることはかんがえずらいため、公害防止管理者の需要は高いと言えます
特に公害防止管理者資格を複数分野で取得しているとさまざまな業種の製造に関われるため、就職・転職で有利に働くはずです。
公害防止管理者の難易度
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公害防止管理者の合格率はどのくらい?
近年の合格率は全体で19.8%ほどとされています。
公害防止管理者の区分ごとの合格率は以下の通りです。
大気関係第1種:19.5%、大気関係第2種:20.3%、大気関係第3種:13.5%、大気関係第4種:10.6%
水質関係第1種:30.8%、水質関係第2種:19.2%、水質関係第3種:27.1%、水質関係第4種:23.0%
騒音・振動関係:30.3%、
特定粉じん関係:19.5%、一般粉じん関係:12.3%
ダイオキシン関係:41.9%、
主任管理者:33.7%
公害防止管理者の難易度は高いのか、低いのか
上の統計を見るとわかる通り、決して難易度の高い試験ではありません。
きちんとした対策をして勉強をすれば合格できると言えます。
また、統計にもありますが、公害防止管理者の資格は分野ごとの試験を突破する必要があります。
すなわち大気なら大気の、水質なら水質の試験に合格する必要があるのです。
よって、広く浅い知識よりは、深い知識が求められる場合も多いでしょう。
ひねった問題はほとんど出されないので、独学や通信教材で勉強をしても十分に合格できると言えます。
国家試験以外の資格取得方法
さて、はじめに紹介した通り、公害防止管理者の資格取得方法は試験に受かる方法と、特定の講習を受けたのちに修了試験に合格する方法の二つがあります。
こちらの章では、後者、特定の講習を受ける方法について紹介していきます。
資格認定講習を受けてみよう
資格認定講習とは、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令に基づき、技術資格または学歴および実務経験資格のある人を対象に行うものです。
技術資格または学歴および実務経験資格を有する人が、書類審査を経て特定の講習を受講し、かつ修了試験に合格した場合、国家試験に合格した場合と同等の資格が付与されます。
さて、資格認定講習を受けるためには特定の技術資格または特定の学歴と実務経験を持っている必要があります。
技術資格の例としては、
技術士
環境計量士
薬剤師
エネルギー管理士
など様々な選択肢があります。
学歴と実務経験の例としては、
大学にて薬学、工学、化学いずれかの課程を修了し、かつ実務を3年経験していること
短大や専門学校にて薬学、工学、化学いずれかの課程を修了し、かつ実務を5年経験していること
などこちらも様々な選択肢があります。
資格認定講習の難易度はどのくらいなのか
資格認定講習の難易度ですが、講習で講師による講義を受け、テキストなどを用いて勉強をします。
ただし、講習中に試験に出るポイントなどを教えてくれるなどということはないようなので、修了試験のためには自分でポイントを見極めて勉強をする必要があるようです。
ですが、しっかりと講習を受け、対策をすれば修理試験は決して難しい試験ではないでしょう。
公害防止管理者の勉強方法
分野別にしっかりと勉強しよう
さて、最後に公害防止管理者の勉強方法を紹介します。
何度も述べましたが、公害防止管理者試験では大気、粉じん、水質、騒音振動、ダイオキシン、主任と分かれており、大気と水質では4種、粉じんでは2種の合計13の専門分野に分かれているのが特徴です。
試験に合格するには専門分野に合わせた学習をする必要があります。
一度にすべての科目に合格する必要はなく、同じ試験区分を受験する場合は、合格した科目の免除資格が得られます。
合格した年を含めて3年間免除が有効なため、計画的に勉強すれば十分突破を狙えるはずです。
独学で合格することももちろん可能で、産業環境管理協会でテキストの販売もしています。
産業環境管理協会では受験講習会を実施しているので、試験前の対策や重要分野のチェックにおすすめです。
勉強期間は6か月ほどでが目安で、試験対策として過去問を繰り返し解きます。
広く浅い知識を問われるというよりは、専門分野の知識を深掘りされる傾向があるため、1つの科目をしっかり勉強するのがポイントです。
独学が難しければ通信講座を受けてみる
また、独学が難しければ通信講座を受けるという方法もあります。
さらに専門学校に通うこともでき、東京であれば日本大学や、専門学校東京テクニカルカレッジなどがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上、公害防止管理者の資格や仕事について紹介しました。
公害防止管理者の仕事に馴染みのなかった方々もその仕事や資格について理解して頂けたのではないでしょうか。
資格取得を考えている方は、資格についてより深く調べてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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