
【出向と左遷】言葉の違いやメリット・デメリットについて解説
会社の中で「出向」や「左遷」という言葉を聞く機会があると思います。どちらも親会社から離れる事ですが、果たしてどちらもネガティブな事なのでしょうか?会社はどのような意図でこれらを行うのでしょうか?この記事では「出向と左遷」の目的や意図について解説していきたいと思います。
出向と左遷について
出向と左遷についての課題や悩みを解説していきたいと思います。
出向と左遷の違いや、公務員でも出向や左遷はあるのかについて、30代での出向・左遷のメリットデメリット等、出向と左遷についてみてまいりましょう。
それではまず「出向」と「左遷」の意味とその違いについて、みていきたいと思います。
出向や左遷されると給与は上がるの?
ではまずそれぞれの意味からみていきましょう。
まず「出向」とは、自身が籍を置く会社の人事異動によって系列の子会社や関連会社などに移って業務を行うことをいいます。
一方の「左遷」は、その社員の身分が引責責任等で下げられる処分のことをいいます。その際にその人をそれまでの部署から子会社や系列の会社に出向という形で移動させてしまう手もあります。
そして次に、出向や左遷によって給与は上がるのか?という疑問についてですが、出向の場合は上がる可能性が高いです。そもそもの意味で言えば、出向は「期待されている」という事です。
違った部署を経験して更に一回り大きくなって帰ってきてもらいたい、という意味があるからです。よって会社によっては出向の際に身分を上げたり給与を上げるところもあります。
反対に左遷で給与が上がる可能性はまずありません。下がることはあっても上がることはないのが「左遷」というものです。会社の出世競争に負けてしまうことでそのような状況になってしまいmす。
子会社から親会社に左遷することはない
左遷において、親会社から子会社や系列の関連会社に異動はあっても、子会社から親会社へ左遷するという事態は起こりません。
仮に子会社から親会社への辞令が出たのならそれは「栄転」と呼ばれる人事異動になります。
公務員の出向や左遷することはあるの?
公務員に出向や左遷はあるのでしょうか。
財政課は出世コースまっしぐら?
公務員にも出向という名目の異動はあります。しかし、これはあくまでも人事交流が目的のものであり、決して「左遷」的な意味合いで行われてはいません。
そして公務員の世界にも「ヒト・モノ・カネ」の要素を受け持つ部署はエリート出世街道となっているようです。
特に「財政課」に所属するということは公務員の世界では周囲の人間が羨む「出世街道」ということになるのです。
地方公務員から中央省庁へ出向することもある?
公務員の世界では地方公務員から中央省庁への出向も日常茶飯事行われています。理由は異分野体験によってネットワークを構築し、帰ってからの仕事の幅を広げる意味があるからです。
こういったケースでは、明らかに人事交流による幹部候補の育成といえるでしょう。
公務員から出世する男性のタイプ
公務員から出世する男性のタイプをまとめてみますと以下のようになります。
- タフで打たれ強い
- 調整能力が高い
- 汗をかける
公務員という職業では商品の売買という商取引がない代わりに、入ってくる税収を都合よく各部署に振り分け、予算の無駄使いや偏りがないように気を配るのが最大のテーマです。
そのためには古参職員の顔を立てつつ、署内の空気やしきたりにしたがいながら働かなけばいけません。
よって公務員で出世できる男性というのはタフで打たれ強くなっていないといけませんし、いろんな部署の調整を行える能力も磨かなければなりません。同時に自らも率先して動き回り汗をかく、という事を忘れてはいけません。
周囲の思惑や圧力をかわしつつ、雰囲気を読みしっかり働くことのできる人こそが公務員で出世できるのです。
30代で出向や左遷することのメリット・デメリット
30代で出向や左遷することのメリットとデメリットについて考えましょう。
30代で出向する3つの目的
30代で出向する目的を3つ挙げておきましょう。
- 人材育成のため
- 業績アップのため
- 企業間交流のため
上述した目的は、いずれもその人物に対して大いなる「期待」を行っているからの扱いと言えます。
会社が従業員に対して期待をしているからこそ、いろいろな職場を体験することによって視野の広さを養ってもらい、他の会社に出向してその会社の業績をあげるという実績を作ってもらいたいなどの思惑があるでしょう。他にも、異業種間交流を行って太いパイプ作りに役立てて欲しいというものもあります。
30代で出向に選ばれる人の特徴
30代で出向に選ばれる人の特徴は「できる人間」という事が挙げられます。会社がその人物に期待して出向という人事異動を行うのです。
出向先で更にスケールの大きな人物となってもらい、親会社に帰ってきた時は幹部候補として腕を振るってもらいたいのです。
もしくは業績の思わしくない会社にその人物を投入して思い切った措置をとってもらいたいのです。いずれも人材育成のため、30代のうちに出向という手を使うわけなのです。
30代で左遷を経験する理由
反対に30代で左遷を経験する理由について述べておきます。
大きな理由は「不祥事」です。懲戒解雇なみの失態を犯したものの、まだ年齢が30代という理由で会社の温情措置として左遷処分だけで留まらせたというものが考えられます。
しかし、最近においては30代のうちからリストラ候補になってしまう事もあります。
出向と左遷の中身が大きく違うことをご理解いただけたのではないでしょうか。
若手は出向や左遷をチャンスにできる
「若手は出向や左遷をチャンスにできる」という事について考えていきたいと思います。
若手で出向や左遷に選ばれる人の特徴
若手で出向や左遷に選ばれる人の特徴として考えられるのは、将来の幹部候補となり得る人物かどうかという観点です
どのような組織も人材育成は最大にして最も困難なテーマです。特に「胆力」や「打たれ強さ」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」といったスキルは画一的な環境の中では育ちにくく、新しい環境に放り込まれる事で強く成長する事ができるのです。
仕事ができないと左遷されることはある?
若手社員の時にあまりに仕事ができなさすぎて、左遷されるといった風潮を引きずっている方もいるかも分かりません。
組織というところは人が育たない事には成り立ちません。組織にとって有能な人材を育てるため毎年、若手が入社しているのです。しかし、全員が期待通りの成績をのコストも限りません。
そのため、若手のうちの措置は出向であろうが左遷であろうが全て「人材育成」のための措置なのです。よってまだ20代の人間は仕事ができないから左遷させられる、という風に捉えるのではなく、自分を鍛えてもらう機会を頂けた、と解釈すべきでしょう。
若手が出向や左遷するメリット
若手が出向や左遷するメリットは「打たれ強さ」と「胆力」を鍛えられることです。
出向先や左遷先は、親会社の環境とは大きく異なります。親会社の名前さえだしておけば何でも苦労せず獲得できるといった甘えの構造は通用しなくなるのです。
つまり自分の頭で考え自分の足を使って動き、自分の手で仕事のスピードを速める。そうしないことには困るのは自分自身になってしまうからです。
若手が出向や左遷といった処置を受けた場合、帰ってくるメリットは非常に大きい、という事になります。
銀行員にとっての出向と左遷の意味や役割
最後に、銀行員にとっての出向と左遷の意味や役割についてみていきましょう。
銀行員からの出向者は使えない?
「銀行員からの出向者は使えない」この考えは銀行という世界に足を踏み入れた経験がある方なら納得せざるを得ない考えとなることでしょう。
これについては、銀行が50歳でそれまでのキャリアに終止符を打つという特殊な環境にあるからです。
つまり、40歳を見たあたりから将来の出世の見込みのなくなった人物は出向者名簿に載る、ということになります。
そういった方々が出向先で使えないと言われてしまう事から、そのような評価が下されているのかもしれません。
銀行員の出向の割合
銀行という世界において、出向は日常茶飯事です。出向が人材育成となっているからです。
よって、割合的には圧倒的に多いのが銀行の世界といえるでしょう。
20代の若手が出向する理由
銀行の世界において20代の若手が出向する理由は「将来の幹部候補生」となってもらうためです。銀行は2〜3年したら在籍する部署を異動するのが通例です。
そうすることによって多くの現場を経験し、キャリアアップし昇進の道を進む事ができます。
よって20代の若手行員を出向させるのも当然ながら、早期のスキルアップが狙いとなります。むしろ、自ら手を挙げて外の世界を経験するくらいの意欲が欲しいところといえるでしょう。
まとめ
出向と左遷は互いに密接な関係を示しています。
左遷のようにみえても実は将来を占う重要な役目、ということも起こり得るのです。世間では左遷の事を「都落ち」と言って蔑む風習があるようですが、ピンチをチャンスに変える事ができる人もいらっしゃいます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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