
再就職手当がもらえない5つのケースと受給の条件とは|対処法も解説
新しい職場で働く時に役立つのが再就職手当です。しかし、場合によっては再就職手当がもらえないこともあります。今回は、再就職手当がもらえない理由や申請・受給のタイミングと方法、再就職手当を多くもらう方法などを詳しく解説します。
再就職手当について
再就職手当とは、ハローワークで失業手当を受給している求職者が早期に再就職した場合にもらえる、いわゆるお祝い金制度のことです。
失業手当を受給している求職者は、なるべく満額で失業手当をもらおうとして再就職活動を長期化させる傾向がありました。
そこで早期で再就職を決めてもらうために、ハローワークが始めた制のが再就職手当です。
参考:ハローワークインターネットサービス 就職促進給付
再就職手当の支給率
再就職手当をもらうためには、失業手当を給付される所定給付日数を1/3以上残す必要があります。
また、所定給付日数を残す割合によって支給率が異なります。
所定給付日数を1/3以上残して再就職した場合 | 支給残り日数の60%を支給 |
所定給付日数を2/3以上残して再就職した場合 | 支給残り日数の70%を支給 |
つまり、早く再就職するほどより多くの再就職手当をもらえるということです。
再就職手当の支給額一覧表
失業手当の残り所定給付日数と再就職手当の額について一覧表にまとめました。
所定給付日数 | 所定給付残り日数 | |
---|---|---|
支給率60%(残り日数1/3以上)の場合 | 支給率70%(残り日数2/3以上)の場合 | |
90日 | 30日以上 | 60日以上 |
120日 | 40日以上 | 80日以上 |
150日 | 50日以上 | 100日以上 |
180日 | 60日以上 | 120日以上 |
210日 | 70日以上 | 140日以上 |
240日 | 80日以上 | 160日以上 |
270日 | 90日以上 | 180日以上 |
300日 | 100日以上 | 200日以上 |
330日 | 110日以上 | 220日以上 |
360日 | 120日以上 | 240日以上 |
出典:再就職手当について
あなたが貰える金額は?再就職手当の計算方法
再就職手当の支給額の計算方法は、以下の計算式で求められます。
支給残り日数×基本手当日額×60%(70%)=再就職手当でもらえる額
例えば、基本手当日額が5000円で、所定給付日数が90日で45日以上残して再就職した場合は以下のように計算します。
45日(支給残り日数)×5000円(基本手当日額)×60%(1/3以上の日数のため)=135,000円(再就職手当でもらえる額)
再就職手当の基本手当日額の上限額
再就職手当の上限額は年齢によって異なります。
上限額について、以下の表でまとめました。
離職時の年齢が60歳未満 | 上限額6,120円 |
離職時の年齢が60歳以上65歳未満 | 上限額4,950円 |
上記金額は、毎年8/1に毎月勤労統計の平均給与額の結果によって変わるため、厚生労働省のホームページより確認するようにしましょう。
参考:厚生労働省 毎月勤労統計
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▶︎再就職手当の支給が遅い?いつ?最短でどのくらい?手続きの流れは?
再就職手当がもらえない5つのケース
新しい職場で働くことを支える再就職手当ですが、場合によっては、再就職手当がもらえないこともあります。
再就職手当がもらえない理由は、以下の5つです。
- 失業保険の基本手当を受け取る残日数が不足している
- 雇用保険加入者ではなかった
- 過去3年以内に再就職手当を受給している
- 待機期間に再就職を行う
- 前職へ出戻りまたは関連会社への再就職
ここでは、再就職手当がもらえない5つの理由について、それぞれ詳しく解説します。
理由①: 失業保険の基本手当を受け取る残日数が不足している
失業保険の基本手当を受け取る残日数が不足している場合、再就職手当を受け取ることはできません。
再就職手当を受け取るためには、最低でも、基本手当を受け取ることができる失業保険受給期間のうち3分の1以上残した状態で再就職することが必要です。
理由②:雇用保険に加入していない
再就職手当は、雇用保険から出ているものです。
したがって、雇用保険に加入していない場合は、再就職手当の支給は受けられません。
理由③:再就職手当を過去3年以内に受給している
直近3年間において再就職手当を受給した経緯がある被雇用保険者は、再就職手当はもらえません。
再就職手当目当てで就職・退職を繰り返す人を増やさない目的です。
理由④:待機期間に再就職する
「待機期間」に再就職した場合も、再就職手当はもらえない決まりです。
失業手当も再就職手当も待機期間が一定日数設けられています。
待機期間は「本当に失業保険の支給が必要な状態にあるのかどうか」を見極めるためのものです。
待機期間中に再就職した場合、失業していないので失業保険を支給する必要はないと判断されます。
失業保険が支給されないということは、再就職手当額を算出するための基本手当が発生しないということです。
したがって、待機期間中に再就職した場合、再就職手当はもらえないということになります。
理由⑤:前職へ出戻りまたは関連会社への再就職
再就職手当は、前職との関連している会社に再就職するともらえません。
また、前職との取引先の会社でも前職と関連があると判断されてしまいます。
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再就職手当は開業者・パートやアルバイトももらえる
正社員でないともらえないと思われがちな再就職手当ですが、そうではありません。
雇用保険者であれば、どのような立場であっても条件を満たせば再就職手当が支給されます。
パート・アルバイトでも、被雇用保険者であれば再就職手当の対象 です。
また、失業保険を受ける立場になった後に再就職するのではなく、 個人事業主になって開業する場合も再就職手当を受け取れます。
個人事業主になる場合は、「その事業を1年以上継続する意思があること」を認められれば、再就職手当が支給されます。
「1年以上継続する意思があること」を証明するには、業務目的で購入した各種用品の領収書、業務計画書などを提出する必要があります。
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再就職手当の申請方法と支給されるタイミング
ここでは、再就職手当の申請方法と再就職手当がもらえるタイミングについてみていきましょう。
ハローワークでの申請方法の流れ
ハローワークで再就職手当を申請方法は、以下の流れです。
1. 再就職先から「採用証明書」をもらいハローワークに提出する
2. ハローワークから「再就職手当支給申請書」をもらう
3. 必要な項目を記入し、再就職手当支給申請書をハローワークに提出する
4. 再就職手当の受給の認定を受けた後、認定された「再就職手当支給申請書」と「雇用保険受給資格者証」の2種類の書類をハローワークに提出する
ハローワークから配布される「受給資格者のしおり」にも詳しく記載されているため、そちらの資料もあわせて確認して見てください。
参考:再就職手当支給申請書
再就職手当を申請する期間は再就職初日〜1ヶ月の間
再就職手当を申請する期間は 再就職初日〜1ヶ月の間 までになります。
もし申請期間を過ぎてしまっても、 再就職手当の時効である2年間以内に申請すれば手当を受け取れます。
再就職手当の支給されるまでの期間は1ヶ月ほど
再就職手当の受給が認められ、実際に支給されるまでは約1ヶ月です。
再就職手当の受給が認められ次第、ハローワークから「再就職手当支給決定通知書」が送られてきます。「再就職手当支給決定通知書」をハローワークに提出した1週間後が支給日の目安です。
再就職手当を多く貰うためには?
再就職手当は、状況に応じて金額が変化します。
ここでは、再就職手当をなるべく多くもらえる方法について解説します。
早めの再就職を心掛ける
冒頭でも少し触れたように、基本手当支給の残日数が失業保険給付期間の3分の1以下になると再就職手当は支給されません。
再就職手当の支給を受けたいのであれば、最低でも残日数を3分の1以上残して再就職しましょう。
反対に、残日数が3分の2以上残っている状態で再就職した場合は「基本手当日額×残日数×0.7」の再就職手当が支給されます。
つまり、再就職のタイミングが早ければ早いほど支給率が高くなるため、再就職手当を多くもらえる仕組みです。
できるだけ早めの再就職を心掛けましょう。
就業促進定着手当を申請する
再就職手当をもらい再就職先で6ヶ月以上雇用され、その間の給料が離職前の給料よりも低い場合は「就職促進定着手当」を受給できます。
就業促進定着手当の申請期間は、再就職先で6か月以上勤務してからの2か月間で、その間に申請する必要があります。
申請期間を過ぎると、申請自体ができなくなり、就業促進定着手当がもらえないということになってしまいます。
参考:ハローワーク 就職促進定着手当について
まとめ
再就職手当を受け取るためには、失業保険給付期間を3分の1以上残した状態で再就職することが必要です。
雇用保険加入者であり、直近三年間で再就職手当を受けた経緯がなく、待機期間中に再就職していないことも条件となっています。
パート・アルバイトでも、再就職ではなく個人事業主となる場合でも、雇用保険に入っていれば再就職手当を受け取ることは可能です。
再就職手当とは別に就業促進定着手当を受け取ることもできます。
就業促進定着手当の申請を忘れると、これがもらえないということになるので注意しましょう。
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