
【外資系投資銀行について】業界ランキングや知っておくべきことをご紹介
皆さんは外資系投資銀行と聞いてどのようなイメージを持たれたでしょうか?多くの方は、第一印象として高いスキルが要求される大変な職場というイメージでしょう。今回はそんな外資系投資銀行、通称外銀について説明していきます。ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
外資系投資銀行(外銀)を目指すために知っておくべきこと
外銀とはどんな企業?
外銀とは、企業向けに外資系の資金調達等、資金面でのサポートを行う金融機関のことです。そして、そのサポートの方法は大きく分けて2つあります。それは証券の引受業務とM&Aの仲介業務です。
まず証券の引受業務とは、すなわち企業の資金調達のために債券や株式の発行をお手伝いすることです。
もし仮に企業が新しい機械を設置したいとなった場合に2000万円かかるとして、外資銀行はその2000万円を債券として売り資金調達を行うために、その債券を購入してくれる投資家を探します。これが証券の引受業務の主な仕事内容です。
次にM&Aの仲介業務とは企業間の買収のお手伝いをすることを指します。多くの場合は大手企業が小規模な企業を買収して、事業規模の拡大を図ります。
そのメリットとして買収した企業の実店舗を活用することで、自社自ら新しい実店舗を建てるコストを大幅に削減することができます。
しかし、このM&Aを行う際の買収価格や法的な手続き等の処理など企業間だけでは解決できないことが多くあります。
そのため、専門家であるM&Aの仲介業者が立ち会うことになります。外銀はその中で財務関連の仲介を担当します。主に買収価格の決定や合併後の資金管理の仲介等です。
外銀を取り巻く業界の現状
近年では、M&A市場の拡大によりM&A仲介業務において外銀の活躍する頻度が多くなったと言えます。
大きな例として検索エンジンを提供するGoogleは、モバイル向けOSを開発するAndroid社を買収し、スマートフォン市場に参入しました。他にもFacebookがinstagramを買収するなど市場の拡大を図っています。
しかし、忘れてはならないのが外銀のピンチであったともいわれるリーマンショックです。このリーマンショックはサブプライムローン問題がきっかけで米系の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことにより世界レベルで発生した恐慌のことを指します。
これによりトップ投資銀行5社が消滅するという非常事態が発生し、投資銀行の不安定なビジネスモデルが浮き彫りとなりました。
それ以降、純粋な投資銀行というものはなくなり、他企業に買収されたり、経営体制を変えるなどして今日まで経営を守り続けています。
今後もしM&Aが失敗続きに終わるという事態が起きた場合、M&A戦略から企業の足が遠のくことがあるかもしれません。
そうすれば外銀の利益も減少してしまいます。要するに外銀はその時の環境によって大きく業績が左右されるということです。
外資系投資銀行(外銀)TOP3
ここでは、日本で存在感を放つ外銀TOP3をご紹介していきます。
ゴールドマン・サックス
就活生の間で外銀と言われればここという人が非常に多いようです。ゴールドマン・サックスは日本市場でも業界No.1を誇る米系投資銀行です。
長年メインとして行ってきた投資銀行業務の中でも特にM&A仲介業務では、6年連続で世界1位を維持し続けています。
その理由としてM&A仲介業務では、大きな案件に留まらず小規模な案件も担当する幅広い戦略により、企業から圧倒的な信頼を得られているからです。
まさにトップの器と言えるでしょう。
モルガン・スタンレー
ゴールドマン・サックスの次に人気が高い外銀にモルガン・スタンレーがあります。1933年のグラス・スティーガル法により、J.P.モルガンから分離した米系の投資銀行となっています。
このグラス・スティーガル法とは、世界恐慌の時代に証券業務と銀行業務の分離を図ることを定めた米国の法律です。証券側がモルガン・スタンレー、銀行側がJ.P.モルガンとなっています。
また、三菱UFJフィナンシャルグループと提携を結んでおり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券という名で展開されています。日本最大級の金融グループの顧客基盤を得られたことで日本市場でも高い信頼を獲得しています。
メリルリンチ
メリルリンチは米系の金融グループである、バンク・オブ・アメリカに属する外銀です。
リーマンショック後に経営不能な状態に陥ってしまい、バンク・オブ・アメリカに吸収されバンク・オブ・アメリカ メリルリンチという名で現在も展開しています。
メリルリンチは、アメリカの中でも巨大な商業銀行であるバンク・オブ・アメリカをバックに持つため、安定した事業基盤を確立することができています。また、元から名のある外銀であったため、今でも根強い人気を誇っています。
主要外資系投資銀行一覧
では、先ほど紹介したものの他に主要とされる外銀の一覧をご紹介していきます。
主要外資系投資銀行一覧と特徴
「シティ・グループ証券」は世界160以上の国と地域に約2億の顧客口座を持つ、世界最大級の規模を有する米国系の金融機関シティバンクの証券部門です。
法人、政府および団体を対象として、法人・投資銀行業務、証券業務、トランザクション・サービス、資産管理等の分野で様々な商品やサービスを提供しています。
「UBS銀行」は「お客様の成功こそが私たちの成功」というスローガンを設定し、顧客と1対1で向き合う関係性を重視して業務を遂行しています。
日本で展開されている事業は、UBS証券株式会社、UBS銀行東京支店、UBSグローバル・アセット・マネジメント株式会社の3法人です。また、中核ビジネスとしてプライベートバンクがあり、ウェルスマネジメント業務には定評があります。
他にも、英国最古の巨大金融機関、バーグレイズ証券や、ドイツ系総合金融機関のドイツ銀行、スイスのチューリヒに本社を置くクレディ・スイスなどがあります。
最近の主なM&A実績
シティ・グループ証券の主な実績として、2017年に三井住友海上保険によるシンガポールの保険会社の買収が行われました。買収金額は1755億円に上ります。
UBS証券の主な実績として、2018年に日立製作所によるABB社(スイス)、パワーグリッド事業買収が行われました。買収金額は7040億円に上ります。
また、バークレイズ証券では、2016年に8900億円にも上るアサヒグループによるABIの中東5カ国のビール事業買収が、ドイツ銀行では、2013年に2兆円にも上るソフトバンクのスプリント(米国携帯電話会社)の買収が、クレディ・スイスでは2015年に9400億円にも上る東京海上日動火災保険の米国保険会社HCCインシュランス・ホールディングスの買収がそれぞれ行われています。
高学歴でなくても外資を目指すには
外資系の企業は一見すると、超エリートたちが集うような印象に捉えがちですが、果たして高学歴でなくとも就職は可能なのでしょうか?
新卒だけでなく、転職も含めた長期キャリアを考える
仮に中堅大学を卒業したての新卒が外資コンサルを目指すためには相当レベルの高い就活が必要とされます。
早々に、難関と言われている一次選考が立ちはだかり、グループディスカッションにおいては、頭の回転が切れ、議論の趣旨を正確に把握して発言することができるような高学歴エリート層と合同で行うことになります。
大半の中堅大学の新卒はその時点でふるい落とされてしまうのが目に見えています。
そこで新卒の内定は諦め、別の企業でコツコツと実力を積み重ねていき、転職などのセカンドキャリアにおいて外資コンサルを目指すというのも一つの方法です。
新卒とは違い、実績がものをいうため、努力次第ではあっさりと採用が決まってしまうこともあるかもしれません。
実際の採用実績
よく言われるのは、たとえMARCHクラスでも新卒で戦略系外資コンサルに入るのは難しいということです。
総合系コンサルティングファームであればなんとか範疇に入ってくるでしょうが、それでも相当な実力が伴わなければなりません。
しかし採用実績としては、MARCH5校、また関西、関学、同志社、立命館、関関同立の他主要な大学はほとんどあります。そして、近年では新卒の採用に力を入れる企業も多く点在します。
要するに外資系コンサルはそれ相応の実力を付ければ、たとえ中堅大学の新卒であれ、採用は十分にあり得るということです。
まとめ
いかがでしたか?今回は、外資系投資銀行について主に説明してきました。
見ていただければ分かるように、特にM&A事業では莫大な金額が動くコンサルティングを外銀が請け負うことになります。
やはりこれだけの規模の仕事をこなすには、相当なスキルと知識量を習得しておかないと歯が立ちません。エリートと呼ばれる人達が活躍するのはこのためです。
しかし、他の企業から外資系コンサルに成り上がる人も少なからずいます。学歴で振り落とされたのなら、まずは下積み経験を積んで、様々な状況に臨機応変に対応できるような人材に成長してから再度挑戦してみるのはいかがでしょうか?
読んでいただきありがとうございました。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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