【通勤手当の距離区分】限度額・距離の測り方・誤りなどについてご紹介

マイカー通勤をする場合、一定額までは非課税になり、所得税はかかりません。ここでは、マイカー通勤手当距離区分と非課税限度額について解説します。

マイカー通勤手当距離区分

電車やバスなどの交通機関を利用する場合、通勤手当の非課税の限度額は月額15万円です。

一方で、マイカー通勤をする場合は、自宅から会社までの距離によって非課税の限度額が変わってきます。

国税庁が公表している、マイカー通勤・バイク通勤・自転車通勤をする従業員の通勤手当の非課税限度額は次のようになります。

1. 　2キロメートル未満の場合は、全額課税
2. 　2キロメートル以上、10キロメートル未満の場合は、1か月当たり4,200円
3. 　10キロメートル以上、15キロメートル未満の場合は、1か月当たり7,100円
4. 　15キロメートル以上、25キロメートル未満の場合は、1か月当たり12,900円
5. 　25キロメートル以上、35キロメートル未満の場合は、1か月当たり18,700円
6. 　35キロメートル以上、45キロメートル未満の場合は、1か月当たり24,400円
7. 　45キロメートル以上、55キロメートル未満の場合は、1か月当たり28,000円
8. 　55キロメートル以上の場合は、1か月当たり31,600円

引用：国税庁 タックスアンサー No.2585

参照：No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当｜国税庁

マイカー通勤手当距離と限度額

上記の非課税限度額によると、自宅から会社までの距離が2キロメートル未満の場合、通勤手当の全額が所得税の課税対象となるため注意しましょう。

自宅から会社までの距離が2〜10キロメートル未満の場合、通勤手当の非課税枠である4,200円を超えると、4,200円を超えた分については所得税がかかります。

例えば、通勤手当として5,000円を支給している場合だと、800円（5,000円－4,200円）が所得税の課税対象になります。

マイカー通勤をする場合の通勤手当の支給額は距離によって変わってきますが、では、自宅から会社までの距離はどのような方法で計測するのでしょうか。ここでは、通勤手当の距離の測り方を説明します。

会社との直線距離？

最も簡単な距離の測り方は、地図と定規を使って直線距離を測る方法です。ただし、直線距離は実際の距離よりも短くなるため、通勤手当の支給額は少なくなります。

通勤手当の距離は直線距離を採用しても問題ありませんが、労働者にとっては通勤手当の支給額が減って不利になりますので、直線距離を採用するケースは少ないです。

通勤手当距離は通勤経路で決めるべき？

直線距離は簡単に計測できますが、実際の距離とは大きくかけ離れます。本来の距離は通勤経路で変わってくるため、通勤手当の距離は実際の通勤経路を計測するのが望ましいです。

実際の通勤経路に基づいて距離を測る方法として、車のトリップメーターを使用するという方法がありますが、グーグルマップ（GoogleMap）やナビタイム（NAVITIME）を使うとかなり正確に計測できます。

通勤手当の距離は、グーグルマップやナビタイムを使うと簡単に計測できますが、グーグルマップやナビタイムで計測した距離は有効なのでしょうか。ここでは、通勤手当の距離の計測にグーグルマップやナビタイムは有効なのかを明らかにします。

通勤手当距離にグーグルマップは有効？

通勤手当の距離の計測にグーグルマップが有効なのかは勤務先の会社によって違いがあります。そもそも、通勤手当は必ずしも支給する必要はなく、通勤手当を支給するかどうかは会社が自由に決められます。

通勤距離の測り方も特に定めはないため、グーグルマップで通勤距離を計測してもよいと会社が認めている場合は、通勤手当の距離の計測にグーグルマップは有効です。

グーグルマップを使って通勤距離を計測する方法はとても簡単で、出発地を自宅に設定して目的地を会社に設定すると、最短ルートの通勤距離と通勤時間が表示されます。

通勤手当距離に乗換案内での距離は有効？

乗換案内のスマートフォンアプリのナビタイムも、出発地と目的地を自宅と会社に設定すると、グーグルマップと同じように通勤距離と通勤時間が表示されます。

グーグルマップと同様に、会社が通勤距離の算定にナビタイムの使用を認めている場合だと、通勤手当の距離の計測にナビタイムは有効です。

グーグルマップやナビタイムの他にも、通勤距離を計測できるアプリはありますので、会社が距離の計測に認めていれば、他のアプリを使って通勤距離を計測することは可能です。

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通勤手当の距離に誤りがあった場合はどのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、通勤手当の距離に誤りがあった時の対処方法について説明します。

通勤手当距離の意図的な誤り

通勤手当の距離の計測方法は会社が決めますので、従業員は会社が定めた方法で通勤距離を計測して申告することが必要です。もし、意図的に実際よりも多く通勤距離を申告した場合は、会社側から修正を求められます。

例えば、通勤距離が2キロメートル未満だと通勤手当の支給がない場合、実際の通勤距離は2キロメートル未満であるにも関わらず、2.1キロメートルと嘘の申告をして通勤手当の支給を受けていた場合は不正受給になり、懲戒免職処分を受けたり、通勤手当の支給が中止になることがあります。

意図的な誤りに対する対処方法

通勤距離を実際よりも多く申告して通勤手当の支給を受けていた従業員に対しては、通勤手当の減額や支給中止などで対処するケースが多いです。対処方法は会社が自由に決められますので、従業員は会社が決めた方針に従って、通勤距離の再計測などを行うことになります。

なお、悪質な不正受給と判断された場合は、懲戒免職などの重い処分を受けることもあり、不正受給分は企業に返還することが必要です。

マイカー通勤の通勤手当は距離によって非課税限度額が決められます。

マイカー通勤の通勤経路の距離を計測する際には、会社が認めているとグーグルマップやナビタイムで計測することができます。

通勤手当の距離が意図的に誤っていた場合は不正受給とみなされることがあり、悪質な場合は懲戒免職などの重い処分を受けることがあります。