
求められる柔軟な対応!高年収を狙う。総合商社が激務なワケを解説
みなさんは総合商社と聞くとどんなイメージがありますか?就活をする学生にも人気の高い総合商社ですが、一方で激務と捉えられることも少なくありません。では総合商社が激務と言われる理由は何なのでしょうか?今回は総合商社の一例や総合商社社員の平均年収、そして激務と言われる理由などをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください!
総合商社とはどのような業態の企業なのか
日本独自の業態であるといわれる総合商社は「ラーメンから航空機まで」と表現されるように取り扱う商品やサービスが極めて多いとされます。
現在、国内において総合商社と呼ばれる会社は7社が存在します。
1.三菱商事
2.伊藤忠商事
3.住友商事
4.三井物産
5.丸紅
6.豊田通商
7.双日
今回は総合商社のビジネスモデルと働き方について紹介していきます。
商社は総合商社と専門商社に大別される
商社とは、輸出入貿易および国内の物資の販売業務を中心に商業を営む会社の事であり、幅広い商品やサービスを取り扱う総合商社と特定の分野に特化した商品やサービスを取り扱う専門商社の2つに大別されます。
近年、総合商社では発電などのエネルギー関連、社会インフラなどの大型プロジェクトが行われていて、中でも住友商事の「ジュピターテレコム」や丸紅の「水ビジネス」はとても有名です。
ジュピターテレコムは、1995年に住友商事のメディアや生活関連事業を牽引する会社として設立し、現在は日本最大のケーブルテレビ企業となりました。
丸紅の水ビジネスは、社会インフラの中で最も重要な「水」を事業化し、フィリピンやポルトガルやブラジルなどの上下水道事業への参入や中国やペルーで浄水処理事業を行うなど、国外へと活躍の場を広げています。
専門商社では専門知識を用いたマーケティング力やネットワークを活用し、顧客との取引といったトレードが主な業務といわれ、中には複合型専門商社と呼ばれる特定分野が複数ある商社もあります。
また、総合商社の傘下にある専門商社という関係性も数多く存在します。
※三菱商事(総合商社)→三菱食品(専門商社)
総合商社は日本特有のビジネスモデル
総合商社は戦前からある日本特有のビジネスモデルです。
かつては10社の総合商社が存在し、戦後の復興期や高度成長期において日本経済を牽引してきましたが、バブル経済の崩壊や経済体力の低下などの経緯を経て現在の7社に再編された過去もあります。
なぜ日本にだけ総合商社が存在するのかという疑問が浮かびますが、このように戦中から戦後にかけて日本の枠組みが大きく変化をしていく中でも、商業の発展に貢献するという不屈の力が大いに関係しているのではないかと思われる場合もあります。
変革を続ける総合商社は日本が世界に誇れるビジネスモデルといっても過言ではありません。
総合商社の仕事が激務といわれるのはなぜか
就活をする学生にも人気の高い総合商社ですが、一方で激務と捉えられることも少なくありません。
総合商社が激務と言われる要因について掘り下げていきます。
取り扱うビジネスの規模が大きいから
これまででも説明した通り、総合商社は取り扱う商品やサービスの規模が幅広く大きいところが最大の特徴です。
そのため、必然的に対応する顧客の数や扱う商品などの数も多く、仕事の量が増えてしまう事は言うまでもありません。
大型のプロジェクトが始まるとさらに忙しさが増し残業や休日出勤、海外出張も増え中々定時で帰る事も難しくなってしまいます。
また、商社の方針によっては転勤を余儀なくされる場合もあり国内だけではなく発展途上国などの海外にも行く可能性もあるのです。
時差がある海外とのやり取りが多く発生するから
総合商社では海外との取引も珍しくありません。
そのため、相手の国の時間に合わせなくてはいけない事も多く、交渉のため直接現地に赴いたり繰り返し訪問したりするので、日本と海外を往復しなければならない時があります。
当然、時差の考慮も必要になり体調管理に気を配る必要も出てきます。
このような事から想像できるように、長距離を何度も移動することに耐えるだけの体力がなければ身体を壊してしまう可能性もあります。
取引先への柔軟な対応や接待が必要だから
当然、取引先との関係は良好にしておく必要があり、人脈は絶えず維持しておかなくてはなりません。
商売相手として契約を結ぶかもしれない相手から、飲み会などに誘われた場合はいかなる理由があっても断るのはご法度と言われるほどです。
また、このような接待は役職が上がるにつれて増えてきますので、人間関係でのストレスも溜まり精神的にも疲弊してしまうことも容易に想像できます。
仕事ばかりになってしまい、家族と過ごす時間が少なくなってしまう事も辛いところです。
総合商社の社員の年収はどのくらいか
様々な事業を展開していることから、総合商社の年収は全体的に高いといわれています。
総合商社の平均年収
7社の総合商社の平均年収は以下の通りになります。
1.三菱商事 :15410000円
2.伊藤忠商事:14610000円
3.三井物産 :14200000円
4.丸紅 :13221000円
5.住友商事 :13042000円
6.双日 :11031000円
7.豊田商事 :10600000円
7社の中で最も平均年収が高い三菱商事は、インフラ事業やエネルギー事業、生活産業の他不動産や物流、企業への投資など非常に幅広い事業展開をしているのが特徴です。
だが他の業界よりも年収が高い
実際に他の業界に比べると、総合商社の年収は高い水準にある事が分かります。
コンサルティング :12700000円
総合商社 :12450000円
テレビ局 :9000000円
証券 :7300000円
自動車 :7200000円
電機・家電大手 :7000000円
生命保険・損害保険:6900000円
物流業界 :6800000円
銀行 :6750000円
不動産 :6600000円
年収が多い分、求められる知識や技能が多く負担もかかりますが、やりがいのある仕事でもあるのです。
総合商社は職種によらず激務なのか
最後に職種による勤務状況の違いについて見ていきます。
総合商社の営業職の働き方は取引先次第
総合職といわれる営業は取引先とのやり取りをする機会が最も多いため、相手によって勤務状況が変わってきます。
例えば、取引をする相手が海外商社だった場合は相手の国の言葉で話を進めなくてはいけないため一定の語学力が求められます。
また、普段の業務の他に取引先とのゴルフコンペや接待などの付き合いも欠かすことができませんし、接待する日が休日であっても休日出勤とはみなされずプライベートとして扱われることが多いのです。
さらに、仕入先や取引先、自社との間で板挟みになる事も多いので、上手に立ち回りできるようにしなくてはなりません。
経理などの管理部門は勤務時間の目途が立ちやすい
経理職とは、伝票作成や入力、申告書の作成、会社の経営管理を行うための予算編成、営業経費や給料の支払いや預金の出納など会社の様々な管理を行う仕事です。
そのため、集計などの入力作業ではミスは許されずパソコンのスキルも必要になってくるので、営業とはまた違った難しさがあります。
しかし、経理部の中では正社員、パートや派遣社員など様々な雇用形態の方が異なる役割を担い働いています。
これはその企業の業務内容によって様々なタイプの求人が発生することから、週数日や短時間勤務などの条件で採用されるため、子育て中の主婦や資格取得を目指して派遣で働く男性など、自分の生活スタイルにあった働き方を選ぶ事ができるからです。
よって、経理などの管理部門の仕事は営業と比べ勤務時間の目途が立ちやすい場合があるといわれます。
まとめ
以上、総合商社について解説してきました。
日本特有のビジネスモデルといわれる総合商社は、取引先や会社の方針によって拘束時間が多く激務といわれるのも当然な仕事です。
しかし、大型プロジェクトに関わり国や経済の発展に繋がる仕事をこなしていく事は、何事にも代えがたいやりがいを感じることができます。
この記事をみて、少しでも総合商社への理解を深めていただければ幸いです。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。