・高級鋼を安く作ることを強みとしている。ただし、それは従来の高炉転炉法での話であり、電気炉で従来と同品質の鉄を多量に作るとなると完全に未知の領域。それでも尚自社開発にこだわっているため、海外メーカーには負けると思われる。
カーボンニュートラルに向けて試行錯誤していると思うが、将来的には不安がある。中国やその他アジア諸国が鉄鋼技術を伸ばしてきており、日本がいつまでもアジアを引っ張っている時代ではなくなっている。
現代社会において欠かすことのできない製品を製造しているが、業界は斜陽産業であり、脱炭素社会の実現に向けて厳しい立場にある。自社だけでなく、官民連携し実現に取り組まなければ将来はない。
今後の国内人口の減少やインフラ需要を考えると、鉄の需要は低下していくと考える。国内事業のコスト改善を行い、早い段階で海外の事業投資を活発に行えば、生き残る可能性はあるだろう。それでも20年以内に大幅な人員削減が行われることは間違いないと思う。
脱炭素の動きもあり、鉄鋼業の将来性については不透明。
人材の良さが元となって育まれた技術力に強みを持っている。その結果、鉄鋼製品ほぼ全ての品種をカバーしていながら、各品種に少なくとも一つは競争優位性のある商品をもっていたりする。また、高卒大卒問わず、新卒から生え抜きの社員を大事に育てていくので、会社・工場・人間関係に精通した人員が多数おり、チーム間の連携を中心とした現場力、生産技術力が非常に高いと感じる。今後の鉄鋼業で一番の課題となるカーボンニュートラル対策では、最も強い存在感を放つことが期待できる。 さらに、収益性は一時期低迷していたが、近年鋼材価格の大幅な釣り上げに成功しており、さらに海外進出にも本腰を入れ始めているため、これも今後は期待ができる。 一方で、日本がスクラップ輸出国となった今、国内の高炉を電炉に切り替える条件が整いつつあるが、その技術的ハードルを乗り越えられるかどうかが今後の当社の命運を分けると考える。これが可能であれば、収益を保ちつつ、海外途上国への高炉建設及び技術移管を推進することができ、さらなる成長を遂げられる。
現状海外戦略がうまくいけば稼ぐ力は伸ばしていける。ただし中国鋼材による市況悪化など自社でどうにもならない外部環境による収益悪化は常につきまとう。国内の高品質鋼材をいかに海外ミルでも製造できるように技術移管できるかも重要な課題。 国内では製鉄所が点在しているため国内他社と比べて高効率化できていないのは弱み。