イノベーションの意味とは｜例文や使い方、定義をわかりやすく解説

シュンペーターが提唱するイノベーションの意味とは

プロダクト・イノベーションの意味とは

プロダクトイノベーションとは、「今までにない画期的な新製品を開発することで、世の中に新たな価値を創造する」イノベーションです。

具体的な例として、昭和時代のカラーテレビ、クーラー、自家用乗用車、近代であればスマートフォンやAIがあります。

プロダクトイノベーションは、社会全体に与えるインパクト自体が大きく、業界や人々の生活に大きな変化をもたらすイノベーションです。
 

プロセス・イノベーションの意味とは

プロセスイノベーションとは、「商品やサービスを作り、それを流通させる手順や工程（プロセス）そのものに大きな変革をもたらす」ことを意味します。

それにより効率的かつ費用対効果を大きく得ることもできます。

代表的な例が、「人がやっている仕事を、AIなどの機械が行う」ということです。

機械が作業を行うことで、マンパワーを別の仕事へ注力できるようになるためさらに効率的になります。
 

マーケット・イノベーションの意味とは

マーケット・イノベーションとは、「これまでどの企業も参入していない新しい市場を開拓し、今までとは異なる顧客や需要、販路を開拓していくこと」を意味するイノベーションです。

マーケット・イノベーションは「ブルーオーシャン」とも呼ぶことができ、開拓が成功すれば大きな利益を得ることもできます。

具体的な例として、スマートフォンのゲームアプリがあります。

これまでは家庭で行うゲーム機（PlayStationなど）や専用のデバイス（PSPなど）が主流でしたが、スマートフォンのゲームアプリが登場したことで、ゲーム機がない人でもスマホで手軽にゲームへ参加できるようになりました。

 

サプライチェーン・イノベーションの意味とは

サプライチェーン・イノベーションとは、「製品を製造するための原材料の仕入れ先や、消費者への供給ルートなどに大きな変革をもたらす」ことです。

サプライチェーンとは、企業の製品やサービスの流れなどを指します。

供給（仕入れ、製造、輸送、販売など）に関する全ての過程において、イノベーションを起こすことで大幅なコストダウンを狙うことができます。

代表的な例は、Amazonが物流のスピードを上げるために専用のジェット機を保有したことなどが挙げられます。

 

オーガニゼーション・イノベーションの意味とは

オーガニゼーション・イノベーションとは、「会社の組織を変革し、その企業や業界全体に影響を与えること」を意味します。

企業がこれまでの年功序列制度を廃止し、新入社員でも能力や実績に応じた給与が支払われたり、昇進したりするのもオーガニゼーション・イノベーションと言えるでしょう。

 

クリステンセンが提唱するイノベーションの意味とは

持続的イノベーションの意味とは

持続的イノベーションとは、「既存の顧客や市場から求められている価値を、さらに向上させることで満足度を上げる」イノベーションで、創造的イノベーションとも呼ばれます。

具体的な例として、自動車の改良を行い低燃費化やより高性能な車へとチェンジさせることが挙げられます。その他にも、Webサービスの向上やLED電球の発明も持続的イノベーションの1つと言えるでしょう。
 

破壊的イノベーションの意味とは

破壊的イノベーションとは、「既存の製品やサービスなどの価値を落としてでも、全く新しい市場を作り出す」ことを指します。

これは1997年に故クレイトン・クリステンセン氏の著書で提唱された、イノベーションに関する概念です。

具体的な例として、ロボット掃除機ルンバが挙げられます。

ルンバが登場するまでは、掃除は人が行うものであり、汚れをいかに綺麗に落とせるかに焦点をあて製品の開発が進んでいました。

しかし、ルンバが登場したことで「掃除は人が行うもの」という概念が崩れ、簡単な掃除であればルンバでも対応できるようになっています。

 

チェスブロウが提唱するイノベーションの意味とは

クローズドイノベーションの意味とは

クローズド・イノベーションとは、「製品の開発を自社内で研究することから始め、活用資源も自社内部と限定し製品化までを一貫して手掛け新たな価値を生み出すこと」を言います。

研究開発のノウハウが溜まるため、独自の技術があるということが強みですが、自社内部の資源不足や急な市場の変化に対応できないという点があります。

最近では、このクローズドイノベーションから脱却し、外部の企業と協業して新しい技術やサービスを作り出す、「オープンイノベーション」に取り組む企業が増えてきました。

このように、自社のノウハウと外部のノウハウを掛け合わせ、これまでにない新たな製品やサービスを作り出す企業が増えています。
 

オープンイノベーションの意味とは

オープン・イノベーションとは、「企業内部のノウハウと外部のノウハウとを掛け合わせ、価値を生み出すこと」です。

具体例として、他社や他の研究機関といった社外に存在する施設やノウハウを公募したり、異業種（異分野）のパートナーと新たなビジネスを協創したりするような取り組みがされています。

オープン・イノベーションの目的としては、異分野同士を掛け合わせることで革新的な製品・サービスの創出、大規模化な研究開発費の負担軽減などが挙げられます。