【オフショアリングの課題とは？】メリットやデメリットなどご紹介します

ビジネスのグローバル化に伴い、あらゆる企業で導入されているのが「オフショアリング」です。

今回は、「オフショアリング」のメリット・デメリットや「オフショア開発」についてまとめてご紹介します。
 

オフショアリングのメリットとデメリット

「オフショアリング」とは、英語の「offshore（海岸から離れた）」からきている言葉です。

経済用語としては、企業の業務の一部もしくは全部を海外にその拠点を移すことを意味します。その最大のメリットは、人件費などのコスト削減が挙げられます。

また、国内では確保できない優秀かつ多様な人材を獲得することで、企業として新しい考えや柔軟性を得ることもできるというのは、大きなメリットといえるでしょう。

一方デメリットとしては、海外で労働力を確保することにより国内での雇用問題に影響する可能性があるという点が挙げられます。

また、自社の技術やノウハウを海外で活用することで、流出の危険性もあります。

遠隔であっても、緊密なコミュニケーションをとり、徹底した管理を実施することが重要な課題になるでしょう。
 

オフショアリングの課題

先述の通り、海外に業務を移管することで、指示や管理を遠隔で行うことによる誤解や品質低下などの課題はあります。

さらに、現在オフショアリングしている地域での人件費が高騰するなどの市場変動なども今後課題になると考えられています。
 

オフショアリングを成功させる方法

オフショアリングを成功させるためには、次の方法を徹底することがポイントになります。

1. コスト削減以外のオフショアリングのメリットを明確化
2. 海外に拠点を置くことによる、技術やノウハウ・人材流出を防ぐためのリスクヘッジ
3. 現地スタッフとの遠隔でのコミュニケーションの緊密化と人材育成の強化

ここでは、「オフショアリング」と同じような場面で多用されている「アウトソーシング」について確認しておきましょう。
 

オフショアリングとアウトソーシングの違い

「アウトソーシング」は、国内外を問わず業務の一部を社外に委託することを指しており、業務を海外に移すことを意味する「オフショアリング」とは全く異なることを留意しましょう。

国内か国外か、社内か社外と業務の所在を区分する表現として理解するとわかりやすいです。
 

オフショアとアウトソーシングの導入事例

「オフショア」と「アウトソーシング」は組み合わせて導入されることがあります。

その例が、企業が一部の業務を国外企業に委託するという事例です。

海外のアウトソーシング企業に業務委託する形式になるので、導入には言語を含めて多くの課題はありますが、コスト削減を目的として実施している企業は存在します。
 

海外アウトソーシングのメリット

海外アウトソーシング、つまりオフショアアウトソーシングのメリットは、やはり人件費削減が一番に挙げられます。

委託する業務によっては、国内だと人件費が高騰する専門的スキルを有する人材が必要となる業務も、海外アウトソーシング企業に委託することで低コストで高いレベルのサービスを得ることができます。

ここでは、「オフショア開発」の課題や事例について確認してみましょう。
 

オフショア開発の課題

「オフショア開発」における課題としては次のようなことが考えられます。
 

• コミュニケーション
• ビジネス文化や習慣の相違
• プロジェクト要件・仕様理解における相違
   

海外という、言語や文化が異なる拠点に対して遠隔で指示を出しプロジェクトを進める上で、あらゆる場面での「理解の相違」は大きな課題となり、都度的確に対処していくことが必要になります。
 

オフショア開発の成功事例

言語の問題の影響をあまり受けないソフトウェア開発などの業界では、「オフショア開発」が成功している事例が多くみられます。

その場合、明確な仕様書の提示とすり合わせ、そして開発初期段階の発注元・受注先合同のレビューを確実に実施し、品質管理を担保することが可能になります。

「オフショア開発」は、発注前にいかに事前準備を進めるかが成功の鍵となると考えてよいでしょう。
 

オフショア開発の将来性

「オフショア開発」は、システム開発の部門においては現在5割弱の企業が、何らかの業務において「オフショア開発」に関わっているという調べもあり、グローバル化があらゆる業種で促進されている状況を考えると、今後さらなる規模の拡大も見込まれるといえます。

ここでは、「オフショア開発」の注意点と現状について確認しておきましょう。
 

オフショア開発が失敗する3つの理由

「オフショア開発」が失敗する要因は、先述した課題に連動します。
 

つまり、「言語・コミュケーション問題」「ビジネス文化の相違」「仕様に対する理解の相違」です。

この3つの点への対策が、「オフショア開発」を成功を左右すると考える必要があります。
 

オフショア開発の2019年の動向

2019年の動向として、最も注目されているのがベトナムにおける「オフショア開発」です。

AIやAR、ブロックチェーン技術などの開発レベルは、日本のみならず世界中から注目されています。

また、従来までオフショア開発として人気のあった中国での人件費高騰の影響で、低コストが実現できるベトナムを選択する企業が増加傾向にあります。
 

オフショア開発の人気国ランキング

日本の主なオフショアリング先としては、2011年の統計結果によると全体のほぼ9割が中国でした。

中国での人件費高騰によりその割合は減少しているものの、全体としての比率は高く、次いで、インドやベトナム・タイ、また日系人が多いブラジルもオフショアリング先として選ばれることがあります。

「オフショアリング」は実際企業にとって導入メリットが大きいものなのでしょうか。

ここでは、日本企業とアメリカ企業での「オフショアリング」の活用について確認してみましょう。
 

日本企業によるオフショアリングは減少？

ここ数年になり、今までオフショアリング先として選ばれていたアジア諸国の人件費が高騰し、かつ国内での働き方改革が進む中、品質管理などが行いやすい国内への設備投資が増加傾向にあるというJETRO（日本貿易振興機構）の担当者も言及しています。

今後、業界によって「オフショアリング」活用の位置付けは大きく変動していく可能性があります。
 

米企業はオフショアリングを活用している？

アメリカでは、早くから「オフショアリング」が活用されていましたが、近年の政策の一環で特に製造業に関しては国内に拠点を戻す動きが推奨されています。

世界情勢や国家間の貿易協定によっては、「オフショアリング」の最大のメリットであるコスト削減の実現が見込めなくなり、その活用方法にも変化が起きていると考えられます。

グローバル化が進む中、「オフショアリング」は業界によっては現状でも需要が高く、有効な経営手法として活用されています。

今後、人件費や各国における物価といったさまざまな要件によって、「オフショアリング」だけではなく、あらゆる経営スタイルが変化していくことが見込まれます。

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