【航空管制官の資格とは】試験の内容やキャリアパスについて解説

「航空管制官」とは、航空機が安全に離着陸し、他の航空機にぶつからずに空を飛べるように、指示や情報をパイロットに伝える仕事です。レーダーや無線を用い、刻々と変わる状況を把握し、航空機に指示を与えます。人の命を乗せる航空機に事故が起こらないよう、細心の注意を払う必要のある重要な仕事です。

航空管制官は国家公務員で、なるためには「航空管制官採用試験」という国家試験に合格する必要があります。

採用試験に合格した後は、8か月間の基礎研修が行われます。研修の修了後は、全国の空港や、航空交通管制部に配属されます。

航空交通管制部は、札幌・東京・神戸・福岡にあります。人事異動は数年ごとに全国規模で行われるため、転勤は覚悟しなければなりません。

参照：航空：航空管制官　公式 - 国土交通省 

資格の概要

航空管制官の採用試験は、業務でも必要となる語学力や記憶力がメインで問われます。

試験は全部で3次試験まであり、それぞれ以下の項目が問われます。

参照：国土交通省 航空保安大学校
 

資格取得に必要な条件とは

資格取得に必要な年齢の条件は、21歳以上30歳未満という制限があります。

航空管制官の仕事は、耳や目を使って航空機を誘導することも含まれることから、視力・色覚・聴力についての測定身体測定の合格は必須です。

筆記試験などで高得点を取っていても、身体測定に通らなければ不合格となってしまいます。 

視力について

平成15年度の採用試験から改正され、裸眼の視力検査はなくなり、メガネやコンタクト等の使用をしたうえで基準を満たせばOKとなりました。

ただし、視力が以下のいずれかの項目に該当する場合は不合格となってしまいます。

• どちらか一眼でも0.7に満たない者
• 両目で1.0に満たない者
• どちらか一眼でも、80センチメートルの視距離で、近距離視力表(30センチメートル視力用)の0.2の視標を判読できない者
• どちらか一眼でも、30～50センチメートルの視距離で、近距離視力表(30センチメートル視力用)の0.5の視標を判読できない者
• 色覚に異常がある

聴覚について

音の周波数ごとに定められた大きさの音が聞き取れない場合は、片耳だけでも不合格となります。

• 3,000ヘルツで50デシベル超
• 2,000ヘルツで35デシベル超
• 1,000ヘルツで35デシベル超
• 500ヘルツで35デシベル超
• その他航空管制業務遂行上支障のある者

ヘルツは数字が大きいほど高い音、デジベルは数字が大きいほど音量の高い音を表します。例をあげると、3000ヘルツ（人が最も聞き取りやすい周波数）の場合は、50デシベル（普通の会話の声程度）以上の大きさの音が聞き取れなければなりません。

参照：国土交通省 航空保安大学校