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調味料 将来性

【就活生必見】調味料の業界研究|事業構造・将来性・働き方など徹底解説

調味料は人々の生活になくてはならないものです。生活必需品であり、多くの人の生活を支えられることから学生からの人気も高いです。圧倒的な知名度があることや採用人数が限られていることから就活難易度は低くありません。激しい競争を勝ち抜いて、内定を獲得するためには調味料業界について理解を深め、その上で自分の強みや頑張ったことを、調味料業界でどう活かせるかを具体的にイメージし面接官に伝えることが重要です。この記事では調味料業界の業界研究を有価証券報告書やシンクタンクのレポートをもとに、詳しくわかりやすく説明しております。この記事を読めば、調味料業界の業界研究は完了するでしょう。ぜひ最後まで読んで、調味料業界の就活に挑みましょう。

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調味料業界とは

この章では調味料業界
 

  • 業界構造
  • 将来性
  • 業界分類
  • 最新トレンド
     

について解説していきます。
 

業界構造

BtoBビジネス

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調味料メーカーの基本的なビジネスモデルはBtoBビジネスです。自社の調達部門もしくは専門商社や食品卸売業から国内外の原材料を仕入れます。原材料を自社の工場で加工・製造し、食品卸売業者などの流通業者に販売するBtoBビジネスです。流通業者は仕入れた完成品をスーパーやコンビニエンスストアなどの小売店、レストランなどの外食業者、学校や職場などの給食業者に販売しています。

調味料メーカーが直接外食業者や小売店などに販売する場合もありますが、調味料メーカー→食品卸売業者→販売先という商流が完成品を消費者へ届ける最も代表的なルートになります。食品卸売業者などの流通業者を通じて、エンドユーザーに届ける商流では中間マージンが発生するので、消費者の元に届くときには割高になります。

しかし、調味料メーカーが個別の販売先に多品種少量且つ頻繁な納品を行うのは非効率であり、逆に多くのコストと労力がかかってしまいます。したがって、食品卸売業を通じて、小売店、消費者に商品を供給しています。

調味料の代表的な原材料として大豆が挙げられます。しかし、日本の大豆の食料自給率は7%しかありません。サラダ油などの原料となる油糧用を除いて食品用に限りますと、自給率は25%ですが、それでも75%以上を海外からの輸入に頼っています。国産の大豆の調達が難しいの原材料の多くは海外から輸入し、国内の工場で製造・加工しています。大豆などの原材料の価格は世界の需要動向や天候の変動、為替の影響を受けます。また、最近では中国を中心にアジアの経済成長が著しく、アジア諸国の購買力が増加するにしたがって、安定した供給を確保するためにコストが増大する傾向にあります。

調味料は消費者の購入頻度が高く、他の食料品や工業製品と比べて単価が安いので、製品によって多少の違いはあっても、消費者は価格の動向に敏感になっています。最終価格の上昇や競合他社の製品との僅かな価格差が販売数量の多寡を決定します。また、ビジネスモデルの特徴として、一個あたりの単価が低く、利益率が低いので、大量に生産し、できるだけ価格を抑えて、販売数量を稼ぐというポイントがあります。したがって、原材料の調達コストが増大して、製造原価が高くなっても、最終価格に転嫁できないビジネスであるのが特徴です。

調味料の販売数量を向上させるために調味料のメーカー各社は調味料の製造・販売だけではなく、原材料や商品の研究開発を行っている他、小売店への提案営業も行っています。提案営業とは自社の調味料製品を売れ筋商品として、店舗の見やすい高い棚に大きく、場所を確保し、かつ長期間調味料を置いてもらうための営業活動です。

 

調味料の輸出

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政府は農林水産省を旗振り役として農産物や食料品の輸出強化を図っていますが、調味料は日本を代表する輸出製品です。

2013年12月にユネスコ無形文化遺産に「和食;日本人の伝統的な食文化」が登録されました。日本食や日本の食事文化が世界から高い注目を寄せられており、農林水産省によれば、農林水産物・食品の輸出額は、約5,505億円(2013年)から8,071億円へと1.5倍に増加しています。

なかでもしょうゆやみそなどの調味料も海外市場で堅調に需要が伸びています。輸出先も中国や韓国、東南アジアなどのアジア、アジア系住民の多いアメリカ、日本の食文化への関心の高いヨーロッパと世界中に広がっています。

農産物の中で加工食品に分類される調味料は、近年、数量ベースでも金額ベースでも海外への輸出を順調に伸ばしており、輸出額は6年前と比べると1.6~1.8倍で、ほぼ右肩上がりです。なかでも最も堅調な推移をしているのがしょうゆ(ソイソース)であり、財務省の「貿易統計」によると71カ国に輸出されています。2019年の輸出は、金額ベースが76.8億円で前年の77.3億円からわずかに減少したましたが、数量ベースでは4.5%伸びています。2013年の42.7億円と比べれば、輸出額は6年で約1.8倍になっています。

 

市場規模・将来性(シンクタンクのレポートなどを)

市場規模

2019年-2020年の調味料業界の市場規模(主要対象企業19社の売上高の合計)は1兆6,929億円となっています。調味料のカテゴリ別に市場規模の推移を見ていきましょう。

全国味噌工業協同組合連合会によれば、みその2019年の出荷量は前年比0.1%減の41万トンと3年連続の減少となり、10年前比7.7%減となりました。

日本醤油協会の調査によれば、しょうゆの2019年の出荷量は前年比1.7%減の74万キロリットルで、13年連続して減少しました。

調味料メーカーは、ジュレなどのゼリー状の調味料や、開栓後も常温保存できる密封容器のしょうゆなど、新たな価値を加えて需要喚起に取り組んでいます。ボトル型容器入りの液体みそも調理の簡便化で伸びていますが、鍋つゆのように新ジャンルが確立しても、大手小売業がプライベートブランド(PB)を投入して価格競争は激しくなっています。

過去の推移としては市場の成熟化や人口減少などから、伝統的な基礎調味料の生産・販売額は落ち込んでいます。ソース類やカレー類、マヨネーズ類なども頭打ち傾向にあります。食生活が多様化し、調理も簡便化や時間短縮へと流れる中、基礎的・汎用的な調味料の使用量は減少、販売価格も低迷しています。

その中で、みそやしょうゆなど基礎調味料では減塩・無添加など健康への配慮や、小容量で使い勝手の良さをアピールする商品が増えています。

全国マヨネーズ・ドレッシング類協会によれば、ドレッシング類の2020年の生産量は前年比2.5%減の39万9,563トンで、うち過半を占めるマヨネーズが3.5%減の21万7,397トンとなりました。マヨネーズはお好み焼きやおにぎり具材、握りずしなどへの利用が進み、家庭での汎用調味料になりつつあります。

マヨネーズ以外の半固体状ドレッシングが4.1%増の6万3.843トンとなりました。カロリーを減らした半固体状ドレッシングの消費は伸びています。

液状ドレッシングが2.6%減の10万1,321トンでした。液状ドレッシングは肉・魚料理やパスタ料理などへ調理用途の多様化が進み、食用油脂を使わないドレッシングタイプ調味料は、ダイエットに関心の高い消費者に支持されています。

ドレッシングタイプ調味料(ノンオイルドレッシング)が9.9%減の1万6,896トンでした。コロナ禍で業務用の需要が大幅に減少し、家庭用の消費が伸びたとみられています。

 

将来性

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株式会社富士経済は2023年の調味料市場を2017年比1.7%増の1兆7,200億円と予測しました。現在の市場規模が1兆7,000億円ですので、微増です。国内市場は人口減少によって調味料の市場規模は中長期に縮小していくと見られています。また、魚の不漁による値段高騰、温暖化、穀物価格の高騰など、外部要因の変化にも大きく影響を受けるという懸念点があります。

一方で調味料を含む食品は生活必需品ですので、景気に左右されにくいという特徴があります。したがって、市場が縮小するとしても極端に縮小することはないと見られています。

短期的には新型コロナウイルスの感染拡大によって外食業者や給食向けの調味料の需要は減少していますが、リモートワークの普及や緊急事態宣言による外出自粛によって家庭用の調味料の需要は堅調に推移すると見られています。

長期的には食品業界のグローバル化が追い風になります。2018年12月に発効したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は多岐にわたる産品の関税撤廃・削減を定めています。また、アメリカとの間でも貿易協定で大筋合意しています。外国の関税の壁が取り払われれば、調味料を含む日本の農作物や食品の輸出拡大の好機です。

 

業界の分類

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明確な定義はありませんが、大手の調味料メーカーとして味の素株式会社、キユーピー株式会社、キッコーマン株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社などが挙げられます。
 

最新のトレンド

市場は横ばいで推移

過去の調味料業界の市場規模の推移を見てみると、2015年から2019年にかけて、横ばいで推移しています。農林水産省の食品産業動態調査によると、2020年のしょうゆ生産量は前年比△5.6%の70.2万kl、みそは前年比△1.4%の47.4万t、めんつゆは前年比△2.3%の16.5万klとなりました。

2020年はしょうゆ、みそ、めんつゆともに若干の減少を記録しています。近年の動向を見ますと、しょうゆは緩やかな減少傾向、みそは2019年までは緩やかな増加にありましたが、2020年には横ばい、めんつゆは横ばいで推移しています。

 

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの影響は調味料業界にも及んでいます。2020年の調味料業界は、新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの普及や緊急事態宣言による外出自粛によって巣ごもり需要が増加した影響で、家庭用の調味料は伸びました。

一方で外出自粛によって外食向けなどの業務用は落ち込んでいます。各社とも原材料の上昇による利益の減少も見られます。このように2020年はコロナの影響で、プラスとマイナスの両面が見られました。業界全体としては微減を記録しています。

 

海外進出の進展

調味料業界の成長率は+2.7%で150業界中、96位と低い水準にあります。業界規模や生産量の推移を分析しても、近年の頭打ち感は否めません。国内の調味料業界は今後、人口の減少に伴い、減退してゆくことが予想されます。こうした動向を受け、調味料メーカー各社は海外展開の加速や付加価値商品の開発推進など様々な手を打っています。

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醤油首位のキッコーマンは、海外売上高比率が61%と調味料業界で最も海外進出が進んでいる会社です。北米を中心に欧州やアジア・オセアニアで展開しています。60%のうち40%ほどが食料品の卸売事業ですが、製造・販売も20%ほど手掛けています。

キッコーマンは国内向けにも、注力しています。近年では、消費者の健康ニーズの高まりをとらえ、食塩分を66%カットした「超減塩しょうゆ」を発売しています。酸化を防ぐことで鮮度を高める「いつでも新鮮」ボトルを使用することで、さらなる商品の差別化も図っています。

調味料首位の味の素は、1909年に世界で初めてうま味調味料を製品化し、早い段階で海外展開を始めました。味の素の2019年現在の海外売上高比率は56%で、売上の半分以上を海外で稼いでいます。アジアを中心に米州、欧州や中東、アフリカで展開。現地のニーズに合わせたメニュー用調味料の拡大に注力しています。

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カレールー・香辛料首位のハウス食品は、海外売上高比率が13~14%ほどとなっています。米国やアジアを中心に展開しています。近年、ハウス食品は話題の調味料「魅惑のハリッサ」、「禁断の黒コショウ」を発売しました。最近伸びているスパイス需要を新たに取り込む構えです。

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