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玩具 業界研究

玩具業界の業界研究|就活に役立つ事業構造・将来性・働き方など徹底解説します

子供の頃から馴染みのある玩具業界は学生の間でも知名度が高く、文系・理系を問わず根強い人気を誇ります。最近では大人向けの商品も販売されており、学生の関心も高まっています。就活を有利に進めるためには玩具業界のビジネスモデルや業界動向、各社の取組などを理解した上で自分が企業にとって必要な存在であることをアピールしましょう。今回は玩具メーカーや小売業の有価証券報告書、シンクタンクや公的機関の各種レポートをもとに玩具業界の業界研究を解説します。ぜひ最後まで読んで、就活対策を仕上げましょう。

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玩具業界とは

この章では玩具業界の

  • 業界構造
  • 将来性
  • 業界分類
  • 最新トレンドについて

解説していきます。

業界構造

おもちゃ(玩具)の商流

社団法人日本玩具協会によれば、玩具は以下の10つの種類に分類されます。

  1. ゲーム(テレビゲーム除くミニ電子ゲーム、一般ゲーム、その他パーティゲーム、手品など)
  2. カードゲーム・トレーディングゲーム
  3. ジグソーパズル
  4. ハイテク系トレンデトイ(ロボット、イントラクティ ブトイほか)
  5. 男児キャラクター
  6. 男児玩具(ミニカー、レールトイ、ラジオコントロー ルトイほか)
  7. 女児玩具(着せ替え、ままごと、女児キャラクター、 抱き人形ほか)
  8. ぬいぐるみ(キャラクターぬいぐるみ、ノンキャラク ターぬいぐるみ)
  9. 知育・教育(ブロック、木製、幼児キャラクター、ベ ビートイ・バストイ、電動動物・キッズビデオほか)
  10. 季節商品(玩具花火、サマートイ、小物玩具、スポー ツトイ・用品)

玩具業界で製造される玩具はゲーム機やゲームソフトを除く主に子供向けの娯楽商品です。
これらの玩具はアニメの人気に大きく左右されるのが特徴です。

玩具メーカーは消費者のニーズやマーケティング調査をもとに玩具を製造します。
製造されたおもちゃは専門商社や玩具卸売業者に販売されます。
近年では中国を中心にアジア地域の工場でおもちゃが製造され、日本国内に輸入されるケースが増えています。財務省の貿易統計によれば、輸入先としては中国が6〜7割を占め、フィリピン、ベトナム、韓国と続きます。

販売された玩具はこれらの流通業者を通じて、小売業者に販売されます。
従来はトイザらスなどの小売店が最終消費者へ商品が届けられる販売拠点でしたが、近年ではアマゾンなどのECサイトが普及し、オンライン経由で一般消費者に商品が届けられます。

おもちゃの輸出

クールジャパン戦略の一環として玩具メーカーによるおもちゃの輸出ビジネスが展開されています。
例えば、ガンダムは日本のみならず世界中で人気を誇っており、そのプラモデルは海外にも輸出されています。
従来は韓国・香港・台湾が主要な輸出先であり、これらの地域で輸出量の約7割を占めていましたが、現在では中国やアメリカ、タイなどへの輸出が増えており、輸出先が多様化しています。輸出ビジネスはBtoBtoCビジネスです。

国内及びアジアを中心とする海外拠点で製造されたおもちゃは直接輸出・間接輸出という手法で海外に輸出されます。直接輸出ではおもちゃは製造メーカーから直接輸入商社へ販売されます。
輸入商社は海外でおもちゃの調達を行います。
輸入商社を通じて、海外の卸売業者や玩具の販売会社の卸売部門に販売され、小売業者に販売されます。
間接輸出ではおもちゃの製造メーカーと輸入商社の間に輸出商社が介在します。

輸出商社とは国内の玩具製造メーカーからおもちゃを調達し、輸入商社と商談や物流の手配を行います。
輸出先の現地に支店を持っている国内企業も少なくありません。
輸入商社に販売された後は直接輸出と同様に海外の卸売業者や玩具の販売会社の卸売部門に販売され、小売業者に販売されます。

 

おもちゃのサブスクリプションサービス

従来、玩具業界においてはおもちゃの製造・販売が基本的なビジネスモデルでした。
しかし、少子高齢化や人口減少が進展するなかでおもちゃの販売は苦戦しています。
また、人々の関心が「モノ消費」から「コト消費」に変化しています。
そのような中で新しいビジネスモデルが誕生しています。
サブスクリプションサービスもその一例です。

おもちゃのサブスクリプションサービスとは定額料金を支払い、知育玩具やおもちゃを利用することです。最近ではトイザらスがトイサブ!というサブスクリプションサービスを開始しています。
トイサブ!とは子供の成長に合わせて、知育玩具・おもちゃを定期的にお届け・交換する新感覚の定額制レンタルサービスです。

市場規模・将来性(シンクタンクのレポートなどを)

市場規模

業界動向リサーチによれば、2020年-2021年の玩具業界の業界規模(主要対象企業16社の売上高の合計)は6兆7,092億円となっています。

日本玩具協会によれば、2020年の玩具の市場規模(希望小売価格ベース)は8,268億円(前年比+1.5%)となりました。
8,268億円という市場規模は過去20年間の中で3番目に大きく、新型コロナウイルス感染症という非常事態や少子高齢化という国内市場の縮小の中でも玩具需要が底堅く、また今後さらに成長していく可能性が大いにあることを示しています。

玩具の市場規模は2014年から7年連続で8,000億円を達成しています。特にジグソーパズルやハイテク系トレンドトイ、立体パズルや手品といったゲームは伸び率が高く、その一方で人形・ままごとやヒーロー玩具、乗り物玩具などは鈍化していました。

日本国内の玩具市場規模及び15歳未満人口の推移は以下のとおりです。

(単位:百万円/千人)

  2001 2002 2003 2004 2005
市場規模 841,336 814,694 821,888 804,179 783,651
15歳未満人口 18,283 18,102 17,905 17,734 17,585
  2006 2007 2008 2009 2010
市場規模 723,614 746,627 728,095 719,087 741,518
15歳未満人口 17,435 17,293 17,176 17,011 16,839
  2011 2012 2013 2014 2015
市場規模 767,017 746,205 750,946 808,707 800,593
15歳未満人口 16,705 16,547 16,390 16,233 15,945
  2016 2017 2018 2019 2020
市場規模 802,472 800,015 836,981 814,413 826,755
15歳未満人口 15,780 15,592 15,415 15,210

15,025

玩具業界の堅調な推移を牽引しているのはジグソーパズル、ボードゲームなどの一般ゲーム、アーツクラフト、幼児キャラクター、ブロック、ホビーのプラモデルなどです。新型コロナウイルス感染症の影響で巣ごもり需要が高まったことが背景にあります。

また、小学校の基礎科目やプログラミングが学べるパソコンやタブレット型の玩具も好調に推移し、前年比50%以上の伸びを記録しました。

2020年は「鬼滅の刃」のブームによって、バラエティ商品やアパレル雑貨も伸長しています。
子供から大人まで男女を問わず、幅広い人気を集めており、年齢及びジェンダーのボーダーレス化が進んでいます。

一方で、キャラクター玩具、のりもの玩具、ドール・ままごとなどは苦戦しましたが、これは新型コロナウイルス感染症の影響でテレビ番組の放映が中止されたことや緊急事態宣言発令によって店舗の休業が続いたことに背景にあります。

将来性

おもちゃの分野では長年愛されている定番商品やキャラクター商品が絶大な人気を誇っています。ヒット商品が誕生しなくても、これらの定番商品が市場を牽引することで市場は堅調に推移しています。新型コロナウイルス感染症の影響があるなかでも市場は順調に拡大しています。

その一方で長期的に見ると市場の縮小が危惧されています。少子高齢化や人口減少が続く中でおもちゃの主な消費者である子供のかずが減少しています。したがって、子供だけではなく、大人やシニア層まで顧客ターゲットを広げ、幅広い年代から支持されるおもちゃの企画・開発が課題となっています。

また、2021年2月にREPORTOCEANが発行した新しいレポートによれば、世界の玩具市場は2019年に約907億米ドルと評価されており、2020年から2027年の予測期間にわたって4.3%を超える健全な成長率で成長すると予想されています。

これらの需要を取り込むためにも玩具メーカーは海外展開に注力する必要があります。

しかし、現状は他の業界と比べてグローバル展開が進んでおらず、海外展開が課題となっています。

業界の分類

玩具メーカー大手

明確な定義はありませんが、玩具メーカーの大手としてはタカラトミー、コナミホールディングス、カプコンなどが挙げられます。

玩具販売店

おもちゃの小売店としてトイザらス、ウォルマートなどが挙げられます。
最近ではアマゾンなどのECサイトが発展し、既存の小売店を脅かす存在となっています。

 

最新のトレンド

アマゾンエフェクト

玩具の販売は堅調に推移していますが、なかでもアマゾンなどのECサイトを通じた販売量が拡大しています。

2018年3月にはアメリカの玩具販売大手のトイザらスがアメリカにある735店舗すべての閉鎖を発表しました。トイザらスはアメリカで最大の玩具小売店でしたが、アマゾンをはじめとするECサイトの躍進によって倒産に陥りました。

このようにEC大手のアマゾンが業界に進出し、既存の小売業が経営不振や倒産に追い込まれる現象をアマゾンエフェクトと呼びます。

日本においてはECサイトの市場拡大による倒産はまだ報告されていませんが、今後日本のみならず世界で玩具の販売市場が小売店からECサイトに移行すると見られています。

知育玩具やガンプラが好調に推移

近年の玩具業界のトレンドとしては知育玩具やガンプラの堅調な推移があります。

2020年より小学校でプログラミング教育が必修科目となりました。

タカラトミーはスマートフォン端末などを活用してコードを入力することでロボットを動かす玩具「COZMO」の販売を開始しました。
GMOメディアと船井総合研究所の調査によれば、2030年にはプログラミング教育市場が2025年の13倍の90億円に拡大し、2035年には34倍の226億円に成長すると予測されています。
各社はポケモンやドラえもんなど人気キャラクターとプログラミング教育を組み合わせた子供向けの玩具の発売を開始しています。

また、プラモデルメーカー大手のバンダイナムコの決算資料によれば、ガンダムのプラモデル、いわゆる「ガンプラ」は堅調に推移しています。特に中国や台湾、韓国といったアジアで高い人気を誇り、ガンプラの海外売上比率は5割を超えています。

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