
基本給と最低賃金|下回っていないかを確認する方法と対処法を解説
基本給と最低賃金の関係を正しく理解することは、適正な賃金で働くために重要です。この記事では、基本給と最低賃金制度についての解説に加え、自分の賃金が最低賃金を下回っていないか確認する方法を紹介します。
万が一下回っていた場合の対処法や、基本給アップを目指す方法についても紹介しているので、賃金に不満がある方はぜひ参考にしてみてください。
基本給と最低賃金制度
適正な賃金で働くうえで、基本給と最低賃金制度について知っておくことはとても重要です。密接に関係する基本給と最低賃金について、まずはその基本的な概念から整理していきましょう。
基本給とは:毎月必ずもらえるベースとなる賃金
基本給は、手当や歩合給などを含まない、基本となる賃金のことです。
毎月の給与には、基本給のほか、通勤手当や役職手当・家族手当・住宅手当・残業手当・時間外手当などの各種手当や歩合給などが含まれています。
通勤手当や住宅手当などの各種手当は、転勤などによって住む場所や家族の状況が変われば変動します。対して、基本給は昇降級以外では通常変動しません。
なお、一般的に基本給は、年齢や勤続年数・職種・業務内容・技能などを元に決められています。賞与(ボーナス)や退職金を計算する際の元となる金額も基本給です。
給与・手取り額との関係
「給与」は、基本給に各種手当を加えたものです。一方の「手取り額」は、給与から税金や社会保険料などを差し引いた金額のことを指します。
つまり、基本給と給与・手取り額との関係は、次のように表せます。
給与=基本給+手当
手取り額=給与-(税金+社会保険料)
基本給が同じでも、手当の有無や金額によって給与や手取り額は変わってきます。
また会社によっては、各種手当が充実してるために、基本給が低くてもトータルの給与や手取りが多いというケースもあります。
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最低賃金制度とは
最低賃金とは、最低賃金法に基づいて雇用主が労働者に対して支払う最低額の賃金のことです。厚生労働省は、最低賃金制度について、次のように定義しています。
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
引用元:最低賃金制度とは|厚生労働省
最低賃金は時間によって定められており、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の二種類があります。
雇用主は、最低賃金を適用する労働者に対して、その最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。
また、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲や効力が発生する月日などを、つねに見やすい場所に掲示する必要があります。最低賃金は毎年審議が行われており、都度金額が見直されています。
最低賃金の対象となる賃金は?
最低賃金の対象は、毎月支払われる基本給です。
最低賃金を計算するにあたっては、実際に支払われる賃金から以下の賃金を除外したものが対象となります。
・臨時に支払われる賃金:結婚手当など
・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金:賞与など
・所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金:時間外割増賃金など
・所定労働日以外の時間の労働に対して支払われる賃金:休日割増賃金など
・午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分:深夜割増賃金など
・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当など
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